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桜の上にのぼる月  作者: しいず
さくらの料理

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20/25

第20話 月へのお弁当 その1

この作品はpixivとカクヨムに登校した物です。


さくらは月と約束したお弁当作りをしますが、前日におかずを仕込みます。

約束したとおり、わたしは月ちゃんのお弁当を作る準備をする。

夕飯を食べ終わり、家族も寝始めた22時ぐらいから、わたしは調理を始める。

月ちゃんは甘い物が好きで、辛い物と苦い物が苦手なのはわかってる。


 ただ、お弁当に入れる辛い物や苦い物って何だろうって思った。

思いついたのは、麻婆豆腐やキムチ、カレーかな。

でも、お店で売るならともかく、学校に持って行くお弁当には入れないかな。

キムチは匂いがするし、カレーはルーがこぼれるかも。

麻婆豆腐は火を通しても傷むと思う。


苦い物は何だろうって考えたけど、山菜ぐらいしか思いつかなかった。

魚の内臓もあるけど、これはわたしも苦手。


 なので、月ちゃんが好きな甘い物を考えるぐらいでいいかな。

ただ、お弁当に入れる甘い物って何だろう。

すぐに思いついたのは、煮物かな。

味以外に苦手な物があると、月ちゃんは言ってなかったし、アレルギーもない。


 だから、ジャガイモやニンジンの煮物なんかでいいかな。

でも、煮物はなんかお年寄りっぽい感じがするけど、月ちゃんはそんなこと気にしないか。

煮物はお母さんがよくお弁当に入れてくれてるけど、わたしも好き。


 ただ、うちの味付けは、出汁が利いた塩味やしょうゆ味で甘くはない。

だから、月ちゃん用は別に作ることにする。

少量を作るのは難しいけど、月ちゃんのために作ることにする。


 わたしはジャガイモとニンジンをちょうどいい大きさに切る。

そして、水と出汁を入れた鍋に入れて、火にかける。

沸騰して、火を弱めて、ジャガイモとニンジンに火が通ったのを確かめると、味付けをする。


 まずは砂糖を入れて、月ちゃんに合わせて甘めにするが、調理する量自体が少ないので味を見ながら入れていく。


「うーん、甘いけど、よくわからない」


普段の味付けよりも十分に甘いけど、これでいいのかわからない。

ただ、これにみりんとお酒を入れるので、こんなものにしておく。


 普段は6人分を材料も調味料も、目分量で入れているから具体的なグラム数はわからない。

だから、1人前となると、逆に作るのが難しい。

あと、月ちゃんの好みに合うかもわからない。


 コロッケの時はきっと、月ちゃんが気を利かせてくれたかな。

でも、10個も食べたから、本当に美味しかったとは思うけど。

今回のお弁当は、月ちゃんの好きな味を知るため、月ちゃんに合うように作ることにした。

しかし、いざ作ると、月ちゃんの好みがわからない。

甘いのが良いと言っても、お菓子が好きって意味で、料理はそこまで甘くないのかもしれない。


 わたしは料理も甘い方が良いという前提で作ったけど、もし違ったらどうしよう。

その時は仕方がないとして、甘いのは煮物だけにして、

あとはウインナーや卵焼きといった定番の物にしよう。

卵焼きとウインナーは朝焼くことにして、夜は煮物だけを作ることにする。


 砂糖を入れたら、お酒、みりん、醤油で味付けをして煮込む。

量が少ないので、常に見ておかないとならないけど、その分早くできる。

煮汁の残りが少なくなったところで、火を消し、粗熱を取るとタッパーに移す。

そして、タッパーを冷蔵庫に入れるが、こうすることで味が染みて美味しくなる。


「さくら、出来たの?」


寝る準備をした、お母さんがわたしの様子を見に来た。


「うん、できたよ」


「そう。ちゃんと片付けておいてね」


「わかってるよ」


台所はちゃんとわたしが片付ける。


「さくらが友達にお弁当を作るなんて、好きな子なの?」


お母さんはニヤニヤしながら聞いてくる。


「好きな子というか、友達だよ」


わたしが友達だと言うと


「さくらがなこるちゃんにお弁当を作るとは思わないから、月ちゃんだよね」


とお母さんはこう言うけど、月ちゃんのことはお母さんにも話してある。


「そうだよ」


「さくらがお弁当を作ってあげるなんて、そんなにかわいい子なんだ」


「かわいいっていうか、美人かな」


わたしはこう答える。


「そうなんだ。そんなに美人なら、1度会ってみたいから、連れてきてね」


お母さんはそう言ってニヤニヤしている。


「そのうちね」


わたしはこう言うけど、まだ家族に月ちゃんを会わせる気はない。

恥ずかしいのもあるし、月ちゃんも緊張すると思う。

うちの家族は気さくな性格だけど、月ちゃんが会いたいと言うまでは待つことにする。


「お母さんは女の子同士でも、別にいいわよ」


お母さんはこう言うけど、わたしが月ちゃんと付き合ってると勘違いしてる。


「別に月ちゃんとは付き合ってないよ」


「わかってるわよ」


「だったら、何でそんなこと言ったの」


わたしは少しむっとする。


「もう、冗談よ。ただ、女の子を好きになっても、さくらが選んだことだから、構わないわよ」


とお母さんは言う。


「月ちゃんとはそんな関係じゃないって。この前、コロッケを作ってあげたから、お弁当も作ってあげただけだよ」


「そういうことにしてあげるわよ♪それじゃ、お母さんは寝るからね」


お母さんは嬉しそうにこう言うと、台所を出ていった。


「もう、からかうんだから……」


わたしはこう言って、息を吐くけど、これだからまだ家族に会わせたくない。

ただ、お母さんの『女の子を好きになっても構わない』という言葉は、わたしに安心感を与えた。


お読みいただきありがとうございます。


高校生のお弁当に煮物はどうなのかなって思いましたが

さくらがそれだけ母から料理を教わっているということです。

煮物以外は朝に作ることにします。


さくらの母は、月との関係は恋愛的な意味もあると感じています。

ただ、さくらは親の手前もあて、否定はしています。

さくらの母は、さくらが選ぶなら、女の子同士でも大丈夫と言っており

これがさくらにとっては、安心材料となります。


ツイッター

@shiizu17

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