桜木高校マジック研究部 その3
「お〜い『根暗』部長〜! 新入部員的な少年連れてきたぞ〜!」
小宮さんが笑い混じりの口調で叫んだ。
「根暗じゃねーし! 北条だし。」
さっき書類を抱えていたかわいらしい女の子だった。 彼女はうれしそうな顔で俺を見た。
「しかし君、よくあの張り紙が見えたわね〜w あの張り紙普通の人には『関係者以外立ち入り禁止にみえるんだけど・・・・ うん、君は合格ね。」
なんのことか分からなかった。
「てかコミちゃんなんか用かい?」
小宮さんは「コミちゃん」と呼ばれていた。
「そうだった。バスケ部入部希望者16名中『素質』がある奴7人だ、そいつらの名簿書いてきた。」
そう言うと小宮は封筒を差し出した。
「今年は各部活だいたい平均5人て所ね。」
「じゃあそれ渡したから部活もどるわw」
「了解〜! おつかw じゃあねコミちゃん。」
「少年もじゃあな。」
「ども。」
そう言い残して小宮さんは去っていった。
「じゃあ本題ね、君はうちの部活に入りなさい!」
「なんでそうなんですか?」
「ああ、自己紹介がまだだったわね。私は部長の北条レイ。宜しく!ちなみに3年生だからね。」
話をきいていないようだった。
そう言うと彼女はイスに腰掛けた。 資料室は以外に広くミーティングに使えるぐらいの6人がけの席、そして壁一面に資料の入った本棚がへばりついていた。 まるで図書室のようだった。
「俺は宮沢京也です。」
「OK!、じゃあ本題に入ろうかキョウくん。 適当に座ってね。」
ふう、と一息ついてイスに腰掛けた。
「じゃあキョウくんに質問ね、君さ、1回死んでるでしょ。」
「なんで、そんなこと。」
(なにを言い出すんだこの人は!)
「まあ気にしないで。私も1度死んでるから。」
『気にするって!!』
「ハッ!」 つい、いつもの様にツッコミを入れてしまった。
「す、すいません。 いつもの乗りで突っ込みを・・・・」
「い、いいってことよ。」
俺のツッコミに驚いたのか北条さんは目を丸くしていた。
「じゃあ。どうしてそうなるかを説明します。 まず、あなたにはバトルに参加する権限があります。」
「バトルですか?」
願っても無いチャンスだった。 なにせおもしろそうだったからな。それにバトルと3年前の事件が関わっていることは間違いなさそうだった。だが、疑問はまだあった。
「でもどうして俺に権限が?」
「さっきも言ったようにあなたは一度死んでるからよ。ちなみにこの部活は表向きは手品を研究とかする部活になってるけど実際はちがうわ。この部活では各部活の能力者の個人情報を管理したりして『ライセンス』の発行をする部活なのよ。」
(やはり普通の部活ではなかった。この部に入ればきっと事件に一歩近づける、この時の俺はそう思っていた。)