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sing a song!  作者: 勇気
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プロローグ

朱莉は緊張していた。


プロのオーディションはこれで数えて34回目。


これ以上の失敗は許されなかった。


朱莉は必死に自分が作った曲を覚えていた。


エアーだがコードがこれであっているか、このときにどう歌うかを確認しているが、体からどんどん水分を取られる。


朱莉の頭は真っ白だった。


「次のFマイナーで次が…」


「次の方。」


「次がGで次が…」


「は~、番号25番のあかねさん!」


「え?」


「あなたの番です。あとが詰まっているんです。」


あかねはギターと楽譜をケースに急いでしまって会場に向かった。


入るとプロダクションの人が


「はい、それじゃあ、持ってきた曲弾いてね。」


そういうとあかねはあわてて楽譜とギターを出そうとした。すると焦っているせいでぼろぼろと楽譜をこぼし、あたふたした。


「は~。急がなくて大丈夫だから」とプロダクションの人が冷やかにいってくる。そこ言葉が余計に焦られた。


「それじゃあ、『坂の終わりに』」


びゅー、びゅびゅ、びゅびゅ


ギターから出たとは思えないような音が出る。歌えるには歌えるがメロディーと歌詞があっていないから曲が雑音にしかならなかった。


「は~、学芸会見てるんじゃないんだから。」


朱莉の心は地面にたたきつけられた。


オーディションが終わると朱莉は車に駆け込み、深呼吸をする。


「落ち着け、落ち着け。いつものこと、いつもの…」


そういうと猛スピードである場所に向かった。


朱莉が車を止めた。


着いた場所は街を一望できる公園だった。


朱莉はふさぎ込んだ。



なんでこうなのだろう。


なんで私ってこんなにセンスがないんだろう。



自分の才能のこと、センス、やってきたこと。全部がごみのように朱莉は思った。


ろくに勉強もせずにいた自分を朱莉は後悔した。音楽にだけは真剣にいられたのに誰にも相手にされない。


どうしてだろう。


そんなことをずっと考えているとなんだか自分が本当に何もできない人間だ、と朱莉は思った。このままどこかに消えてしまったほうがいいのではないか。


そうしてると、時計が夜の12時を過ぎている人影が見えた。朱莉はそこらへんにある木の棒を手に取り、その人影に向かった。


近づくと肌が白い女の子が座っていた。

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