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二人目の彼氏ができて初めて分かった、一人目の彼氏との違い

作者: 七村 沙友

 大学二年生の冬に新しい彼氏ができた。私は以前、大学一年生のときに付き合っていた人がいたので、人生で二人目の恋人だった。前の人とは一年生の冬に別れていた。約一年ぶりに恋人ができた私は有頂天になっていた。



 二人目の人と付き合っていてある点で違いがあることを知った。確かに人は一人一人異なる特徴を持っているのだし、違いがあるのは当然だ。声は高い低いで差があるし、身長もバラバラ。趣味も休日の過ごし方も人との関わり方も違う。



 だがその中でも、二人の人と付き合ってみないと分からなかったことというのを話したい。



 一番衝撃的だったのは、お恥ずかしながら隠さず言うと、人によって「唇が違う」ということだ。私は新しい彼と初めてキスをしたとき、彼のはなんだか唇の面積が細い感じがしてびっくりした。そう、過去の感覚を思い出せば元彼の唇はぷっくりと分厚かったのだ。なんだかこんなことを赤裸々に書いていて恥ずかしくなるのだが、柔らかさにも違いがあるようだった。新しい彼の唇はちょっと固め、元彼のは柔らかめだった。


 私は唇というのは皆同じかと思っていたし、違いがあるなんて考えてみたこともなかった。人によってこんなにも差があるのだということを初めて知ったのである。




 もう十分に恥ずかしくなったので、次は性格による違いの話をしようと思う。タイプによる違いというものなのだが、好きな気持ちを表現するときに、言葉で表現するか、行動で表現するか人によって違いがあるということに気がついた。


 前者は「大好き」「いつもありがとう」等の愛情表現を言葉で伝えてくる人である。後者は手をつないだり抱きしめたりキスをしたり、行動で愛情を示す人である。


 もちろん、どちらも最大にやります!という人がいたらそれは最高なのかもしれないが、そういう文武両道みたいな人はなかなかいないのではないだろうか。新しい彼は行動派、元彼は言葉派だった。


 元彼は何かの記念日には手紙を書いてくれたし、LINEでも長文で思いを伝えてくれた。


 今の彼は外を歩くときは車道側を歩いてくれる人で、エレベーターで二人きりになれば頭をポンポンしてくれる。


 ただ、新しい彼はこのような行動でしか思いを示さないというわけではなく、たまに言葉でも伝えてくれるが、行動の方が多いということだった。元彼も言葉ばかりではなく行動もあったが、多くは言葉で伝えようとする人だった。


 これを考えたときに、どちらのほうが多いという数字上の割合を追うのではなく、その人はどうやって思いを伝えようとしてくれているかということに注目した方がいいと気づいた。


 今彼は行動で伝えようとする人、元彼は言葉で伝えようとする人だったということ。どちらが良くてどちらが悪いかは受け取り手によるだろう。




 こんなに元彼の話をしてきたが、未練があるのかと言うとそれは全くといっていいほどない。元彼とは一年を共にした仲、新しい彼とは付き合って一か月ちょっとだ。


 けれど、風のように現れてすぐに意気投合して付き合った今の彼のほうが全然好きだ。意外と長さでもないのである。それは、元彼と付き合って一か月目だったときの気持ちと比べても、今の彼のほうが好きだから確実だ。




 そして二人目の恋人ができたことによる最大の気づきは、今の彼氏と元彼を比較してしまうということである。どれだけ今の彼の方が好きだといっても、元彼のほうがよかったなという部分がおのずと出てくる。


 元彼はデートの計画を立ててくれたり、電話しようって彼のほうから誘ってくれたりした。それに対して、今の彼は出かける場所は全て私にまかせっきりだし、電話しようって自分からは言わないし、どうしたものか。このように、比較対象があると求めるものが多く、レベルが上がってしまって厄介である。



 比べ物にならないほど好き、ということはなかなかないのかもしれない。


2022年2月ごろに考えていたことを1年後のいま、まとめてみました。

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