第19話 月はたい焼きも食べたい
この作品はpixivとカクヨムに投稿した物です。
コロッケを食べ終わり、ゆっくいりしますが、月はスーパーで買ってきた
たい焼きも食べたそうにしています。
コロッケを食べ終えたお皿を台所に持って行くと、片付けを始める。
揚げ油をオイルポットに入れ、食器とフライパンを洗い終える。
月ちゃんも手伝うと言って、わたしの横に立ち、洗い終わったお皿や箸を食器乾燥機に入れてくれた。
「これでよしっと」
洗い物を終え、食器乾燥機のスイッチを入れると片付けが終わったので、テーブルに座ってゆっくりする。
月ちゃんが手伝ってくれたから、早く終わったのでお礼を言う。
「月ちゃんが手伝ってくれたから、早く終わったよ」
「わたしは……大した事をしていません……」
「月ちゃんが、洗った物を食器乾燥機に入れてくれたから早く終わったよ」
うちの台所は狭く、洗った食器を置く場所がないから、洗った物をすぐに食器乾燥機に入れるだけでも違うんだよね。
「あ、ありがとう……ございます……」
月ちゃんはわたしにお礼を言って、恥ずかしがって目線をそらした。
「それにしても、お腹いっぱいになったね」
出来たコロッケはおいしくできて、作った分のコロッケは全部食べた。
1つのサイズはお店に売っている物より、ちょっと大きめだったから、5個はちょっと多かったかも。
あと、買い物の時にたい焼きも食べたせいもあって、余計にお腹いっぱい。
お腹いっぱいになっている私であったが、月ちゃんは、
「あ、あの……残りのたい焼きを食べたいです……」
と目を逸らして恥ずかしくて言う。
「まだ食べられるんだ」
それを聞いて、わたしはニヤニヤしながら言うけど
「1つだけです……」
と今度は下を向いているけど、頬が一気に赤く染まっていく。
「甘い物は別腹と言うし、あそこのたい焼きは美味しいからね。それじゃ、お茶を淹れてあげる」
わたしは立ち上がって台所に行くと、急須に緑茶を入れて、ポットのお湯を入れると、湯呑と一緒にテーブルへと運ぶ。
そして月ちゃんはテーブルの上にあるたい焼きをじーっと見ている。
「もう少し待ってね」
わたしはニヤニヤしながら言うと、月ちゃんもそれに気づいて
「はい……」
と赤く頬を染めて返事をする。
「たい焼きは冷めてるから、温めようか」
「お願いします……」
お茶は5分程蒸らすので、その間にオーブントースターでたい焼きを温める。
温度は180度にして、温まるけど焦げないようにした。
5分経ったので、湯呑みにお茶を淹れる。
たい焼きはまだだけど、口直しに一口お茶を飲む。
家のお茶は貰い物で、高い物ではないけど、入れ方を工夫すればそれでも美味しい。
普段はあまりお茶は飲まないけど、家族はお茶をよく飲む。
だから、わたしもよくお茶を淹れている。
自分で言うのもなんだけど、これで上手く淹れられるようになったから、淹れ方には自信がある。
たい焼きも温まったので、わたしは小皿に乗せてテーブルに置くと、月ちゃんはたい焼きをじっと見る。
きっと、今すぐ食べたいけど、わたしが見ているのと、はしたないのと思われたくないので我慢してるかな。
流石によだれは垂れてないけど、自然と口が開いている。
「食べたいなら食べていいよ」
と言うと、月ちゃんは
「いただきます……」
とたい焼きを手に取って口にすると笑顔になるが、たい焼きもあっという間に消えていく。
「ゆっくり食べなよ」
わたしは笑いながらこう言うけど、月ちゃんはお茶を飲んで
「美味しいので……ついです……」
と言って目線は逸らすけど、横顔から嬉しさがにじみ出ていた。
「あと1つはどうする?」
月ちゃんの分のたい焼きは、まだ1つ残っているけど
「家に帰って食べます……」
と月ちゃんは言う。
「食べたいなら、食べてもいいんじゃないかな」
わたしがこう言うと
「が、我慢します……」
と言うけど、食べたいのか口が空いている。
「無理しなくても」
わたしがニヤニヤしながらこう言うと
「は、はい……」
と言って、月ちゃんは残っていたたい焼きも手に取ると、そのまま口にした。
残っていたたい焼きは結局、月ちゃんに全部食べられたのだった。
「たい焼きも……美味しかったです……」
月ちゃんは満足して、お茶を口にする。
あのスーパーのたい焼きは美味しいから、わたしも好き。
でも、わたしのコロッケとどっちが美味しいか気になって、月ちゃんに
「わたしのコロッケとたい焼き、どっちが美味しかった?」
と意地悪な質問をした。
「その質問は……困ります……」
思わぬ質問に、月ちゃんは戸惑って困り顔をする。
ただ、その困り顔は初めて見る表情で、ほとんど表情が変わらない月ちゃんがはっきり困っている表情をしている。
それだけ、答えるのが難しい質問だよね。
月ちゃんも考えると、答えが出ない様子。
「ごめん、ごめん、さすがに意地悪な質問だったかな」
わたしはこの質問は意地悪すぎたかな。
「どちらも美味しいですが……全然違うものなので……比べるのが難しいです……」
「そうだよね」
「わたしは……もっとさくらさんの……料理を……もっと食べたいです……」
月ちゃんは何度めがわからないぐらい、また頬を染めるけど、
いつものように恥ずかしがって目線を逸らさない。
月ちゃんの表情はいつもの表情であるけど、真っすぐな瞳でわたしを見る。
わたしはその瞳に恥ずかしくなり、頬を染めて思わず月ちゃんみたいに目を逸らした。
お読みいただきありがとうございます。
月はコロッケを10個食べた後でも、甘いものは別腹です。
我慢しようとしましたが、甘い物の誘惑には勝てませんでした。
さくらも、お茶を淹れて、たい焼きを食べている月ちゃんを微笑ましく見ています。
月はさくらの意地悪な質問に困りますが、それでもさくらの料理を食べたいといって
さくらが月のように目を逸らして照れほど、うれしかったです。
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