‐第00章 悪夢な放課後の始まり‐
私はその部屋のドアを開けた…。
ギィー……………
「…ふぅー」
バタン
おかしい。なんか今、本が飛んでたぞ?。訳が分からない。
「先輩」
「ん?」
私がここにいる原因になった人に聞いてみる。
「目の錯覚かもしれませんが、この扉の向こうで、一瞬本が飛んでいたみたいに見えたのですが。」
「Hahahaha嘉穂さん、何を言っているんだい…。」
「そうですよね。目の…」
「禁書庫の本が飛ぶなんて、当たり前の事じゃないか。」
「はい?」
どうしてこうなった。
「ん?」
先輩は、首を傾げながら
「わりと、一般的な常識だぞ。」
「………………………はぃ?」
ほんと、どうして、こげな事に、なっとうとでしょう。
そう、事の始まりは、今朝まで遡る。
……………………………
……………………
…………
~その日の朝~
私、高町 嘉穂 は朝から憂鬱な気持ちになっていた。
朝起きて空を見た。すごく晴れていて気分がよかった。…そう、この時までは。
朝ごはんを作ろうと卵を割るとヒヨコが中にいたり。(無精卵のはずでは…)
フライパンを使おうと思ったら持ち手が折れ。(買って2ヶ月も経ってないのに)
何の気なしにテレビを見ると占いは最下位。(手相・星座・血液型占いすべて)
学校に行こうと寮を出ると黒猫たちの行進を目のあたりにし。(わぉ!!)
学校の階段(外にある)から転げ落ちてみたり…。
(無傷だったけど。傘持ってたら危なかったのかな?)
うん、もうこれだけ起こると、不幸だよね、とか笑ってられない。
学校休みたい…。
ちなみに話は変わるのだが、私の通っている学校は初等部(200人×6学年)、
中等部(200人×3学年)、高等部(200人×3学年)があり、全校生徒約2400人弱いる。マンモス校と言われる物だと、考えていただきたい。
校訓として
1、勝手に休んだら…。
2、理由もなく遅刻したら…。
3、友情・努力・ど根性
…のところがすごく気にはなっているのだが、私は休んだり遅刻した事がないからどんな事をされるのか解らない。一度受けたことがある人に聞こうと思ったのだが、聞こうとしたら、がたがた震えてしまい、聞く事が出来なかった。
よって、不幸な事が身の回りで起こっているので、今日は学校休ませてください、
なんて口が裂けても言えない。
まあ、私が思うところ校訓というのは3番だけじゃないか、と思わない事も無いのだけれど。1と2はなんか警告ぽいし…。
さて、大分話が逸れたようだが、この時私は、是が非でも休んでおくべきだったのだ。それは学校について靴を履きかえた後に起こった。
「おはよう。嘉穂さん」
この人は、これから起こる原因作ってくださりやがりました、先輩の千丹田 鞠。
私の2つ上の先輩で”何でも屋”という部活に所属している。
余談だが、幼稚園の頃からの腐れ縁である。
ちなみに、私も何でも屋に所属している。
しかし、腐れ縁&年上なのになぜか名前に、さんをつける。だから私も対抗し、少し余所余所しく対応している。(まあ、学校内限定だけど。)
「先輩。 おはようございます。 朝からどうしたんですか?」
「うん。用ってほどでもないけど、今日の放課後は、暇かい?」
「今日の放課後ですか?特に用事はないですけど。」
「お、そうかい。なら”9時”に第三棟の前で集合な。」
先輩はそれだけ言うと、自分の教室に帰って行った。
放課後か…。
……?
9時ぃ!!
「先ぱ…」
私が疑問に思った時には、先輩はもう私の目の前にいなかった。
9時って、21時のことかなぁ?
でも、放課後って言ってたからには、21時のことだよね…。
というか、21時って放課後なのか?いやまあ確かに学校が終わった後だから…。
いや、でも…。
な~んて、とりとめのない事を、考えていたりもした。
要するにパニックっていた。
その後、先輩のところに会いに行ったのだが、なぜか居らず(おらず)、
先輩の同級の人に聞いてみても、
「そういえば、あいつ何か準備があるとかいって、どこかに行ったな。
どこに行ったかまではちょっと解らんが…。それにしても…。」
唯、冷やかされただけで、結局先輩には会えなかった。
~放課後~第3棟前 pm8:50
私は9時前に第三棟の前に立っていた。
ちなみに第一棟は教室、第二棟は移動教室(体育館や理科室等)、
そして今私がいる第三棟は”小分け”にされた図書館である。
それと、余談ではあるがこの学校には第四棟もある。
(関係者以外立ち入り禁止だけど)
「10分前行動とは。さすがだ。」
”千丹田”先輩だ。いったいいつの間に来たのか、気配を全然感じなかった。
「先輩。…ちなみに今から何するんですか。」
「ん?そういえば今日何するか言ってなかったけ。 ん~、行きながら説明するからついて来て」
先輩はそういうと第三棟の中に入っていった。
「取り合えず今からする事は部活動だよ。何でも屋として依頼されたんだ。
依頼主は、図書委員会の”第13課”。」
「図書委員会からの依頼は分かったんですけど、図書委員会に13課なんてありましたっけ。」
「あ~。そういえば嘉穂さんて、こっち系の依頼初めてだっけ。」
先輩は笑いながら説明(?)をしてくれる。
「図書委員会だけじゃないけど、名も無き13課、戦闘に特化した13課、無慈悲なる13課、なんて色々言われているようだけど、唯の”化け物”や”この世有らざる物”に対して、設立されている課だよ。
まあ、簡単に言うと治安組織みたいなものだよ。学校の治安を乱さないように、てね。ああそれと……。」
色々先輩が説明してくれてるけど全然一個も理解する事が出来ない。
いや、少し訂正、理解は出来る、できるけど。
化け物って何、この世有らざるものってなんなのよ。
とか混乱しているうちに、どうやら目的の場所に着いたみたいで先輩の歩みが止まる。
「今日はここ”第5禁書庫”にて、今さっき言ったように図書委員会の13課から今朝、何でも屋に応援要請があった。本日21時から行われる清掃・討伐に参加してほしいとね。」
うん。まったく訳が分からない。38歩譲っても、清掃は分かる。
討伐てなんだGでも出るのか…。
「まったく訳が分からないって顔をしてるね。」
先輩は笑いながら言ってくる。
「まあ仕方ないか。私の時もそうだったし。とりあえず嘉穂、その扉を開けたらすべて解るよ。」
訳が分からないが、とりあえず私は先輩の指示に従ってそのドアを開ける。
そこには、たくさんの本棚と本、それと”なぜか”空中を飛んでいる本が目に飛び込んできた。
「…ふぅー」
バタン。
私は、静かにドアを閉じた。
……………………………
……………………
…………
~第5禁書庫の前より~
という事があって、冒頭に繋がる訳なのだけれども。
常識ってなんですか。それは美味しいのですか…。
もう、全然意味が解らないんですけど。
「あ~。見事に思考停止しちゃてるね。」
「………」
「嘉穂さ~ん…。嘉穂ちゃん~…。カホッチ~…。嘉穂やぁ~ん…。
…ダメみたいだね。ん~、どうしたものか。」
なんか、先輩が私の前でなんか言ってる。
「そうだ!!」
ポンと手をたたきながら先輩は、
「帰ってこないようならキスしちゃうよ。それもディープなやつ。」
先輩とキスか、それも…
「3、2、ぃ…」
恥ずい、恥ずすぎる…。
「は!!ここは何処、私は何をしに、というか本がなんだって?」
ここで、ようやく私は正気に戻った。
私は、なんていう事を考えていたんだ…。でも、勿ta…。
そんな悶々としている私に、先輩は優しく諭すように丁寧に教えてくれる。
…今という現実を。
ここはどこ?― ここは第3棟の第5禁書庫のドアの前だよ。
どしてここに?― 図書委員会の13課からの依頼でだね。
依頼って?― 第5禁書庫の中の物の清掃と討伐だよ。
ドアの向こう本飛んでなかった?― 禁書だからね。
先輩が言ってくれた事をもう一度、頭の中で復唱する。
確かに今、第3棟の第5禁書庫の前にいる。 これは確かだ。
ここに来た理由、図書委員会からの依頼があったから。 これも意味が分かる。
依頼の内容はちょっと解らないとこもあるけど、ここまでは理解できる。
さて、この次が問題だ。
先輩はなんて言った。
本が飛んでる?。
禁書だから…。
why? なぜ。
同級生の女の子から、放課後教室でサバイバルナイフで、殺されそうになるぐらい訳が分からない。
本当に訳が分からない。訳が分かる人がぁ…。
…あぁ、先輩に聞けばいいのか。
「先輩。まったくもって意味が解りません。」
「えっと。簡単に言うとだねぇ…。」
先輩がいう事を、まとめるとこういう事らしい。
禁書とは、この世者ざる者が書いたり、力の強いものが書き記した手記等が、
異物化したもので、ぶっちゃけ簡単に言うと書物でありながら、
力を持った物で、そういう力を持った物を総じて、禁書と呼ぶ
らしい。
なので、飛ぶなんてあたりまえ、ひどい奴になると、”本が”人を喰ってしまうのもあるらしい。
「ああ、本が人を喰うと言っても、そんな危険な禁書はここ第5禁書庫にはないよ。
せいぜい、”火や水”なんかを出したり、一部の範囲を”異界化”できるぐらいじゃないかな。」
さよなら、私の常識。 おいでませ、非常識。
さらに、先輩の言葉は続く。
「13課からの依頼は、散らかった本たち及び、封印の解けてしまった禁書たちの再封印の手助けをして欲しいとの事なんだよ。どうやら第8とブッキングしてしまったせいで人数がたりないらしいんだ。
少し失敗したところは、9時すぎから活性化するはずの禁書たちが、もう活性化している事かな。
武具等、昼休みのうちに、ここに運び入れていたからなぁ。
さてどうしたものか。手持ちは護身用のスミス&ウェッソンだけだし…。」
とか言いながら、先輩は第5禁書庫のドアの前に立つと
「とりあえず中に入ろう。渡したい武具もあるし。」
そして、先輩はドアを開ける。
その先には、たくさんの本棚と本、そして飛び回っている本たちが……。
「……森?」
おらず、なぜかあたり一面うっそうと、木々が広がっていた。
「あ、やっぱり異界化しちゃったか。」
そんな、先輩ののんきな声が聞こえてきた。
To be continued …




