アンダーグラウンド・パニック
>帰ってきてから2時間ぐらいたった頃だったろうか多分9時30分ごろだったと思う。
>>プルルルルル!!!<<
部屋の奥から携帯電話の音が鳴り響く。 知らない番号だ。
「はい、もしもし。」
電話のボタンに手をかけると同時に声がする。
「もしもし!大変なのよ!!すぐに学校まで来て!!」
聞いたことのある声だった。
>もしかして北条さんかな?<
暇だったのでとりあえず行くことにした。
「お、来たきた。」
やっぱり北条さんだった。
「なんですか?こんな時間に。」
少し眠かった俺は用件だけ聞いて帰ろうとしていた。
「実はね、大変なことが起こったのよ。生徒会室に行くわよ。」
そう言うと彼女は俺の手を強引に引っ張って体育館のエレベーターまで連れて行った。
「いい加減何が起こったのか説明して下さいよ!」
俺は怒鳴るように声を張り上げた。がエレベーターに引きずり込まれた。
「実は生徒会から非常事態宣言が出されたのよ。」
まじまじとした表情だった。
「非常事態? それって・・・」
ドゴーーーーン!!!
ちょうど地下6階に差し掛かった頃だった。 衝撃と共にエレベーターが停止する。
「な、何が!!」
とまどう俺が横を見ると北条さんの顔が青ざめていた。
「奴らが来たんだわ。」
いつもの北条さんらしくなかった。
「や、奴ら?」
一瞬鳥肌が立つ。
「早くエレベーターを降りなきゃ。」
いやな予感がした。
「な、いったい何が起きているんだ! いったい奴らっていったい何なんですか!!」
早い口調で俺が問いかける。
「『ファントム』、私たちはそう呼んでるわ。」
北条さんの顔がこわばる。
「時間が無いの。さ、行くよ!」
キャシャな手が俺の腕を引っ張る。 これが俗に言う『超展開!!』
この時の俺はどうして北条さんが慌てていたのか理解できなかった。いや、多分・・・・