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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

転生しても同じ人生を歩む。

作者: アジフライ
掲載日:2026/06/07



ナイフに刺されて死んだ───


「元気な赤ちゃんが産まれました〜!」


俺、鹿島 華は産まれた。いや、産まれ直した。鹿島 華として。親も同じ、環境も同じ、時間も同じだ。


(誕生日は2029年6月3日、兵庫県K市……)


最初は言葉も喋られなければ歩くこともできず、泣きわめくことしかできなかったが、次第に前世と同じように自分の体は成長していった。


人生のイベントは幾つもあり後悔もしてきた 今回なら、思うがままに人生を謳歌できるかもしれない だが、一旦はこの子供時代という最高の期間で、ゆっくり休もうじゃないか


前世は素晴らしい社畜っぷりを見せていた華。

そして小学生になった。勉強はもちろん余裕で、懐かしい友人らともまた友達になれた。社会人になってもたまに会うくらい仲の良い親友、久野祐介とも友達になれた。みんなは小学生なのでお子ちゃまな部分が面白く、また寂しかった。


(みんなと同じ気持ちになりたい みんなと心から笑いたい)


小学生というものは雑な下ネタであったり幼児アニメで話し合うものだ。それが少しキツかった。


中学生になった。

好きな子ができた。前世でも好きになった子だ。とにかく可愛い。今思うことは、すっぴんでこの可愛さという驚愕と、性格は自分には合わないのではないか、という疑問だ。だが将来この子と結婚できたら、また良い生活ができるんじゃないかと思い、猛アピールした。惨敗だ。相手は中学生で、こちらのアピールには気づかないか分からないか、あまり意味が無かった。

修学旅行の時に告白したが、彼氏がいる、とのことでフラれた。その彼氏は生徒会長だ。2年後、その子は生徒会長に孕ませられた挙句捨てられる。


(俺と付き合った方が幸せになるのに)


高校生になった。

高校も前世と同じまあまあ頭の良い高校だ。もっと上の高校に行くこともできただろうが、一旦はこの馴染みのある高校で良かった。

そして前世と同様彼女ができた。前世ではここから約半年後にフラれたので、今回は嫌われないよう精一杯努力した。


フラれた。


前世と全く同じタイミングだった。DMでなんとなく察していたが、やはり飽きられていた。前世では聞きそびれた理由を聞いてみた。


「そういうところ。」


大学生になった。勉強をサボりすぎて前世と同じく第一志望に落ち、少しランクの落ちた私立大学だ。そして前世と同じくテニスサークルに入った。そしてやはり、前世で最後まで付き合っていた彼女がいた。数十年ぶりに彼女を見たが、やはり可愛い。そして面白い人だ。早く自分の物にしたかったが、こんな勝ちが確定している恋道なんてないので、ゆっくり距離を縮めていった。そして、前世と同じ居酒屋で告白され、付き合い始めた。


それからの生活は人生で1番懐かしく楽しかった。彼女は美しく面白く可愛かった。初めてSEXした日、初めて生き返った心地がした。やっとあの、死ぬ前の自分に戻ってきた。自分は、俺になったのだ。


そして運命の日が来る。


『明日、この前言ってた釣り、行かない?』


メッセージが来た。今日は3月31日。明日、2049年4月1日は俺がナイフで刺され、死んだあの日だ。釣り堀に車を出して行った俺達。後ろにいた不気味な人間に、「そこは俺の場所だ!」と急にナイフを刺されたのである。ここで俺が取れる選択肢は2つ。明日釣りに行かないか、もう1つは……


『いいね!俺が運転しようか、家まで迎えに行くよ』


当日。釣り堀に来た俺たち。そしてあの場所に、あの人間はいた。あえて前世と同じ場所に行き、釣竿を置く。隣に彼女を座らせ、そしてよく観察する。


(くっそ……俺を不幸にしやがった悪魔め……成敗してやるぞ……)


俺はいつ攻撃されても反撃できるようサバイバルナイフをポケットにしまい、時間が来るまで釣りをした。


(最近彼女との距離が遠い……ここで1回カッコイイ姿を見せてやるんだ!)


しかし、事件はその前に起こった。


「本当にやめてって言ってるでしょ!」


俺が冗談で虫エサを彼女の顔に近づけてると、なんと彼女が本気でキレた。冗談も通じないのかこいつは。


「何マジになってんだよ、冗談だろ?虫食う国もあるくらいだしそんなキレんなって、おい」


せっかく釣りに連れてきたのに台無しにされた。誰のおかげで釣りにこれてると思ってんだこいつは。


「もういい!」


と彼女は立ち上がってどこかへ逃げていった。ガキかよ。俺はため息をついて釣り竿を握ろうとした。その時だ。


「おいお前」


後ろから男の声が。焦って後ろを見ると、包丁を持った男が背中に立っていた。俺を刺したあいつに違いない。後ろをいつの間にか取られていたが、幸い刺されてはいない。すぐに席を立ちポケットのサバイバルナイフを準備する。


「さっきからイチャイチャうるせぇんだよ!」


案の定包丁をこちらに刺してくる。しかし、その動きも前世と同じだ。右手に持って脇腹へ一直線。既に対処法はいくつも考えてきた。ショルダーバックを相手にぶつけ、相手の左側から近づき、サバイバルナイフを首に一刺し。人体を突き抜けるナイフの感覚が、何にも言い表せない感触だった。


「うごおおおあああああああ!」


相手が喉を抑えながら膝から崩れ落ちる。素早く相手の包丁を回収し海に捨て、蹴りを顔面に何発も入れる。


「てめぇ!俺を殺しやがって!クソ!クソ!クソ!!!」


彼女がちょうど見てない時に襲ってきやがって。ブサイクジジイが俺の人生壊そうとしやがって。そんな貧弱な体で俺に立ち向かおうとしやがって。全ての恨みを蹴りにした。


「おいおいおい何やってんの兄さん!」

「誰か警察よ!殺人だわ!」

「逃げろみんな!走れ!」


周りの釣り人が一斉に逃げ出す。殺人と言われているが、正当防衛のために法律やカメラ位置など必要なものを調べてきたので、重罪にはならないことも予習済みだ。


「華くん何してるの?何それ?!」


ふと目をやると彼女が帰ってきていた。クソ、もう少し早く帰ってこいよ……。俺は事情を説明する。


「このジジイがこの包丁持って俺を襲ってきたんだよ。きっと君みたいな可愛い子と話してて羨ましかったんだろうな。大丈夫、俺が守ってやったさ。ちゃんとみんなを守るために日々筋トレもし


グサッ


……な……え……?」


何故か腹から血と銀色の物体が出ている。包丁か?これは刃物なのか?アニメのように口から血がドバドバ出てくる。後ろを見るとさっきのジジイが包丁で俺の腹を貫いていた。


「てめええええええ!!!許さねぇぞ!!!!ぼ、ば!!!!おお!?!?!?あああああああ!!!!」


久しぶりのこの感覚。全身の力が入らなくなり、足が軽くなり、体が液体のようになる感覚。死だ。


グサッグサッ


「キャァァァァァァアアアア!!!!!」


彼女が走って逃げている。それを見た俺の瞳はだんだん塞がれていった。




グサッ




グサッグサッグサッ








グサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッ

人間は後悔をする生き物、と言われます。


皆さんは後悔、していますか?


後悔とは、自分のしてしまったことを、あとになって失敗であったとくやむこと、違う決定をしていたら今の状態がもっとよくなっていたかもしれないと想像したときに感じるネガティブな感情、とされています。


皆さんはもし過去に戻れたら、というもしもの話を、友人や家族と一度はしたことがあるのではないでしょうか。

人によっては楽しかった時に戻りたい、と言う人もいますが、失敗した受験時代、後悔した学生時代、社会人新人の時、と、『後悔』している時に戻りたいと言う人も多いでしょう。


では、実際に戻ったらどうしますか?

違う選択をする、もっと努力をする、色々考えているでしょう。


私はこう思います。

どうせ戻っても、また同じことをする。同じ自分だから。

その時の自分はそうしたいから、その道、その過程を選んだわけですが、それが自分の中で最善と思っていたから、そうなった、と思っています。


この物語は、もし私が自分に転生する、最初からやり直せるとなった時どうなるかを私なりに考えた物語です。

主人公、鹿島 華はやり直せたのですが、結局は自分の性格により前世と同じ道を歩んでしまうことになり、同じ結末を辿ることになります。

そして、鹿島 華はもう二度と自分に転生なんかしません。

人生は1度きり、それを2回にさせてもらっているわけで、3回目なんてあるはずがないです。


そして、私たちは転生なんか出来ません。

1度きりの人生になります。

この物語を読んでくださった方には、自分が本当にしたいことを、この1度きりの人生で是非やってほしい、そんな願いも込めました。


それではさようなら。たった1度きりの人生の少しの時間を私に費やしてくださって、ありがとうございました。


アジフライでした。

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