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9.死線を乗り越えた後は、結界ライフの満喫することのススメ

 ウルフォン公爵との交渉も無事終わり、アリアさんとシルフェさんの身の安全を半分は確保できた。後は、第一王子と法務大臣と交渉して、残り半分の安全性の確保と身柄の引き渡しだけとなる。


 まとめると、以下のような作戦の流れになっている。


【これまで】

昨晩:アリアさん、シルフェさんを結界内へ保護完了。

昨晩:ノーフェース制圧し、洗脳完了。 

今日:ウルフォン公爵とアリアさん、シルフェさんへ矛を納めるよう交渉


【これからの予定】

明日:第一王子へアリアさん、シルフェさんへ矛を納めるよう交渉←いまココ

明日:法務大臣と法的にアリアさん、シルフェさんの身柄を解放するよう交渉


 さすがに第一王子に会うのに、押し入る訳にはいかないか。

 逮捕されて面倒なことになる危険性もあるし。


 俺はまずアリアさんに会うために、アジトからオーファのみを連れ、一旦、王宮の結界を張った監禁部屋に転移した。


 昨日まで、死にそうな目にあっていたアリアさんはというと,,,,,,,意外に元気で、結界ライフは快適そうだった。


 結界内の床に寝ころびながら、甘味を食べながら本を読みゴロゴロしていた。

 まぁ、昨日まで飲まず食わずで死にそうだったから、そうなるのも致し方ない。


 紐で縛った魔法師たちは、意識を戻し、その後、救出されたのか、すでに部屋にはいなかった。アリアさん以外いないことを確認して、俺は、アリアさんに話しかける。オーファはローブに仮面姿で俺の傍に控えている。


 「アリアさん。元気が戻ってきたようでよかったです」


 「アルフ君。なかなか君の作ってくれた結界は快適だわ。少し前まで、魔法師たちや騎士たちがこの結界を壊そうとしていろいろ試していったけど、結局、無理だとわかったみたい。私も魔法で抵抗したし。最後はあきらめて、部屋の外から、私が逃げないように見張ることにしたようだわ」


 「大事がなくてよかったです。こちらの進捗を説明すると、今日一日で、ベルグ・ウルフォン公爵とは話がつきました。今後アリアさんとシルフェさんが王権争いにかかわらない限りは、二人には手を出さないことを魔法契約で縛ってきました」


 アリアさんは、口をパクパクさせ驚いた顔をした。


 「ど、ど、どんな手を使ったの!!あのウルフォン公爵とたった一日で交渉をまとめ上げてしまうなんて。そ、その一緒にいる仮面の方が秘密兵器なのかしら?」


 仮面姿のオーファについてアリアさんが聞いてきた。


 「彼は俺の部下の一人です。王都の地下組織の一つを部下に加えましてね。その話はすべてが解決したらまたゆっくりと。途中経過の報告もしたかったのですが、本題は、第一王子に会いたいので、アリアさんに俺が面会できるよう第一王子への紹介状を書いてほしいのです」


 「公爵や地下組織をたった1日で解決したのも驚かされたけど、お兄様への紹介状を書け、という話は、もっと驚かされたわ。私の紹介状ぐらいで、とてもお兄様が会ってくれるとは思えないけど」


 「大丈夫ですよ。その辺は俺の方でうまくやりますから。紹介状は、俺の身元の保証書みたいな役割です。俺のことは、アリアさんの参謀、異国の大貴族ゲファルナ卿で、第一王子へ参謀就任の挨拶をしたいから少し時間をとってやってほしい、と書いてください。それとウルフォン公爵の進言状も持参していることも付け足してもらえると助かります」


 「本当にそれだけで大丈夫なの?」


 「我に秘策ありですよ」


 それでもアリアさんは少し不安そうな顔をしていたが、俺が笑顔でうなずいたら、「わかったわ!」といい、床をテーブルにして結界内で俺の紹介状を書いてくれた。


 それを受け取り、俺は、アリアさんから第一王子の王宮内のいそうな場所をすべて聞き取る。執務室、会議室、寝室などなど。


 寝室の場所を頭に浮かべて探知魔法を発動するも、早速探知妨害の障壁にひっかかった。俺は、強引に障壁を破壊し、王子の魔素の特徴を探り取った。魔法師でなくとも、個人個人特有の魔素をもっているものだ。俺は勝手にそれを「魔紋」と読んでいる。


 障壁を破壊して直ぐに、数人の魔法師が俺の探知魔法の妨害に入る気配を感じて、急ぎ探知魔法の発動をやめた。さてと、第一王子の魔素の特徴を調べる目的も無事果たせたし、明日、第一王子が午前中に一息入れるときに、会いに行こう。


 「アリアさん。また明日伺います。どうぞごゆるりと待っていてください」


 俺はアリアさんに辞去の挨拶をし、その後、シルフェさんの顔を見に、牢獄の最奥の手前までへ転移する。


 やはり悪臭がすごいが、5分ほどで鼻がなれてくる。


 「これから会う人は、俺が大事に思っている人だ。将来俺の嫁さんになるかもしれないから丁寧に接してほしい」


 俺はシルフェさんのことをオーファへ説明する。


 「承知!将来の奥方様であると伺いましたので、主様と同様にお仕えさせていただきます」


 そこまでかしこまらなくても、よいけど、これでシルフェさんの護衛も頼みやすくなった。


 少し牢獄の石畳を「コツコツ」と足音を立てて歩いていき最奥の牢獄前まで到着した。


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