第01章 算数及び歴史の勉強
これは、あくまで私の考えです。
前回までのあらすじ
先輩に、部活があるからと、夜の学校に誘われた。
私と先輩は、第三棟の第5禁書庫の前の扉まで来て、私は1度その扉を開ける。
そこで私は、沢山の本棚と本そして、飛び回っている本たちを見た。
私は、扉を閉め先輩に説明を求める。
先輩は笑いながら教えてくれた。
意味が理解できずにいると先輩は、渡したいものがあるから中にはいろうと言いドアに手をかける。
なぜか、ドアの向こうは、一面うっそうと木々が生えた森になっていた。
↑※今ここ
………………………………
……………………
…………
「あ、やっぱり異界化しちゃったか。」
先輩はそんなことを言いながら、躊躇せずその森の中に入っていく。
「せ、先輩!!」
「ん?…ああ、大丈夫だよ。これは禁書の能力でね。
一見すごく広く感じるけど、実はすごく狭い範囲でしか無いんだよ。現実では、だけどね。
まあ、ご都合主義というか、必ずしもこの今見えている”ジャングル”の面積と、禁書たち
が張っている異界化のもとの面積とは異なっているんだよ。
だいたい最低でも10倍、最高では200~300倍もの違いがあるんだ。
例としては、現実では10×10×10㎜の面積なのに対して異界化によって作られた面積は、
最低でも、100×100×100㎜の面積になるんだ。」
先輩がいう事が、全然理解できない。 …なんかこんな事、前にもなかったけ。
デジャブが…。
「要するに今、目の前に広がっている光景は、禁書たちが自分の力で作ったもので、
距離に関しては、個々の力の差には因るが、本来の距離とは異なっていると…。
そういう事を先輩は仰りたい訳ですか?。」
うん、なんというか…。
「おぉ!!。 よくあんな説明で理解できたね~。 わざと、難しくいったのに。」
ああ、私の常識が羽が生えたように、マッハで飛んでぇ…あれ?。
「…先輩。今なんていました。」
「え。…だから、よくあんな説明で理解できたなって。わざぁ…あ。」
「…」
「…」
「……」
「まあ、そこら辺のことは水に流そう。とりあえずこちら側に」
先輩はそう言いながら、私に向かって手招きをしてくる。
「…今回だけですからね。」
そう言いながら私は、禁書庫のドアを潜り抜けた。
「うわぁ…。」
先輩がジャングルって、言っていた意味が分かった。
とにかく蒸し暑いのだ。しかも、変な鳥まで飛んでるし。
「これからどうするんですか。」
「とりあえず、”迎え”が来るまで、ここで待機してましょうか。多分、じきに来ますよ。」
「…迎え、ですか。迎えが来るまで、さっきの廊下で待っていてもいいですか。…ここ暑いですし。」
私は、先輩を見ながら、今さっき入ってきたドアの方を、指差し聞いてみた。
「ん? 気付いてなかったのかい? ドアなら閉まったよ。 今さっき、嘉穂さんが入って来た後に。」
「はぃ?。…!!。」
私は、勢いよく後ろを振り向いた。
そこには、ちゃんとドアの…ドの字もなく見渡す限りの木々が広がっていた。
あ、それと変な生物もいた、なんか手に葉っぱを持っている”小さな子供”が。トコトコと。
「せ、先輩。 どうなっているんですか。 というか、ドア自体どこに行ったんですか!!。」
「あ~、今さっきの説明の続きなんだけど。
まず最初に、この空間は現実での縮尺と異なるって説明したのは、覚えてるよね?」
「はい。」
「異界化した場所って、基本出入り口は存在してないんだよ。」
「えっ。」
出入り口が存在しない?
「でも、それって。」
「うん。 そうだね。 出入り口が存在してないのに、なんで入ってこれたかって言いたいんだよね。
確かに、基本出入り口はないけど、禁書本人が認めたり、条件を満たせば比較的簡単に出入り
出来るんだよ。
まあ、今回の場合は、条件がドアを開けるという動作で、この世界に繋がり、そのドアを潜るという
動作で、この世界に入って来る事が出来たと言う訳なんだよ。ドアが無い理由は、ドアが閉まった
事により、この世界とのリンクが、閉ざされたから、だね。」
「…」
「ああそれと、ここに限っては何も起こら無いと思うよ。 ここは、無関係の人が入ってきてしまった
場合、迷わし化かすと言った目的で作られたものだからね。
あと、気になっていると思うけど、基本異界化した場所は、ループしているからね。」
「…」
「大体ここは、現実では、高さ2,7m×奥行2m×幅3,2mで倍率は確か23倍のはずだから、
ここから前後左右、どちらか一直線に歩いていくと、大体46~73,6m行ったら、あら不思議、
なぜか、元いた場所に。といった感じかな。」
うん、なんと言うかね、あれなんですけど。
先輩の言っている説明は、頭の中には確かに入って来てるんだと思う。
でも、理解が出来ないんだ。
…いや。違うか。
理解することは、理解できてるんだろうけど、それが理解できないんだ。
だって、考えても見てよ。
朝、ご飯に半熟の目玉焼きが出てきたんだ。
その目玉焼きの、黄身の部分を開けてみたら、なんと、ヒヨコが出てきたんだ。
あれには、驚いたよ。ほんとに。
なんて、真顔で言われて、はいそうですかって、信じろって。 信じられるわけないじゃない。
…でも、そういえば今朝、卵割ったら中からヒヨコが、出てきたな…。
そう考えると…目玉焼きの黄身の部分からヒヨコが出てきても…。
いやいや、そんな馬鹿な。 でも…。
なんて、心の中で一人漫才をしていると、私の後ろから声が聞こえてきた。
「…一様、確認なのですが。千丹田様、本日はどのようなご用件で、要らしたのですか。」
後ろを振り向くと、スレンダーな女性(?)と、今さっき見た葉っぱを持った小さな子供(?)が、
スレンダーな女性の肩に座っていた。
んん? スレンダーな女性の方に、少し違和感が。
肩に乗っている子供の方が、気になるだろうがだって?
気にはならないと言うと、嘘になるのだが、私的にはキャパシーのメーターが振り切れてしまって、
同じ人型の女性の方に目が行ってしまっている、というのが現状だ。
「ええ。 第13課から手伝ってほしいとの依頼で、今日はこんな時間に来たんですよ。」
先輩は、そんな私を無視し、答える。
「そうだったのですか。 ちなみに、そちらの方は?」
身長は大体160ぐらいで、髪の毛は銀髪(腰ぐらいまである)でポニーテール。
肌の色は、若干色白で、目の色はブラウン。少し控えめであるが胸(推定B)もある。
体型は、スレンダーという言葉が、すごくよく映える体型だ。
どこからどう見ても、私と同じ人なんだけど、違和感が…。
「ん?そういえば会うのは初めてか。嘉穂さん自己紹介を。」
「……」
違和感が…。
「…嘉穂さん。」
「は、はい。なんでしょう。」
「自己紹介を、お願いします。」
「えっと、はい。分かりました。
私の名前は高町嘉穂です。学年は1年生で、千丹田先輩の後輩に当たります。
一様ここには、先輩の付き添いで来ました。」
「これは、これは、ご丁寧にありがとうございます。
次は、私の自己紹介ですね。
私の名前は、フィア=クラウネと申します。 肩に乗っているこの子はベル=ラスティと言います。
私のことはフィア、この子のことはベル、とお呼びください。
以後、お見知りおきを。」
中世の貴族の女性が、するようにフィアさんは優雅に挨拶をする。
なんか、絵になる。
肩に乗っている子も、かわいいなぁ、もう……あ。
違和感の正体が分かった。
耳だ。耳の形が私たちと違う。
「気付いたようだね。」
先輩は、笑いながら教えてくれた。
彼女たちの、種族を。
「見て分かるように、フィアさんは”エルフ”、ベルちゃんは”コロポックル”だよ。」
「へぇ~。エルフにコロポックルですか。道理で、フィアさんの方に違和感…はぃ?」
エルフというのは、あれか、よく色々な物語に出てきてる森の守護者みたいな。
それに、コロポックルて確か、地の精霊というカテゴリーに、含まれていたような。
「うん、確かに。エルフは大体あってるね。 でも、コロポックルの方は、少し違うね。」
「先輩」
「ん?」
「人の心を、読まないでください。…と言うか、少し違うとはどういう意味ですか。」
「あはは。そうだね~…。コロポックルて、どこが発祥かは知っているかい?」
質問に対して、質問で返すなんて。え~と多分…。
「確か、寒い地域だったと、認識しているのですが。」
「うん、正解。もう少し詳しく言うと、実際は南千島や北海道、樺太周辺が、発祥なんだよ。
コロポックルて、アイヌ語なんだけど、要約すると”蕗の葉の下の人”ていう意味なんだ。」
「そうなんですか~。…でもそうすると、なんで精霊じゃないんですか?
葉の下の人て言われてるなら、精霊ぽいじゃないですか。」
「うん、まあそうなんだけどね。 でも、コロポックルが、私たち人間と同じと考えるとね。
蕗の葉で作った家に、住んでいた人とも、考えれるんだよ。まあ、それとは別に、蕗の葉を持って
いた人が、本当にいたのかもしれないけど。その時代に行ってみないと、分からない事だね。」
「で、でも、それでも、蕗って小さいじゃないですか。よくても10~20cmぐらい・・・。」
「確かに。でも、それはあくまで、一般的な、蕗だからじゃないかな。
馴染みは、あまりないかもしれないけど北海道に、螺湾ブキて言われる蕗があるんだ。
それには、高さ2〜3mで、茎の直径が10cmに達する物も、あるらしいんだよ。
葉っぱも、それに比例して、大きいみたいだしね。
それを考えると、コロポックルは人間であったとも、考えられるんだ。
それにどうやら、先住民族で、あったぽいんだよ。どこかの地域では、迫害も受けていたようだし。」
「そ、それじゃあ、なんで一般的に浸透しているコロポックルて、小人なんですか。」
「それは、比較的簡単なことなんだけどね。フキて言われたも、ぴんと来ないかもしれないけど、
葉の下の人て言われると、小さな感じが、しないかい?。
それと、知識の差なんじゃないかな。 アイヌの人たちが指している蕗が、螺湾ブキ
なのに対して、私たちが思っているのは、一般的な小さな蕗だった、てだけじゃないかね。
それに、小人の方が、可愛いじゃないか。」
いやいや、かわいいじゃないかって・・・。
「お話は、終わりましたか?」
エルフの…フィアさんが訪ねてくる。
「ええ。一様、コロポックルのことは、説明したよ。ちょっと、理解できないみたいだけどね。」
先輩の言葉に、フィアさんは、苦笑いしながら、うなずくと
「それでは、条件は整いましたね。 出口は、…あちらですね。」
フィアさんが、指差した方を見てみると、そこだけ空間が四角く切れていて、
その奥には、図書館の受付であろう景色が、映っていた。
私たちは、そちらの方に、歩いて行った。
「嘉穂さま。」
「は、はい!!」
突然、フィアさんが私を呼んだ。
「今さっき、千丹田様が仰ったことは、あくまで、多分そうであるかもしれない。
と言う憶測でしかありません。真実かもしれないですし、そうでないかもしれません。」
「…」
「ここ第5禁書庫には、自分を知ってほしいと、思っている禁書たちが、集まってきています。
確かに、真実を知る事は大切です。しかし、人が大勢関われば、関わるほど話は歪んでしまい、
基の話と、異なった内容の話になってしまうでしょう。
しかし、それは、悪いことだけではありません。」
「…」
「書いた人だって、人間です。一方向からしか、見ていない事もあれば、好き嫌いによって、
悪く書いたりすることも、あるでしょう。…それは、作者が、化け物だって同じことです。
ようは、書かれていることが全てではない。と、お考えください。」
そうこう言っているうちに、この世界の”出口”に近づいていく。
「また、読み手もそうと言えます。
私たち、異界の者たちは、その時その時で、姿かたちが変わります。
今、話している私も、嘉穂様の記憶にあるエルフて、こんな感じではないか?と無意識に、
思っている姿・形をとっています。
どこかには、攻撃的なエルフや、メリハリのついた体型のエルフだっているかもしれません。」
とうとう、出口に着いた。
「どうぞ、こちらを、お潜りください。」
ファイさんの言葉に、先輩は「また。」という言葉を残し、ドアを潜り抜ける。
「嘉穂様も、どうぞ。」
フィアさんの指示に従い、私はドアを潜り抜ける。
その途中で、
「あまり、お悩みなきよう。私たちは、霞みたいなものなのですから。
実は、こんな事実もあったんだ。と思っていただけるだけで、私たち禁書はうれしいのですよ。」
最後の最後に小さな声で、誰かが…。
「またね。ばいばい。」
そんな風な、声が聞こえてきたような気がして、後ろを振り向いたが、そこにはもう、
森は無くなっており、1冊の本が、宙に浮いているだけだった。
To be continued …
難しい言い回しになっているのですが、考え方は人それぞれと言う事で。




