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第七項

 一人の男が森の中を疾走する。小奇麗に身を整えた性格の悪そうな男、タヴだ。足の踏み場もないほど草木が生い茂っているが、履いているショートブーツは軍用の特別性だ。道なき道でも容易に踏み込むことができる。借りたばかりの真新しい勝色のコートに枝傷が付いてしまうが問題ない。所詮は借り物だ。

 タヴが召喚された洋館は森の中にひっそりと佇んでいた。一番近くの街道まで南に徒歩3時間ほどの距離がある。目的の街は洋館の東南東、街道に出てから道伝いに更に8時間、街に着くまで約半日を要してしまう。なのでタヴは一度南に抜けるのではなく一直線に街を目指していた。


 洋館は王家専用の隠れ家であったらしい。ミコットによると結界が張られていて通常の者は入れない仕組みになっているとのことだが、タヴにその仕組みは判らない。単に見つけにくくなっていると考えている。その距離は洋館を中心に約1km程だ。かなりの広さになる。そしてその1kmのラインを超えた時に異変があった。

 少ない人数ながらも視線を感じたのだ。こんな森の中だというのに、まるで獲物を待ち構えていたかのように気配が近づいてくる。どうやら隠れ家の大まかな場所はバレていたらしい。タヴの嫌な感が当たったのだ。敵をわざわざ洋館に呼び込む必要はないので戻ることはしなかった。かと言って交戦するつもりもない。今は街に行き薬を手に入れるのが先決と逃げの一手をとっている。

 

 追いにくいように障害物の多そうな経路を通って疾走するタヴ、かれこれ三時間走っているが速度が落ちる気配は無い。それどころか汗一つ掻いていない。やはりこの男はどこか普通ではないらしい。さすがの追っても諦めたのか既に気配もなくなっている。しかし、タヴは速度を落とそうとはしなかった。このまま街まで駆け抜けるつもりだ。


(…撒いたか。練度が足りんな)


 明らかにタヴが異常なだけなのだが、物足りなさげに落胆の表情を浮かべる。この男は一体どんな化け物達を相手にしていたのだろう。


 一直線に全力で走れば既に街についているはずなのだが、追手を撒くために多少コースがそれた。今タヴは森を抜け街に向かって街道を南に歩いている。現在地は街の北側だ、どうやら行き過ぎてしまったらしい。街が視認できる距離でなければそのまま北に進んでいたかもしれない。


 道はしっかりと舗装されており道幅は割と広い、片側で人が三人横に並んで歩ける程度の幅だ。車道もある。まばらではあるが車らしきものの往来もある。


 街には直ぐに入ることができた、というより明確な堺はない。街道の近くにもまばらではあるが民家は存在していた。街の中心に近づくにつれて建物の密度が上がっていく。街の名はテュケー、メレク王国で三番目に大きい都市である。


「何というか。予想していたのとは大分違うな」


 テュケーの街並みはタヴから見てもそれ程違和感の無い普通の街だ。建築物は後期バロック建築に近く芸術性が高いがそれ程過剰な装飾は見られない。タヴはローマで似たような世界遺産を目にしたことがあるなと思いながら辺を見渡す。


 街に入ってすぐの広場。街の入口であるらしく、地図付きの案内板もあれば、音声式の観光案内も設置されていた。街中に車の往来はあるが、道は歩道と車道にしっかりと別れているし、信号らしきものも配置され住民は交通ルールに従い歩みを進めている。ここが地球の街と言われても信じてしまう程に自然だ。タヴはせっかくファンタジーな世界と思ったのにと年甲斐もなく落胆していた。


 実際、ファンタジーというよりも科学技術の代わりに魔術という技術が発展した現代と言う感じなのかもしれない。文明レベルも変わらなく見える。一概にどちらかが発展しているとかは評価できないだろう。


「さて、現在地はどこだ?」


 案内板の前に立ち現在地を確認する。本来なら南側から街に入り指定された店を目指す予定であった。そのための手描きの地図もミコットから預かっている。しかし、今タヴがいるのは街の北側、真逆である。そもそもミコットには一直線に全力疾走する、などとは伝えていない。馬鹿正直に街道に出て歩いている所だと思っているはずだ。薬を手に入れてから洋館に戻るのも二日間の予定で話している。


 洋館を出発してからおよそ4時間、予定より7時間も早い。


「真逆の位置だな。街もかなり広いし、時間も大分節約できた…ここは」


 タヴの腕が案内板の操作パネルへと伸びる。そこには複数のボタン。スピーカーらしきものも埋め込まれている。


「普通…これしかないだろ」


 ポチッと音声案内のボタンを押してめぼしい場所のチェックを始めた。あろうことかこの男観光する気満々である。



◆◇◆



「…もう、街道に出た頃ですかね」


 ミコットは目覚める気配のない主の手を握りながら独り言を呟いていた。洋館を出るための身支度は殆ど終わっている。元々荷物が多い訳でもない。城から逃げてきた時に持っていた物などベルトに下げた短剣ぐらいである。


 結局は持ち運べる食料と衣類を纏めるだけで身支度は済んだ。ミコットは荷物の少なさに改めて自分たちの置かれた状況を再確認し、追い詰められていることを実感する。


 食料は長くても後二、三日間で底をつくだろう。タヴの判断がなくとも行動を起こさなければならない所まで来ていたのだ。ユードも一向に帰ってくる気配はない。いざという時の合流場所も決めているが安否を確認する術はない。セフィリアの状態も芳しくはない。一人で行かせたタヴもマルクトの人間だ。この世界、イエソドでそうそう上手く行動できるとも思えない。


「大丈夫…ですよね」


 寂しそうな表情を浮かべ、瞳はどこか潤んでいる。握る手には思わず力が入り、セフィリアの脈が伝わってくる。その脈は非常に弱々しい。ミコットは更に不安を募らせていく。


「私が…こんなことじゃ駄目ですね。タヴさんや、ユードさん、セフィリア様だってこんなに頑張ってるんです。しっかりしなきゃ!」


 パンと両の頬を叩いて気合を入れ直すミコット。断腸の思いで送り出した男が全力で観光中だとは夢にも思わない。



◆◇◆



 街の入口で観光コースに目を通したタヴは早速観光モードに移行。既に幾つかのスポットを周り、手に下げた紙袋の数は5つを超えている。中身は気に入ったお菓子や漬物など、主に食品系のものだ。目を惹かれる工芸品も多々あったが、拠点のない今の状況では保管が難しいので泣く泣く諦めることになった。人の金なのでやりたい放題である。


「う〜ん。次は何処に行こうかな」


 軽く背伸びをして体をほぐし、次の行き先を考える。何処で手に入れたのか手には観光マップも握られていた。到着しておよそ二時間程度、短縮した時間の残りは5時間。タヴはその時間の全てを観光に費やそうとミコットの気も知らずに決定していた。


「ここらへんで腹に何か入れておくか」


 起きた時にミコットから軽食を貰っているとはいえ、それから6〜7時間は経過している。4時間ほど全力疾走していることもあり腹が減ってくる頃合だ。タヴとしては食事も変則的なことが多いので食べなくても問題ないのだが、これから待ち受ける冒険(観光)のためにも万全を期す心づもりだ。


 タヴは辺りを少し探索して適当な飲食店を探す。候補はいくつかあったが入ったのはお洒落なカフェテリア。いい年した男が一人で入るには気後れしてしまいそうな店構えだ。無論、タヴにそんな特殊な趣味があるという訳ではない、と思われる。そこを選んだのは単に空いていたからという理由でしかない。


 気にせず扉をくぐる。入って見ると店構えとはかなり印象が異なった。というか詐欺だった。

 入ってまず目にしたのは小汚いカウンター席とセルフの水汲み場、そして気の良さそうなオバちゃん。云ってしまえば下町の定食屋かラーメン屋の風貌。お洒落な店構えはどこに行った?


 タヴは直ぐ様理解する。何故この店がやたらと空いていたのか、というか客が全くいないのかを。これは巧妙に仕組まれた罠!空腹という抗えぬ衝動に目をつけ、上辺だけ繕われた狩場に誘い込む卑劣な行為!


「まあいいか」


 まあ非常につまらないことに、この男には何の関係もない。一般人ならいざしらず、多く戦場を渡り歩いてきた百戦錬磨っぽい工作員に見た目の違いや衛生面の悪さなど無いに等しい。


「驚いたね。普通に入ってくるなんて」


 キョトンとした顔を浮かべる定員のオバちゃん。珍しいものでも見るかの様にタヴを観察する。


「客への第一声は、元気よくいらっしゃいませじゃないのか」


 そんなオバちゃんに軽口を叩きながらタヴは勝手にカウンター席の中央に腰を下ろす。


「はは、確かに。いらしゃい。あんちゃん面白いね」

「ああ、あんたが思ってる以上に面白い人間だと思うぞ。色々な意味で」


 異世界からの来訪者と言えばそれだけで十分に面白い存在だろうが、流石にそれを言うのは冗談が過ぎるので自重する。


「そいつは楽しみだ。で何見せてくれるんだい?」

「見せるのはそっちだろ。こっちは客なんだ。主に腕を見せてくれ」


 そりゃそうだ、と店員のオバちゃん。袖をまくって二の腕に力をいれ力瘤を…


「ごめん。思いの外つまらない」

「人の渾身のボケを蔑ろにするとはいい度胸じゃないか」

「訂正、思った通りつまらない」

「私も訂正、思った通りウケなかったわ」

「ふっ、まったくだ。腕を見せるってんならこれぐらいやってもらわないとな」


よっ、と掛け声を入れタヴは袖をまくる。二の腕に力を入れ力瘤を……左腕だった。


 タヴの左腕は本人のものではない。時間もたち自然に使えていたので本人も忘れていた。袖をまくっても出てくるのは女の細腕でしかない。とはいえかなり鍛えられた部類の腕ではあるので見せて恥ずかしものでもない。それがタヴのようないい年をした男性でなければの話だが。


「ぷっ、ハハハッ。何だいそのほっそい腕は。女みたいじゃないか」


 案の定笑われてしまう。ええ、事実女のものですよと、心の中でタヴは呟く。


「まあ付き合ってくれた礼に好きなもんでも一つ奢ってやるよ」

「いいのか?じゃあ、この店で一番高い酒で」

「いい性格してるじゃないか」


 思いの外上機嫌なオバちゃん、文句を言いながらも拒否はしない。本当に酒を奢ってくれるらしい。日の高いうちから酒盛りは如何なものかとも思うが、この男であればどうせ水と変わらないのだろう。


「しかし、常連か別口の客以外は久しぶりだよ。初見の奴はあんたみたいな観光客が間違って入ってくるぐらいだからね」


 酒の用意をしながら会話を続けるオバちゃん。どうやら全く客が来ないという訳でもないらしい。


「カモられた訳か」

「金に見合った物は出すさ、隠れた名店みたいなもんさね」

「自分で名店言うなよ、オバちゃ…」


 スコンッ


 言い終わる前にタヴの顔スレスレに何かが飛来した。ハラハラと何本か髪の毛も舞っている。ゆっくりとタヴが後ろを見ると、そこには明らかに調理用ではないナイフらしきものが突き刺さっていた。


「おやおや、何だって?おねーさんよく聞こえなかったんだけど、もう一度行ってくれるかな?」


 酒の用意を止め、非常に威圧的な和かな表情でタヴを見据える。明らかに典型的なアレである。年が気になるお年頃だ。普通ならこの流れは決まりきったものになっていただろう。実際、このオバちゃんは何度も似た遣り取りを行なった経験がある。言わば様式美。曲がることのない不文律。しかし、今回の相手はその程ではなかった。


「ふっ、甘いな。普通ならその威圧的な態度に当てられて訂正するのだろうが、俺の意思はそんなに弱くはない!」


 タヴは彼としては意外でもなんでもないが、一般的には意外な反抗的な態度を示す。


「…その反応は初めてだね」


 当然オバちゃんにとっても予想外の展開だ。こんなくだらないことで譲らない男はそうは居まい。こうして、年齢が気になり始めた男女の熾烈な戦いの火蓋が切って下ろされたのであった。



◆◇◆



 喧騒とする街の中、一人の女性が闊歩する。フード付きのコートと野暮ったい縁太の眼鏡で顔を隠しているが、どことなく気品が感じられる女性。モデルのような整った体型は服の上からでもしかっりと確認することができ、背も高い。ヒールのついたサンダルを履いていることもあり、あまり並んで歩きたくない背格好である。隠した顔とは裏腹に服装はお洒落なものだ。胸元の大きく空いたキャミソールに七部丈のパンツ。コートを脱いでしまえばかなりの露出度になるだろう。


 そんな女性が声もかけられずに一人で歩いているのは、顔を隠していることもあるだろうが、どこか近寄りがたい雰囲気を可以出しているからだ。悪い意味ではない。いい意味で触れてはならないような清純なイメージ、それが女性から人を遠ざけていた。


 女性にとってそれは好都合でもあった。何せ顔を隠して出歩かなくてはいけないような立場の人間だ。人が寄って来ないのはありがたい。それでも、人と関わらないということは不可能である。また、長い時間一人でいれば人恋しくもなる。出来ればなるべく人の少ない所、それでいて過度に干渉してこないような所がほしい。


 そんな都合のいい場所を求め数刻。観光も兼ねていたので時間は無駄になってはいない。しかし、さすがに一人で彷徨うのは限界だ。それでなくとも小休止は必要。だというのにこの時間帯、飲食店など何処も混みあっている。一息つける場所などあるのだろうか。


 いや、そんな都合のいい場所はあるまい。そう諦めたその時、その場所は現れた。人の気配が全くないお洒落な店構えのカフェテリア。何故この時間帯に人がいないのだろう?定休日?それとも予約制?そんなことを考えつつも、女性は扉のノブに手を伸ばす。あるいは彼女が万全の体調であれば、開く前に違和感を感じ取れていたかもしれない。しかし、今の彼女は疲れと空腹に占められており、冷静な判断などできなかった。


 開かれる扉、それは異なる世界への扉。


 異世界とは何も突拍子もない現象でのみ遭遇するものではない。身近に現れるほんの些細な異質な空間であっても、それは時として十二分に異世界として機能する。


 目の前に広がるのは今まで見たことのない光景…


 汚らしいカウンターに不均一に並んだ椅子、壁は所々ヒビ割れ、すす汚れている。空気も悪い、何の臭いだかも判別できない嫌な粒子の渦が立ち込めているのが感覚で理解できる。とても人が飲食をする場所ではない。生活をできるような場所ではない。少なくとも女性にはそう見えた。


 今いるのは世界の境界線、女性は本能の赴くまま踵返してその場を離れようとした。だが、体がまったく動かない。気持ちだけが先に行く。そこには鬼がいた、人の形をした鬼。どう見ても悪鬼羅刹の類。扉を開けた瞬間、その姿を認識すると同時に体を奪われたような錯覚に陥ていた。そして、そのことにすら体を動かそうとするまで気づかなかった。


 鬼はゆっくりと女性の方へと顔を向ける。よく見ればその手の先には一人の男が倒れていた。鬼の手には銀色に輝くお盆、薄く赤色に染まっている。


 何時の間にか鬼はすぐ横にいた。手には依然として赤い盆。次は自分か、そう思った瞬間、鬼の手が肩に伸びる。


「…イラッシャイ…」


 耳元で優しく囁かれた高い声。それと共にガタンと扉が閉まる。女性は何時の間にか境界を超えていた。そこは女性の知らない世界。こうして彼女は異世界へと足を踏み入れた。異世界とはなにも空間の違いだけから決定するものではない。取り巻く環境ひとつであってもそれは異世界となりうるのだ。



◆◇◆



 洋館の一室。召喚の儀式が行われた部屋。そこに設置した五つの赤い宝石が淡く輝き暗い部屋を照らし出している。ちょうど五芒星の頂点になる位置に置かれた宝石は他の宝石同士とパスをつなぎ魔方陣を形作っている。タヴが洋館を後にして5時間。順当に進んでいれば道のりの半分を過ぎた辺りかもしれない。そんなことを考えながらミコットはその魔方陣の中心で目を瞑り佇んでいた。


 五芒星のライン上、パスの重なった部分。頂点同士を結んだ対角線の交点にはナイフが突き立てられている。その数は五本。タヴが邪魔になると置いていったナイフだ。コートがボロボロであったため回収した装備を全て持ち歩くことはできなかったのだ。


 ミコットが目を見開くと同時に五つの宝石が弾け飛び炎の柱が現れる。ナイフの刺さった位置だ。炎柱に包まれる五本のナイフ。そのまま溶けて無くなってしまいそうなほど炎は荒々しい。


 ミコットが右手を頭の上に掲げ、パチンと指を鳴らすと炎は何事もなかったかのように消え去った。突き立てられていたナイフは溶けてはいない。だが、変化はあった。ミコットはその内の一本を手に取るとまじまじと刀身を見つめる。


「成功です!」


 とても無邪気な顔をして喜ぶミコット。刀身はまるで日の光を纏ったかの様に赤く染まっている。ミコットが行なっていたのは物質への属性付与だ。単純な魔力付与より高度で扱える術者も少ない。魔術を聞きかじったことのある者ならこの行為だけでミコットがただの術者出ないことに気がつくだろう。一時的でなく半永続的な属性付与を行える術者は非常に希少だ。


「きっと吃驚しますね」


 渡した時のタヴの顔を想像してにやけるミコット。別に頼まれてやっている訳ではない。ミコットなりに考え、今できることをやろうとした結果だ。タヴとの近接戦闘の話を思い出し、少しでも役に立てればと健気にも慣れない金属への属性付与を試みたのだ。


「これなら、十分に魔術師と戦えます」


 出来は思いの外いい。満足できる仕上がりのようだ。


「無事に戻ってきてくださいね」


 届かぬと判っていても呟いてしまう心配の言葉。

 セフィリアのために一人で動いてくれているタヴを思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

 タヴの持ち物を見つめていると、切ない気持ちが溢れてくる。

 どうして、見ず知らずの私たちにこんなにも良くしてくれるのだろうと、

 どうして、見ず知らずの土地でそんなに強く自分を保っていられるのだろうと、

考えてしまう。


 この少女はある意味で純粋すぎた。いらぬ思いを巡らせて、いらぬ苦労を背負い込む。


 そして、そんな少女にまた一つ大きな試練がやって来る。


 ピ―――――――


 甲高く鳴り響く音。それは異常を知らせる警報音。


「敵襲!」


 咄嗟に声に出すミコット。しかし、その言葉に答えてくれるものはいない。こうして、主人を守るための一人っきりの戦いが幕を開けた。

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