表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
356/445

[356]*

大好きなレオ様


レオ様 今日はご報告があります。

メルトルッカへの留学が正式に認められました。やっとレオ様と一緒に留学をすると、胸を張って言うことができます。今日からは安心して卒業後の話ができるようになりました。レオ様と一緒にもう一度学園生活を送れることが、何度思っても夢みたいです。それに今度は同級生です。私達同級生になるのですね。もしかして同じ教室?席が隣だったらどうしましょう!今日はそのことばかり考えてしまって、他のことが手に付きません。


こんな時どうやって心を静めたらよいのでしょう。

無理ですね。だってレオ様と同級生になれるだなんて夢より夢みたいなのですもの。ああ今夜は眠れそうにありません。レオ様との学園生活を思う存分想像しながら朝を待とうと思います。



レオ様、やっぱり眠れなくて再びペンを握っています。今日だけは許して下さいね。嬉しくてたまらないのです。

メルトルッカには制服があるのでしょうか?また制服を着て歩ける日が来るのかもしれませんね。

レオ様の制服姿がまた見られるのかもしれないと思うと、ますます目が冴えてきました。

色々な制服を想像して、ついにやけてしまいます。



**********

今日はまた大きなご報告があります。


ヴィルホ兄様とエディットお義姉様の嫡子が誕生しました。

ボルイェくんと名付けられた元気な男の子です。とても大きな声で泣いていて、お父様は立派な騎士になれるに違いないと喜んでおります。まだ産まれて数時間ですのに気が早すぎますね。


ヴィルホ兄様はというと、予想通り泣きっぱなしでした。怖いと言ってボルイェくんのこともまだ抱けていないのですよ。手を伸ばしては涙をぽろぽろと流しながら引っ込めてしまうのです。

私は一度抱かせていただきました。柔らかくて小さくていい匂いがしました。私ももう叔母です。

そうそう、髪がふさふさしているんです。兄様と同じ黒髪でした。


お父様がレオ様の元へも早馬でお伝えすると言っておりましたので、先にお耳には届いていると思いますが、私からもお伝えしたかったのでお手紙に書きました。



**********

お手紙が届きました。封を切る前、封筒を持ち上げた瞬間の重さがとても嬉しいのです。これだけの時間を私のためにお使い頂いたのかと思うと、読む前から胸がいっぱいになります。


そして素晴らしい細工の髪飾りもありがとうございました。

まるでレースのような繊細な細工に驚きました。王都でも見かけたことのないものです。早速使わせていただいております。自分で言うのも恥ずかしいですが、黒髪にとても映える気がします。



フェルトの案もご検討いただけたとのこと、大変嬉しく思います。いつか実現する時が来たら、マーケットで買うことができますね。また楽しみがひとつ増えました。



**********

ジェネット様からのお手紙が届きました。昨日王都にお戻りになったそうです。

お手紙は昨日書いて下さったもののようで、今日から早速研修が始まると書かれていました。


私にも会いたいと仰っていただけましたので、今度ご招待したいと思っております。

ジェネット様も日曜日はお休みをお取りになりますよね?鳶尾宮でお会いしても構いませんか?ソフィア様もお誘いしようかしら。

八番街もご案内したいですし、新しいお友達にお見せしたいものを考えていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。



**********

レオ様!

ありがとうございます。

今日は幸せに包まれた一日でした。一日中レオ様を近くに感じておりました。素晴らしい一日を贈って下さりありがとうございました。


朝、王宮から大きなお花が届きました。白い花瓶に生けられて届いたお花は、全てライラックの花でした。白い花に紫の花、ピンクの花もあります。八重咲だったり、カールした花びらだったり、とてもたくさんのライラック。

レオ様、ライラックも私が大好きな花のひとつだとご存知だったのですか?

とても良い香りに包まれながら学園へ向かいました。(一房だけ馬車に飾ったんです。レオ様と一緒に乗っている気持ちになれました。)



学園に着くと、いつもそんなに早くお見えにはならないイクセル様が、教室で私のことを待っていました。

「おはようスイーリちゃん!成人おめでとう!はい!これ預かっていたよ」

そう言って手渡されたのは一枚の封筒でした。


「レオからだよ 今日渡すように頼まれていたんだー」

急いで椅子に座って、封を開けました。

とても美しいカード。ありがとうございます。今もそのカードを目の前に飾っています。額に入れてレオ様の肖像画と一緒に並べているのですよ。


レオ様がサインの横に描いて下さったケーキの絵があまりにも可愛らしくて、何度も額から外しては見ています。カードの表の絵も大好きですし、裏のレオ様からのメッセージもやっぱり大好き。

どうやって飾るのが一番よいでしょう?困ったわ。


ああ!大変です。大切なことを書き忘れるところでした。

学園から帰りますと、パッロヴァロアさんがお見えになっていました。

レオ様!言葉ではお伝えできないほど素晴らしいネックレスとイアリングです。レオ様と選んだ紫色のサファイヤが二十六個も使われているのですよ。

ありがとうございます。今日届けるように指示して下さっていたのですね。

成人して初めてのネックレスに、こんなにも素晴らしいものを頂き、それ以上にレオ様のお気持ちが嬉しくて、とても嬉しくて、今日は一日中ずっとレオ様が近くにいて下さるような気持ちで過ごすことができました。


まだ実物をレオ様にお見せできていないと聞きました。

レオ様がお戻りになるまで大切に大切にしまっておきます。一番最初に見ていただきたいですから。


スイーリ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ