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1.武術で恰好つけずに確実な魔法を使うことのススメ

 二週間後、俺は「魔獣狩り」での被害の全容とその後の出来事についてジェシカさん経由で耳にすることができた。


 魔技研のサロンに顔を出すと、ジェシカさん、リアナさんたち幹部が真っ青な顔をして意気消沈した。理由を聞きだすと王宮では、大変なことになっていた。


 アモンの被害についてはほぼ想像通りだった。


 第三王女の指揮していた備隊はやはり9割以上の損害を受け、全滅と言える状況だった。

 

 第三王女の備隊の後ろに陣立てをしていた師団長の備隊も半壊。戦略的には壊滅状態だったそうだ。


 第二王子とウルフォン公爵は速攻でアモンとは反対方向に逃走し被害は皆無。「逃走ビビり野郎1号」と「逃走ビビり野郎2号」と俺の中でのニックネームが決まった。


 俺がアモンを倒した後、第二王女と副師団長が、急ぎ第三王女の救援に駆け付け、無事シルフェさんともども保護されたようだ。


 ただ、第二王女と第三王女は今回の「魔獣狩り」での原因不明の悪魔の出現、悪魔による被害の甚大さから、その責を問われ、王権争いから脱落させられそうになっているそうだ。

 

 第一王子を追い越し、存在感を高めるどころではない。今回の魔獣狩りでの天災級の甚大な被害を第一王子とその取り巻き勢力が政争に利用しない訳がないからな。


 ジェシカさんによると、特に第三王女が攻撃の的になっているとのことだった。指揮していた備隊を全滅させられた上、護衛騎士も殺され、専属魔法師も大けがを負い、自身も命の危険にさらされてしまった。


 現在は、ケガの療養という名目で幽閉されており、専属の侍女たちも解任され、終日、第一王子派の騎士や侍女に監視されている状態とのことだ。


 シルフェさんは、元々第二王女、第三王女のゴリ押しで、反発がある中、第三王女の専属魔法師になっていたが、今回第三王女を命の危機にさらした咎で、右腕、右足の骨折もまだ全快もしていないのに、罪人として投獄されてしまったとのことだ。


 第三王女やシルフェさんの後ろ盾の第二王女は、今回の魔獣狩りの甚大な被害を防げなかったことから、国王陛下から叱責を受け、謹慎させられたそうだ。その結果、発言権を失い、第一王子たちの好き放題という訳だ。






 俺は寮の部屋に戻り次第、これからどうするかをエクスと話し合う。


 『まずいな。シルフェさんは大丈夫かな?』


 『主殿よ。少し心を落ち着けるがよいぞ。少なからず我も主殿の精神状態の影響を受けるでな。主殿の好きにするとよいわ。魔女っ娘を牢から連れさり、一生匿うもよし、この国を亡ぼすもよし、第一王子を暗殺するもよし。主殿の覚悟しだいじゃ』


 『そうは言うけど、まだ考えがまとまらない』


 『したらば、とりあえず、娘っ子の様子をこっそり見に行くのはどうじゃな?』


 さすがエクスだ。長く生きているだけあって、冷静なアドバイスをしてくれる。

 周囲が暗くなったら、王宮へ侵入しよう。






 もうすぐ真夜中となる。


 まずは、王宮の地下にあるという牢獄へ侵入したいが,,,,,,,場所がわからない。

 魔素の探知も無理すればできない事もないと思うが、探知妨害用の罠が仕掛けられていたり、シルフェさんの魔法が封じられていて探知してもわからないとも限らない。


 仕方ないので、まずは第三王女の様子を見に行くことにし、その後、王女からシルフェさんの場所を聞き出すことにする。急ぎ、エクスの亞空間からいつものお気に入り黒ローブと変装用のマスクを取り出し、ノーフェースルックとなる。


 まずは、以前、シルフェさんへ連れられていった第三王女のお気に入りのサロンへ転移した。そこから第三王女の魔素をたどる。


 『主殿よ。気が付いていると思うが、人間が小細工をいくつも用意いるようじゃな。主殿が魔素を探知魔法で調べていることが、ここにいる魔法師たちにバレるのは時間の問題じゃぞ』


 さすが王宮だ。警備のレベルの高さが半端ない。


 俺は第三王女の魔素を探るため、隠匿魔法を重ね掛けして探知魔法を展開しているが、妨害されそうになったり、逆探知されそうになったり、とトラップの多さにびっくりした。


 『大丈夫だ。そんなに時間はかからない。すぐに見つかりそうだよ。,,,,,,,,いた。第三王女を見つけた。でも、周りに「おまけ」が、3人ほどいる。しかも全員魔法師みたいだな。部屋の前にも監視している騎士が2人いるみたいだ』


 『王女っ娘は、幽閉というよりも監禁されているようじゃな』


 俺は、第三王女が監禁されているという部屋の前へ転移し、部屋の前にいた見張り騎士2名を、当て身を使って、一瞬で気絶させようとする。


 以前、パルスキーでシンバが御用商人にやったように恰好よく決めようとするが、騎士の2人目が、俺の当て身では、完全に気絶せず、声を出そうとするので、顔面を思いっきり殴りつけて沈黙させた。やっぱり練習しないダメだな、と思った。


 『恰好つけずに、魔法で眠らせればよいではないか。主殿よ』


 うん。,,,,,,,そうだね。次からは魔法にするよ。

 俺は当て身がうまくいかず、ガックリと凹む。


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