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ケイジ

作者: 秋元奈緒

なんとなくやってこれた。社会にすごい実績を残した訳では無いけれど、無事 いきてる。


あいつを思うと胸が疼く。冷たい風が頬をつきさす、そんな夜、いつもあいつを探しに六本木を徘徊した。

真っ白で、美しくて、長身長髪のイラストのような男。”うぜーんだよ”ってセリフがドンピシャで似合う男ってケイジだけ。

サラサラの髪をかたるそうにかきあげ、お前また俺に会いに来たの?って、一発でノックアウトされたよ。

リアルな時間じゃないから、最高に酔いしれられた。夜の時間を昼まで持続しないでいい世界だから、最高に淫らになれた。

リアルじゃないから、いつもマットな世界だから、自由に飛べた。


西麻布…


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