フラッシュバック
地下6階、空手部と部屋の表札に書かれている。俺と北条さんはなんとかエレベーターか抜け出した。
「ここは地下6階のようですね。」
エレベータに備え付けの懐中電灯で周囲を見渡す。
「困ったわね、なんとかエレベーターから出られたけど。」
停電だろうか、辺りが真っ暗だ。今何時なんだろうか?携帯に目を通す。
「今、10時14分。停電て復興までどれくらいかかるんですかね?」
俺が問いかける。
「おかしいわ、この学校停電になると非常電源が入るはずなんだけど・・・」
だんだん目が慣れてきたのだろう。北条さんが首を傾げているのがなんとなく分かった。
「あの、もしかしてその『ファントム』とか言うのと関係があるんじゃ?」
戸惑う俺の手を引っ張られる感じがした。
「ちょっと懐中電灯かして。」
なにか閃いたのか北条さんは手を叩いた。
「生徒会室は地下10階にあるの、でね。この地下はエレベーターを軸にしてその周りに部屋、さらにその周りに螺旋階段があるの。」
北条さんがくすりとぼやく。
「でね、その階段は地下10階にある生徒会室室まで繋がってるのよ。」
大体察しがついた。
「つまり・・・・10階まで降りると。」
それを聞いて少しやる気か落ちた。
「ここが階段よ。」
俺は目を疑った。
「・・・な、何で。なんでこんなに広いんだ?」
そこには俺の部屋よりも広い幅でなおかつ階段の1段1段の幅が広い、ちなみに俺の部屋は6畳なわけで・・・・・
「早く降りるわよ!! めざせ! 10階!!」
こうして俺たちは階段を降り始めた。
長い間歩いた気がするのになにか違和感がある。
「だれか来るわね。」
北条さんの声が響き渡る。
少し緊張が走る。実はおれはだいのお化け嫌いなわけで・・・
「だ、だれだ。」
次の瞬間停電が治ったのだろうか。急に辺りが明るくなったせいで目がちかちかする。
「た、たす・・・・け・・・て。」
ピエロの仮面を付けた少年が叫んでる。
「ゲ、ホ、ホラー展開!! あ!」
口が滑ってしまった。・・・・
「夜乃君?」
北条さんが呟く。しりあいなのか? あんなのと? まさかね。。。
「ほ、北条!! 頼む・・・この仮面を・・・外してくれ〜〜〜〜!!」
夜野の悲痛な叫びが階段に響く。
「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
夜野の声が天を裂く。次の瞬間黒いドールが姿を現した。
「お前も・・・お前らも・・・・・・こっちに連れて行ってやるよ!!」
気のせいだろうか、夜乃の声が違う。そう、聞いたことも無いような声だった。
「あの仮面、あの時と一緒。あの時と・・・また・・・あんなこと・・・。いや、いやだよ・・・・もう!!」
北条さんの顔が青ざめ床にヘタれ込む。
これが・・・・長い夜の始まりだった。