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リゲイン・エメット  作者: 天野月影
第一章 異世界での一週間
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プロローグnull


人は、一人では生きていけない。それが、俺がこの世界に来て学んだことだ。

壁にへばりながら狭く、入り組んだ路地裏を抜け、俺は市街地に出る。


「ママー。あの人の服なんか可笑しいねー」


ふと、横を見ると、四歳か五歳の子供が俺の方を指差して言う。母親であろう人物は血相を変え、子供を引き離す。酷い対応だ、いや、それは当たり前だろう。


噴水に映る自分の顔を見て、心で苦笑した。目は澱んで、お気に入りだったパーカー

は煤まみれで、おまけに臭い。自分でも分かるぐらいの匂いだ、それは相当なものだろう。


「────」


もう、何日も水を飲んでいない。こんな事になるんだったら、バイト帰りに水でも買ってくるんだった。もう、使い物にならない硬貨を握りしめ、またふらふらと歩く。


「──み、水」


辛うじて出た声は、まるで砂漠で何日間も水を飲んでいない遭難者のような声だ。しかし、その声は後ろに聞こえる荷車を引く音にかき消される。


このままでは死んでしまう。誰から見ても、自分からもそう思った。


ふらふらふら。ふらふらふら。景色が回る。


「あ────」


目の前に、一人の少女がいる。フードを深く被っており、顔は見えないが、そんなことはどうでもいい。


「……何のようですか?」


俺を見たその少女は、明らかに蔑んだ目でじっと見つめる。綺麗な黄金の瞳だ、俺は一瞬その瞳に見惚れてしまったが、慌てて言う。


「み、水────」


水を下さい。そう懇願しようとした時、ブツリと、何かの切れた音が聞こえ、俺は、その少女を押し倒すようにバタリと倒れた。



初めて書いた連載小説です。

誤字・脱字などあるかもしれませんが温かい目でみてください

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