表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
sing a song!  作者: 勇気
2/2

f第二話

色白の少女は朱莉に気が付いた。するとただでさえ白い顔がもっと青白くなった。

「お金ならあげます!ほら、財布!それでも不満ならこのバックも差し出し…」


朱莉はあわてて棒を手放し。


「大丈夫大丈夫!私、物取りじゃないから!」

「じゃあ、なんで襲おうとしたの!」

「それは…ごめんなさい。怖がらせたりして。悪気はないの。」


 少ししたら少女は落ち着いた。朱莉も隣に座った。朱莉は体育座りをして顔を膝に沈ませた。朱莉の心は呆然としていた。朱莉は音楽の子とすら考えられなくなっていた。

 10分してから朱莉が顔を上げると少女がヘッドフォンで曲を聴いていた。朱莉は話しかけるが一向に気づいてくれない。

「ねえ、ねえ。」

「…」

「ちょっと聞いてるの!」

そういって朱莉は少女のヘッドフォンを取り上げた。取り上げるとヘッドフォンから大音量で音楽が聞こえた。

聞いたことのない曲だった。朱莉は曲がりなりにも人よりも音楽のことは知っていた。でも、今世に出ている曲ではなかった。

「返して!」

少女は乱暴に朱莉からヘッドフォンを奪う。その顔はまるで閻魔のようだった。

また少女がヘッドフォンをつけると朱莉は外そうとする。それを少女は手を頭に添えて防ごうとする。

「あんた、ちょっと!」

「ん~!ん~!」

「いいかげんに、しなさい!」

朱音がヘッドフォンをとるとそれを頭に付けた。

その曲を聴いて驚いた。プロでも通用するものだった。つないでいたIpodを取ってほかの曲を聞いてみた。

「これ、あんたが書いたの?」

「う、うん。」

「すごいじゃない!こんなにしっかりした曲が作れるだなんて!」

「褒められるようなものじゃありませんよ。」

「謙遜しなくていいわ。これでも私プロの端くれよ。」

「それは、気晴らしに作っただけ。それに私の声聞いた?」

朱音はAメロ聞いてみた。

「これは、ひどい…」

そこから音程などどこかへ飛んで行った歌声と小学生が書いた作文よりもひどい歌詞が流れてきた

「それが私の曲。私ね、それで自分のダメさ加減を聞いているの」

朱音は思った。何とも惜しい。ここまで曲が作れるのに、歌と歌詞がダメだなんて…

「いい加減返してくださいよ。もういいでしょ。」

「そうか!ねえ、私とコンビ組みなさい!」


その提案に少女は困惑した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ