旋律と能力
「おお、おつか・・・・・で、誰だっけ?」
さっきの衝撃で頭を打ったのか、ただボケていただけなのか、北条さんはケロッとした表情で金髪の男をしばらく眺めていた。
「数少ない部員である俺のことを忘れたのかい?、しかも同じクラスだろ!!起きろ!!。」
その人はちらりと部屋の様子を見ると俺のほうに近寄ってきた。
「おお、新入部員か?珍しいね、てかこの様子じゃ『かわいがり』をしてたな北条くん。」
そう言うと彼は北条さんのほうに振り向く。
「そんな、人聞きの悪いこと。 そんな、どっかの相撲部屋じゃないんだから。入部歓迎バトルじゃないw それにあんたもやられたでしょ。」
北条さんはニコニコしながら袋を見つめていた。
「そうでした。で、結果はどうだった?」
彼はなぜか天井を見つめていた。
「それがね。彼、私より強いのよ。 で、名前はキョウくん。」
(京也なんだけど。まあ自己紹介をしておこう。)
「宮沢京也です。宜しくおねがいします。」
「俺、3年の茂野光彦、ちなみに副部長やってるんでよろろ!!』
(陽気な人だ、この人も強いのかな?)
『弱いぜ。』
「即答かよ!! てかなんであんたら分かるんだよ!!」
(こいつら何者?)
「そ、それは・・・・・。 あ!!そうだ、これ買って来ましたよ!!」
話をそらされた。 いや、流された。
「見つけるのに苦労しましたよ。」
茂先輩はビニール袋を天にかざした。その光景はまさに・・・ライオンなんちゃらの猿のようだった。
「おお、キュウサン!! これが欲しかったのよね。」
次の瞬間、袋から缶のような物体が取り出された。
「こ、これは・・・・」
俺は言葉を失った。
話は変わるがこの部活は新しい部員が入るたびに『殺し合い』的なことを毎回やっているのか?なあ? 俺はそう思った。