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精霊戦争記 ~異世界に転生した私が世界を救う話~   作者: aki.
第5章「学校生活と剣術の師」
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炎の柱封印作戦 ※リィド視点




 それから二日後。

 エーデリアさんたちとシャスティアを帰らせて、俺たちはこれからの事について話し合っていた。


「…で、どうするん?」

「何が?」

「炎の柱の事や。あれ、まだあそこにあるんやろ? どうにかせんと」

「どうにかって、どうやって?」

「どうやってって…そりゃ、こう…もう一回挑戦するとか?」

『それは無理だよ』

「「……!」」


 メイドが作っておいてくれたアップルパイを食べながら話し合っていると、俺たちの前に主が現れた。声を聞いて、俺たちは顔を主の方へ向ける。


「主…!」

「無理って、どういう意味や?」

『そのままの意味。今の君たちの力じゃ、炎の柱の攻略はもう絶望的って事だ』


 炎の柱に居た精霊の力を甘く見ていた。自分の責任だ。すまなかった。そう言って、主は頭を下げる。それを見て、ローデンは目を見開いた。


「なっ、…あ、主のせいやない! そんな軽々と頭下げんといて!」

『だが、我は君たちを危険な目に合わせ、生を危うくする程の怪我を負わせてしまった。何度詫びをしてもし足りないくらいだ』

「主。俺たちは確かに危険な目に遭った。でも、今ここに俺たちが居れるのは主があの時、時を止めてくれたおかげだ。あのまま時が止まっていなかったら俺たちはあいつに殺されていたかもしれない。だから、主が気に病む必要はないんだ」

『…。すまない。リィド、ローデン。私が不甲斐ないばかりに』


 口元を緩ませて笑う。


 アップルパイを薦めると、主はローデンの隣に腰を降ろしてそれを受け取りもぐもぐと食べ始める。アップルパイの食べ方は二通りあるが、主は手で行くタイプらしい。


「それで、どうするんや? 挑戦が無理となると他の方法を考えなあかんけど」

「うーん…」

『その事なんだが。…あのまま放置していると、いずれ精霊が中から出てきてしまって危険になる。だからその前に封印しようと思うんだ』

「封印?」

「どうやって?」

『時の魔法を使うのさ。時の魔法の中には"封物(ふうぶつ)"と言って、物体を封印する事が出来る魔法が存在するんだ』

「それを使って柱を封印するんか」

『うん。だが、この魔法はかなりの魔力を必要とする。我の魔力を全部使っても足りないほどのな』

「えっ、それそんなバリ高魔法なん!?」

『だからここで君たちに相談なんだが、…炎の柱を封印するために、君たちの魔力を少しだけ貸してくれないか?』


 もぐもぐとアップルパイを食べ続ける主。見ると、パイの欠片が膝上にたくさんこぼれていた。


 その言葉を聞いた俺とローデンは、顔を見合わせて頷く。聞かれるまでもない。


「そんな聞かんでもええよ、主」

『?』

「俺たちは主のために存在してるんだ。主のためなら俺たちは何だってする。魔力でも命でも、差し出せるものなら何でも差し出す。少しだけとは言わず、全部な。トールだってそう言うはずだ」

「そうそう。…って、命はさすがに言い過ぎちゃう? なんか重たい人みたいやん」

「それくらいの心構えって事だよ」

『君たち、…。ありがとう』

「…せやけど、封印するのはええけどそんな事して妨害とかこうへんの?」

「…! …そうだな」

『心配する必要はないよ。時を止めて作業すれば問題はないはずだ』

「お。なるほど。それなら安心やな」

「大丈夫なのか?」

『ああ。大丈夫』


 炎の柱を封印するのにはかなりの魔力を必要とし、時を止めるのもそれなりの魔力を必要とする。時を止めるだけなら主の魔力だけでも大丈夫だろうが、そこに炎の柱を封印するための魔力が上乗せされたならそれは俺たちが想像するそれよりも莫大な魔力の量になるだろう。


 主は"大丈夫だ"と笑っているけれど、内心は結構緊張しているはすだ。その証拠にアップルパイを持つ手が少しだけ震えている。封印する際には微弱かもしれないが支えてあげた方がいいかもしれない。


「よっし! そうと決まれば早速行動あるのみ! パッと行ってパッと終わらせてこようぜ!」

「その前に。トールに連絡するの忘れるなよ」

「わかってるって。わいの元気な姿を見せて、トールくんをニッコニコにしたるわ!」

『いや。あいつはニッコニコにはならないと思うぞ』


 主の言葉に静かに頷く。

 トールがローデンの元気な姿を見たところで、あいつの性格を考えると絶対にニッコニコにはならないと思う。ホッとするくらいならしてくれるかもしれないが、それ以外の反応は期待できないだろう。


 そして、俺たちはアップルパイを食べ終えて作戦決行のために荷支度を済ませる。時を止めるから大丈夫だとは思うが、最悪のケース、万が一という事もあるので一応対策は考えておこう。そこで、ふとローデンが声を掛けてきた。


「…ん? なあ、リィ?」

「? どうした、ローデン?」

「…いや。あのさ。この会話、前にもした事なかった?」

「は?」

「デジャヴって言うのかな。…なんかこう、懐かしいというか、なんていうか」

「…気のせいだろ。ほら、そんな事よりトールに連絡。連絡したら出発するぞ」

「…うーん、?」




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