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帰り道

作者: いとま

この作品は以前私が投稿しました。[坂道]

という作品の未来の話になります。

もし前回作を読んでくれた方はその延長で

楽しめるかもしれませんし、また新たに読まれる方は今後の展開を楽しみにしながら読んでみてくださいね!

帰り道


序章 坂道を横目に


スーパーのビニール袋をぶら下げ

元職場に続く坂道を横目に自宅へ帰る。

俺の名前は楓 将。どっちが本名かって…その説明はいいか。住んでるマンションから

徒歩15分の所にあるショッピングモールの中で細々と働いている。

「あー、今日も疲れたぁ」と誰もいない午後9時の帰り道をボソッと呟く。

俺が教師を辞め5年。色々と周りの環境は変わった。まぁ、生徒との恋をしたことがバレて懲戒免職なんて当たり前なんだけどね。

だから教師を辞めた。辞めざるを得なかった。そうこう思っているうちに自分の家に着いた。

鍵を開けようとした時

向こうからドアが開いた、元気な声で

「あー!やっと帰ってきた!」

と顔をプクーっと膨らませた元教え子は

玄関で俺を睨みながらそう言った。

「悪いって楓」と俺は頭をポンっと撫でて

詫びを入れる。元教え子は少しにやける。

「もう~今回だけだからね!先生!」

という元教え子は言うもんで

「もう先生じゃないやろ笑いい加減違う呼び方出来んのか。」

「だってー先生は先生やんかー」

と元教え子は笑って答える。

そう。この子は俺が通っていた城の宮中学校の元教え子で今は俺の彼女の大下 楓だ。

部屋の中に入りスーパーの袋を差し出して

「お詫びやないけど、はいこれ。」

と楓の好きなドーナツを買ってきた。

「ふ、ふーん。まぁ許してやらんこともないで?」とか言いながら楓はにやけて手を握る。相変わらず可愛いやつだ5年前から。


そして食卓には楓の手作りの豚のしょうが焼きが用意されていた。さて今日は美味いだろうか。とりあえず手を洗い上着を脱ぎ

定位置に座り食べようとした。その時

「ご飯は自分でよそうって言ったやんかー!」とエプロン姿の楓は怒鳴った。

「へいへいー。悪ぃわりぃ」

とよっこらしょと腰を上げご飯をよそいに行く。そこで楓は思い出したかのように

「あ~な~た?ご飯にする?お風呂にする?それとも楓?」と体をくねらせて

上目遣いで聞いてくる。それに対して俺は

「ご飯よそったからご飯!」と笑って答えた。楓はううー。と言いながら足を地団駄させた。お互いに食卓につき、両手を合わせ

「「いただきます」」

「はい。どうぞ召し上がれ♪」

とよる九時すぎの晩御飯が始まる。

今日は豚のしょうが焼き、豆腐と油揚げの味噌汁、俺が買ってきた鶏の唐揚げが食卓に並んだ。あいにく楓は野菜嫌いだから

食卓には野菜がほぼ並ばない。なんとかしなければ…。と思いつつ中々改善出来ない。

「·····こりゃ生活習慣病まっしぐらだな、」

とボソッと呟くと、楓が気付き

「先生、なんかごめんな。」と

しょんぼりした顔で俯きながら答えた。

「いや!大丈夫!少しずつ改善していこうな!だから!気にすんなや!な!」と

慌てて訂正した。しまったと思った。

でもそんな俺を見て楓は

「ふんっ私だって大人のレディーですもの、少しずつ食べれるようになりますわっ。オホホホホホ。」とまるで貴族のように手を口に当てて高笑いしていた。こういうとこが

楓のいいとこだよな。ほんとに助かる。

と5年前からここは変わらない。


ざっと言うとだ。教え子の中学生だった

楓と付き合ってそれがバレて

クビになり、楓の親父さんにも殴られたっけ。でも楓の家族はあんまり娘に

興味が無い感じがした。だからこそ

教師の俺にあれだけ懐き、恋に発展したんだなと思うと納得だった。愛情が欲しかったんだな。だからこそ俺は楓を引き取った。


そんなことを思いながら難しい顔してると

「先生?顔怖いよ.......どうしたの」

と楓が不安そうに聞く。しまった、顔に出てた。いかんいかんと思いながら

「ごめんごめん。考え事してただけよ。」

と笑って楓の頭を撫でる。

「ずーるーいー!」と顔を赤くしながら顔を背けた。可愛い奴め。

「楓、今の生活に後悔はない?」

と真面目な顔をして聞いてみた。すると

「え?なんで今すっごく幸せだよ!」

と上目遣いで言ってきた。コイツ俺の弱点知ってんな.......とまんまとやられてしまった。

こうして、俺と楓の同棲生活から

気付けば今日が1ヶ月記念日だった。

✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -


一章 一緒にいること

「一緒にいるってなんか不思議だよね」

と楓が妙に真剣な顔で呟いた。

「急にどうした?」

と俺もそれに反応するように聞いた。

「だってさ、今まで他人だった人が同じ空間にほぼ1日いるんだよ?不思議やん?」

と若干眉間にシワを寄せて楓は言った。

確かにそうかもしれない。お互いのテリトリーを解放するわけだから、何かと不便が出てくるのは目に見えているからだ。

しかし楓はそれを訂正するようにこう続けた

「でもさ一緒に住んで1ヶ月経つけどさ、毎日毎日先生のこと好きになっちゃうんだよね。」とニヤケながら楓は言ってくれた。

あまりにも可愛いもんだから頭を撫でて

楓のプクッとした唇にキスをした。

「もぅ~先生、それ反則·····。」と

もじもじして俺に抱きついてきた。

俺の心の声を聞いてくれ·····。

「(好きだーーーーーーーー!めちゃくちゃ好きだーーーーーー!)」

と御歳29歳のアラサー男は9歳年下の

いたいけな成人したばかりの元教え子に

声に出さずその気持ちを抑えて

代わりにぎゅっと抱きしめた。

なんて幸せな時間なんだ。おっさん幸せ。

そんなことを思って天を見上げていたら

「先生?今日変だよ?あ、いつもか。」

このガキ·····。上げて落とすとはよく出来たやつだ、、しかし不思議と嫌ではない。

「はいはい、大下さんは今日もデレデレですわねぇ。」とお返ししてやった。

「またそうやって苗字で呼ぶーー!やめてって言ってるやん!」

こりゃ学生時代に逆戻り、いや再放送だな。


この関係のまま俺らは進んでいる。

社会的には間違いかもしれないけど

俺らの中では大正解だ。


「楓、前も言ったけどこの道は幸せかもしれんが、イバラの道やで。改めて聞くが後悔は無いね?」ともう1回聞いた。すると

「先生。何度聞いても同じ。後悔なんかしてないし、今が幸せなの。だからどんな道でもうちは先生と一緒に行くよ?」

思わず泣きそうになった。こんなにも愛してくれて、こんなにも立派になった楓を見て

俺は涙を目に溜めていた。そう5年前の彼女のように。それを見て楓は

「よしよし、先生の方が辛い思いたくさんしたもんね。不安だったよね。うちを選んでくれてありがとうね。」完全に涙が溢れた。

おっさんになるとどうもあかんなぁと

思いながらその小さな掌で頭を撫でてもらい

29歳の俺は人生で1番の安堵をした。

「ありがとう楓。俺も楓でよかったよ。」

とまだ涙を止められないまま俺は振り絞るように答えた。本当に幸せだ。

「さっ!泣いても始まらんし、食器片付けてお風呂入ろ!」と楓が笑顔いっぱいで

そう提案してくれた。それに対して俺も

「あぁ、そうやね!ちゃちゃっと済ませてゆっくり過ごそうか!」と笑顔いっぱいに

答えた。楓の笑顔は感染する。ほんとに

素敵な笑顔だ。本当に大好きなんだ。

そうやって22時を回る前の時計を見ながら

食器を片付けお風呂の準備を始めた。

✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -


二章 風呂上がりの楽しみ

「いいお風呂だったなー」とお互いに

髪を濡らしながらリビングへ戻る。

「先生さー髪とか染めへんの?」

「いや、そんな柄ちゃうしなあ」

と何気ない会話を繰り広げ

ドライヤーを持ち、楓の頭を乾かし始めた。

「へっへーん。風呂上がりの楽しみー」

とドライヤーの轟音の中で楓が何か言った気がした。ゴオオーという音を止め

「なんか言ったか?」と問いかけると

「んーん。なんもないよー笑 ほら!手を動かす!」とうまく誤魔化された。何言ってたんだろ。もう一度スイッチ入れて

楓の少し伸びた焦げ茶の髪の毛を

乾かしていた。大分乾いたので

「はい。おしまい。乾いてないとこはセルフサービスでお願い致します。」と

お辞儀をしてドライヤーを渡した。

「苦しゅうない、表をあげい。」

と楓もふんっと鼻息を吐き出し胸を張った。

「ははーありがたき幸せぇ」と

ニヤつきながら俺は顔を上げた。

その瞬間、楓は俺の風呂あがりの唇へキスをした。正直びっくりした。楓がしっかりと

キスをするのは珍しいからというのもあるが、何より色気が増していた。とても

綺麗になっている。うっとりしてしまった。

「どうだ!たまには不意打ちもいいもんやろ?」と自慢げにいう楓に対して放心していた俺はほぼ何も言えずに

「·····うん。凄く良かった。」と

自分でも気持ち悪いと思うぐらい

気持ち悪い言い方をした。

「えっ、先生どうしたん!?」

と楓が慌てる。恥ずかしくて言えるかいんなもん!と内心思った。

「い、いやなんもない。びっくりした。」

と顔を赤らめて答えた。楓も釣られて赤くなってしまった。そうして2人の目があった時に改めてまたキスをした。さっきよりも長く

そのキスの後、お互いに風呂上がりの楽しみを用意した。俺はビール、楓はオレンジジュース。まだまだ子供なんだなとそこが可愛いとこだなとアホみたいな顔で思う。

缶ビールをカポシュっと開け

オレンジジュースをトポトポと注ぎ

2人でカチンと乾杯をした。

お互いの贅沢が喉に通っていく。

「「ぷはぁー」」と2人で同時に贅沢の喜びを吐き出した。また揃ったと2人で笑った。

一息ついた後にテレビをつけた。

正直、10時以降のテレビなんか好き嫌いが分かれるものばかりで、見る気はあんまりしなかった。でもなんでもない番組をただ

ボーッと見てる時間が何よりも幸せだった。

何をしてるのかではない、何かを誰かと共有してることが大事なのだ。と元国語教師の

俺はしみじみとおもった。要はなんでもいいんだ。君と見れれば。っていうことだ。

そんなことを思いながら大人の贅沢を

一口飲み炭酸の刺激が喉に刺さる。

相変わらず喉が弱くて困る。

楓も楓で飲むたんびに、しゅっぱい!

みたいな顔をして顔全体を(すぼ)める。

その時間があまりにも退屈すぎたのか

楓は俺の膝に乗ってきた、楽しみのオレンジジュースを持って。

「お?1名様ご案内~笑」

と俺は笑ってニコッとする。

「はぁーい。いらっしゃいましたぁ。」

とデレデレしながら楓も答える。

天使かよ。尊すぎ。やばい好き。

とか感情が迷子になりつつ

膝の上に乗った割と中ぐらいの

猫のような楓は時より俺の顔を見て

目が合ったら逸らすという、謎のゲームを開催していた。いつになったら目見れるんだよ。でもそこがまたいい。幸せな座椅子体験だった。楓も貴重な座位体験になっただろう。そう思っておく。そう思いながら

楽しみを片付け、歯磨きをし、寝床に向かう。2人で同じ布団に入り、いつものポジションで寝床に着いた。電気を真っ暗にするのがうちのルール。そうすると楓が手探りで俺の唇を触りまたキスをするからだ。

それに応えて、また探して、また応える。

それを何回か繰り返してお互いにふふっと笑い、「だいすき」と確認するように言い合って目を瞑る。それがうちのルールでルーティンだ。そんなことを続けてはや1ヶ月

まだ通過点、でも先なんて見えなくても不安じゃなかった。それぐらい安心できて

目を瞑れたから。そんな夜が更けていく。

✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -


三章 「先生」という呼び方。

「うーん。どうしよう~」

と思わず、うちは声に出して悩んでいた。

先生のことをいい加減先生と呼ぶのは辞めにしたいのに、中々出来なくてでも名前で呼ぶのも恥ずかしいという葛藤にもみくちゃにされている。先生が仕事に行ってる間、どうにか考えないといけないと古今奮闘している。

(まさし)って名前だからな~。卒業した時には将先生って読んでたけどやっぱり先生呼びが抜けないんだよなあ。」

と皿を洗いながら口に出してあーでもないこうでもないと誰に訴えるわけでもなく

中性洗剤の泡みたいにぷかぷかと浮かんで消えていった。ふと思うと、

「そういえば先生はうちのこと、[楓]って呼ぶ。うちも[将]って呼べばいいかなあ。あー恥ずかしい。そんなん出来ないよぉ。」

と自問自答をするなんとも無駄な時間を過ごした。そこでハッとした、

「そうだ!光!光に相談しよ!」

そう、中学の時の大大大親友。大友光に

相談しようと考えた。なんやかんや

高校まで腐れ縁でずっと一緒におったから

うちらの状況も分かってるはず。

だからメールを送り電話が出来るか確認した。すると秒速で既読が付き、OKのスタンプが送られてきた。すぐに電話をかけた。

「もしもし!光!久しぶり!」

「あ~楓、ご機嫌麗しゅう。」

「なんやねんそれ笑」

「いつものことやろ笑」

あの頃に戻ったかのような

自然な会話を繰り広げていた。

すると光からこう切り出した。

「んで?電話するぐらい大事な用ってなんやったん?楓先生と別れたとか?」

「んなわけないやろ!そやったらもっと病んどるわ!順調よ。」

「なーんだ。そんならよかった。」

「なーんだ。って何やねんよ笑 ほんま性格悪いなお前笑」

「うっさい笑 元々やろ?」

「まぁ、確かに。電話した理由は、未だに[先生]って呼んでるんよね。うち。」

「ぶっっ。まじでか!ウケるねんけど!」

と光は大笑いしていた。それに対して

「結構重大なんやってぇ」と訴えた。

「ごめんごめん。ついね。楓先生の下の名前確か、[まさし]って言ってたよね。んー。そうだな。まーくんとか?在り来りだけど。」

「無理無理無理無理!そんな恥ずかしくて死んじゃうようち。殺す気?」

「·····誰も殺しやしないし、死んだとしてもあんたの自損事故やで……。」

いつも通りのお約束がやっと出てきた。

「まーくんかぁ。うーん。頑張ってみる。」

「自損事故には気をつけるんやで。またご飯でも行こうや楓。」

「うんっ。いこ!またメールする!」

「りょーかいっ。じゃあまたね。電話ありがと。」

頼れるものは友だね。光ありがとうね。


そんな会話が終わり時間を見たら夕方の5時

「しまった!買い出し行かないと!」

急いで服を着替えて自転車に乗って近くのスーパーまで飛ばした。あの坂道を横目に。

スーパーにつき、アプリで今日のチラシを見た。ひき肉が安いから今日はハンバーグにしよう。先生も喜ぶだろうし……。

「ま、まーくんも喜ぶだろうし、、あーー!あかんめっちゃ恥ずかしい!」

と何を思ったか精肉売り場で声をはりあげてしまった。肉を保存する温度よりも冷めた

空気が周りを包み込み、チラシ掲載のひき肉をノールックで取ってその場をウサイン・ボルト並の速さで駆け抜けた。これが自損事故だと改めておもった。他に玉ねぎやカット野菜などを買って、お風呂あがりのご褒美も

カゴの中にいれた。会計を済まし、自転車に乗り込もうとした時、後ろから

「あれ?楓?今買い物かー?」

と大好きな大好きな人の声が聞こえた。

「あ!せん、じゃなくて。ま、まーくん……」と[ま]という発音だけ聞こえて

ほかはウィスパーボイス顔負けの溶け込む声で聞こえなかった。それに対して

「え?なんだって?そっち行くね!」

と駆け寄ってきた。あかん。なんかドキドキする。なんでやろ、一緒に住んどるのに。

と思っていたらもう目の前に来ていた。

「お疲れ様楓。買い物ありがとうね。」

と大好きな笑顔で言ってくれた。

うちは勇気を振り絞ってこう答えた。

「お、お疲れ様!ま、まーくん!」

目をぎゅっと閉じて勢いに任せて言ってみた。心臓があの坂道を登ったあとぐらい

ドキドキ止まらなかった。

薄目でまーくんを見た時に、まーくんは

「あーー、やばい。尊い。めちゃくちゃかわいいやんか。あかんわ。もう無理や。悶絶もん。ほんまに神様ありがとうございます。」

と手を合わせて拝んできた。

「やめろ!!みんな見てるやろ!はよ帰るで!ほんまバカ!!」と言い放って自転車を押しながらまーくんの横で一緒に帰った。

また坂道を横目に。ふとまーくんが

「楓?ねぇ。楓?」と聞くもんだから

「ん?なぁに?まーくん?」と答えた。

「あっ、やっべ。ナチュラルかわよい。ほんまにありがとうございます。」

とまた手を合わせて拝んできた。

「もうーーー!いじわる!!」

と言ってポカポカ叩いた。夕暮れが沈む

6時過ぎの、この帰り道を2人で夕日よりも温かい2人で同じ家まで帰っていった。

✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -


四章 父からの電話

[プルルルルルル]うちのケータイが鳴った。

相手は父からだった。2年以上連絡をとっていなかったから今更なんやねん。と思いながら、スリーコールあたりで電話を取った。

「もしもし、なに?」とぶっきらぼうに

答えた。こっちは話すこと無いのにね。

「もしもし!お前今どこにおるんや!」

と初っ端怒鳴ってきた。もう急になんやの

と思いつつ、こう答えた。

「彼氏の家だよ。それでいい?んじゃ?」

と電話を切りかけると、父から

「お前いい加減にしいや!お遊びはもう終わりや!そんなしょうもない男とはよ別れや!」と畳み掛けてきた。ほんとなんなん。

「あのさ!私の人生やからもう放っておいてよ!もう大人なんよ!」と怒鳴り返した。

「もう家には帰らんから!!」と電話を切った。スマホを片手に後ろを振り向くと

まーくんが真剣な顔をして立っていた。

「あっ、まーくん。今の聞いてた?」

「うん。お父さんから?」

「うん……そう。」

「よしよし。何も言わなくていいよ。」

「うっうっ、あぁー。」

私はまーくんの優しさに泣いてしまった。

気がついたらまーくんの温かい胸の中に居た

凄く落ち着く場所なんだよな。と思いながら涙と鼻水をまーくんの上着に付けた。

「おまっ!きったねー!笑」

とまーくんが笑いをとってきた。

こういうとこ大好きなんだよなぁ。

と顔を見上げるとニコニコ笑ってるまーくんがいて、幸せな気持ちになった。そして

頭を撫でてくれた。ほんとに好き。

「んで、お父さんからなんだって?」

とまーくんが聞いてきた。隠せないか。

「早く帰ってこいって。」

「そっか。俺も話さないかんな。」

とうーん。と考え込むまーくん。

「ご、ごめんやん!大丈夫やから、」

と強がってみると、まーくんが

「何年楓のこと見てきてると思ってんだ?大丈夫じゃない時目を横にする癖があるんだよ。すぐわかるわ。」と呆れた顔で言った。

ダメだな。この人には全てお見通しだ。

「大丈夫じゃ……ないかも。」

と漏らすと、大きな手がまたうちの頭に乗り

「よしよし。無理すんな。吐き出してええねんぞ。強がるなよ。」と撫でてくれて

抱きしめてくれた。温かかった。

「ごめんっ。まーくん。ごめんね。」

「はいはい、うちのルール忘れたか?ごめんじゃなくて、ありがとうでしょ?」と

頭を撫でてくれながら言ってくれた。

まーくんは全部が温かい。体も心も言葉も。

全て包み込んでくれるなぁと幸せだった。

「またかかってきた時に俺いたら代わるよ。責任とらないかんしね。」

「うん……でも。大丈夫かな。」

「大丈夫。任せとき!」と

胸をトンっと叩いて威張った。古くさ笑

でもこんな時でもこう言いたくなる。

「まーくん、大好き。愛してる。」

「おう、俺も大好きで愛してるよ楓。」

「へへへ。やばいわ。」

と言って口が釣り上がるぐらいまでニヤける

「恥ずかしいからそんなんやめろー笑」

とまーくんが頭をわしゃわしゃする。

これが意外と好きなのである。


するとこの幸せな時にバッドタイミング。

[プルルルルルルルル]父からまた電話だった。

「楓、まず先に出て?そのあと代わるわ。」

とまーくんが言ってくれた。

「はい、もしもし。」と応える。

「楓。さっきは言いすぎた。しかしお前の未来のために話しているんだ。分かってくれないか?」と優しく伝える父。それを耳元で聞いてアイコンタクトで「代わって」と口パクで伝えてきたのはまーくん。あの時と一緒だと思いながら、父に「代わるね。」と

言ってスマホを渡した。

「初めまして。楓 将と申します。いえ。始めましてではないですね。5年ぶりでございます。」と真剣な顔で少し会釈をしながら

まーくんは応えていた。そして音声をスピーカーにして2人で聴こえるようにした。

「5年ぶり……その声……。もしかして中学校の時の担任の!楓先生ですか?」

「はい。そうです。5年前城の宮中学校から退任した、楓 将です。」

まーくんは包み隠さず答えた。

「楓先生とお呼びした方がいいのか、分かりませんが。楓さん。まだうちの娘と付き合っていたんですね。あんなことまでなったのに。娘をどうするつもりですか。あなた大人として狂ってますよ!いい加減にしてください!」

「申し訳ありません。」

「あなた元教師でしょ?していい事と悪いことの判別もつかんのか?」

私は固まって口が震えてしまった。

するとまーくんはそっと手を握ってくれた。

そしてスピーカーホンになっているスマホに向かって静かにこう話し始めた。

「大下さんの仰ることはもちろん理解しております。しかしお言葉ですが私は娘さんを一人の女性、一人の人間として好きという感情。そしてこれからの人生を共に歩んでいく伴侶として正式にお付き合いさせていただいております。当時は私の中で葛藤はありましたが、楓さんの強い意志。好きでいたいという気持ち、真剣に受け取った上で今に至ります。」とまーくんの真っ直ぐとした波風立たない水面のように澄んだ綺麗な瞳を時よりキラキラさせて、その奥に静かな炎を燃やしているかのようなそんな強くて優しい目で

気持ちをぶつけていた。本気度が伝わった。

「楓先生、あなたの意思は分かった。しかしこちらと大事な娘。親として首を縦に容易に振ることは出来ないんですよ。」と

言いかけた時にまーくんは眠れる獅子のように父の言葉が終わりかける瞬間、

「大下さん、個人的なこと申し上げますが家庭内で楓さんを孤立させていましたね?家庭訪問の際にあなたは楓さんの話ではなく、お姉さんの話ばかりしておりましたね。実際楓さんからも家に居場所が無いと相談を受けておりました。愛情がない、居場所がない、自身を主張出来ない。これって人間として生きて行けてますか?そんな中助けを求めたのは楓さん本人です。大下さん。あなたのおうちは楓さんからしたら監獄なんです。そんなこともしらずに大事な娘と大きく威張らないでくださいますか?」と信じられないくらい

的確にハッキリと、変な言い方噛まずに

うちの言いたいこと全て伝えてくれた。

言ってる間父も反論したく、何か言おうとしていたけどまーくんの圧?のようなもので

全くモノが言えなくなっていた。その後

「な、なんだ!いきなり失礼なやつやな!お前に何がわかる!大体な子供も持ったことの無い30手前の男にそんな言える権限はない!」また父が怒鳴った。また震えてしまった。さらにさっきより強く手を握ってくれた。そしてまた静かにこう続けた。

「分かっていないのはお前や。娘が気を使って作り笑いで過ごす学生生活がどんだけ辛いものか分からんのか。父親面する前に、娘と向き合ってからモノを言え。人と真正面で向きわないヤツの方がそんな権限無いわ。」

と今まで聞いたことの無いような強い口調

冷たい目でスマホに語りかけた。まーくん

そんな怖い顔するんだ、と思うと怖くなってしまった。そして父が

「もういい!力ずくでも連れていく!」

「もうお父さんやめて!!」

私が耐えきれず声を上げた。

もう散々だった。そして電話を切った。

色んな感情が破裂寸前のジェット風船のようにパンパンになっていてどうしたらいいか

分からなくなっていた。口を開こうとした時

「ごめんな。ありがとう。」と

まーくんが優しく抱きしめてくれた。

うちは泣き出してしまった。

「怖かった、怖かったよ。」

「そうだよな、よく我慢した。偉いね。」

そう言うまーくんの手も震えていた。

まーくんもきっと相当の覚悟を持って

伝えてくれたんだと思う。怖かったんだね。

「俺さ、怖くなっちゃって。だから手を握ったんだよ。あー、怖かった。」

と予想外の答えが来て、思わず

「ぷっ、何それ笑 うちを安心させる為ちゃうん?笑」と吹き出してしまった。

「当たり前だろ!怖くてしゃーなかったんやから!!」まーくんは笑いながら

言い訳をしていた。ほんとにこういうとこが大好きなんだぁ。まーくんでよかった。

無造作に置かれたスマホと抱き合ったままの2人に午後4時すぎを告げる夕日が照らしだしていた。

✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -


五章 名前

「楓さ、結婚したらお前、楓 楓になるな。ふっはっはっは!!」

と晩御飯のロールキャベツを食べながら

楓に言い放った。楓はぶっとキャベツとひき肉の欠片を吐き出してむせていた。

「だ、大丈夫か!?」

「大丈夫かじゃないわ!結婚って!」

「え?だってするやろ?」

「えっ、えっ、えぇえええ」

「ええっ?なんでそんなに驚くのん?」

「当たり前やろ…嬉しいやんか…」

と楓は泣き出してしまった。

「あ、え、ごめん。でもそうなれると思ってて、それが当たり前だと思ってたから。」

と誠心誠意を込めて伝えた。

楓の涙は止まらなかった。そんな涙の中

半ば無理やり胸に飛び込んで来た。

俺は壊れないように優しく包んだ。

「ほんまに、ほんまにこんなうちと結婚してくれるん。すぐ落ち込むしヤキモチ妬きやで?それでも!」と続きを聞く前に

「それでも俺は5年前からその覚悟を持って付き合ってきたつもりだよ。」

と抱きしめた胸の中から顔を出した

楓の顔を見ながら、あのコメントの返事を待つ時の職員室に入ってきた当時の楓ぐらい、

黒板ぐらいガチガチに硬く緊張した顔しながら伝えた。その顔を見て楓は

「ぷっ、何その真面目な顔笑」

と大笑いされてしまった。

まさに女の子は分からないね。だった。

泣き出したり急に笑ったり。その通りだな。

そんな楓の姿を見てつられて笑った。

とても幸せな空間だった。そのあと

「さっ、食べよまーくん!」とロールキャベツを1口大に切り分けてあーんと差し出してきた。俺は遠慮なくあーんを受け付けた。

「上手なったね楓。味バッチリ!」

と親指を立ててグーのポーズで笑って答えた。楓はそれを見て恥ずかしそうだった。

でも嬉しそうな顔をしていた。よかった。

「でもな悔しいなあ。まーくん料理上手やから中々勝たれへんなあ。」

とまた顔をプクーっとさせて不満を吐き出した。まぁ、俺も料理には自信があるからな。

「ところで·····。」と切り出したのは楓だった

それに対して俺も、あぁそうだったと思い。

「あぁ、そうそう。結婚やね。俺はいつでもOKだよ。まぁお互いの親がどういうかだけど。」と苦虫を噛み潰したような顔で

どうしようと言う思いからそう伝えた。

「うちは全然!!1日でも早くなりたい!!」

と目をキラキラさせて答えた。

そんなキラキラした目と優しく照らす月明かりが俺を照らしていた。

✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -


六章 買い物

今日はまーくんと一緒に3駅くらい先の駅にある家具屋さんでお買い物!

買い物デートってやつだ!楽しみで仕方がないうちは、まーくんの支度してる様子を見ながらにやけていた。それに気付いたまーくんがニヤリとして近付いてきてキスをした。

ほんとにこういうとこズルい。ほんとすき。

そんな幸せな午前九時過ぎに家を出て

最寄り駅まで手を繋いで向かった。

まーくんの手好きだなあと思いながら

握ったり、こすったり、ペチペチ叩いたりしてみた。どんなことしても飽きないそんな手だった。好きな人の手ってなんでこんなにも

いいんだろうと思い(ふけ)るとこだった。

でも一筋縄でいかないのがまーくん、

「あら?大下さん、今日はやけに手が騒がしいっすね笑 じっとしててくれやす!」

と言っていわゆる恋人繋ぎに強制された。

無理やりなのも実は好きである。

そんな他愛もない、けれど幸せな2人の小さくて大きな空間は自然と出来ていることに

気が付いた。ほんとに大好きな時間。

そんな空間を保ちつつ、最寄り駅に

やっとついた。20分の距離歩くのは

正直しんどい。え?なんでいつもの自転車使わなかったって?勘のいい読者さんさすがですねぇ。手を繋いで行きたかったの!そんなの恥ずかしいから言わせないで!

「誰に話してんだお前…」とまーくんドン引きだった。いつもの楓スマイルで誤魔化した。そんなこともあり、2人でICカードをかざし改札に入った。またうちらのルール。

改札とかでやむを得ない時は手は離すけど

繋げる時は繋ぐのがルールというより

暗黙の了解になっていた。

電車を待つ間もまーくんは落ち着きが無く

いつも顔を覗いてくる。目を合わせると恥ずかしくて、いつも逸らしてにやけてしまう。

それをこの男は面白がってやりやがる。

そういうとこが好きなんじゃい!と

よく分からないキャラになりつつ

そう思った。でもうちというキャラを作ってくれたのもまーくん、うちを一人の女性として見てくれたのもまーくん。ほんとに

まーくんが大好きなんだ。そう思うとなんだか感極まって泣きそうになってしまった。

また笑顔で誤魔化して、顔覗き込む妖怪の遊びに再び付き合った。そして電車がくる。

2人で電車に乗り込むとてっぺんに

登りそうな太陽に目をやられながらも

外の風景を見ていた。同じように見ているまーくんに気付かれないように顔を見ながら交互に見ていた。でもこの妖怪はなんでもお見通し。たまに隙をついて顔を見ようとしていたらこっちに顔がずっと向いてる時がある。

ほんとあれズルい。もっと好きになるやん。

カタンカタンと車輪は悲鳴をあげて

うちらを目的地まで運んでいく。

好きな人の息を感じながらうちは

最寄り駅についた。扉が開くと

例のごとく手を差し出してエスコートしてくれる。顔には出さないけどめちゃくちゃ嬉しいんやで。ほんまにありがとうね。

そして手を繋ぎ改札で離し、また繋ぐ

その後にまーくんが一言

「よっしゃ!行くか!」とニッコリ

やる気満々で答えた。うちも「うん!」

と返事をして手を大きく振りながら

家具屋さんへ歩いていった。

✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -


七章 遠くて近い未来

今日の買い物はちょっとした小物を買いに行くだけでわざわざ行く必要は無かった。

でもなぜ来たかと言うと下見を兼ねていた。

まぁ未来の俺と楓の生活をイメージして

見に来たというのが1番の目的。

元気いっぱいな楓から手を引っ張られて

家具屋さんへ入っていく。無邪気なうちの楓かわいくないすか?まじでやばいっすね?みなさんどう思います?

「まーくん…誰に話してるの、、」

口にでてた。ドン引き返しをされてしまった。とにかく俺の彼女は可愛いのだ。

それは反論は認めません!

そんなこんなで彼女自慢をする30手前の男は

手を引っ張られながら幸せを噛み締めるのである。目移りする家具や食器、寝具やぬいぐるみなどを家具屋さん独特のアメリカンサイズなカートを押して2人で見て歩いた。

「こんなソファーいいなあ?」

「でもまーくんすぐソファーで寝そう」

「なんかあかん?」

「そうなったら2人で寝られへんやん。」

「ごめん。鈍感でした。」

とバカップルっぷりを発動しながら

迷惑にならない程度に2人で笑った。

この2人で笑い合える瞬間に幸せだな

とまた後でこのシーンを映画のチャプターみたいに思い出してクスッと笑えるのだろう。

俺はその場で感じる幸せが正解とは思わない。何年もそのことを思い出して

あの時の[好き]を感じれること。時を超えて

その年齢の時の[好き]がまた蘇ること。

これが俺が思う幸せだと思う。

僕らの時間は映画であり、アルバムなのである。そんなことを思い老けた時に楓が

「あーーー!パンダのぬいぐるみだ!大きい!かわいい!もふもふーー!」と

精神年齢6歳ぐらいのテンションで

小走りで突進しに行った。ああいうとこ

ほんとに好きだなあとこのじじいは思うのである。俺もその後について行ってそのパンダのぬいぐるみを一緒に見ていた。

俺がパンダのぬいぐるみになでなで

とすると、楓はパンダのぬいぐるみを

引っ込めて「むぅ」と言った顔をした。

俺は、ははーんなるほどね。と思いながら

楓の頭にポンポンと優しく2回手のひらを置いた。楓はぎょっとして口を結んで

恥ずかしさがバレないように必死に耐えていた。それを横目に俺は

「さーて行くか。」とその場から去った。

楓はちょっと待てー!と追いかけてきた。

なんだ?と尋ねると。無言でまた頭を出してきた。また頭をポンポンとした今回は3回ほど。満足したその小動物は地に足が着いてないと思えるぐらい足取りがふわふわしていた。分かりやすいやつ。とニヤけて楓の後を着いて行った。そして俺はこっそり楓の

お気に入りだった大きいパンダのぬいぐるみをカートの下へ隠した。家に帰ってから

驚かせてやろうと計画をしていた。

その日はほんの早い冬用の寝具や整頓用の

ボックスなどを買って会計をした。

もちろんパンダのぬいぐるみは楓にバレないように別に梱包してもらった。

楓はなにそれー?とか言ってたけど

さぁ?なんでしょー?とはぐらかしてみた。

むぅー。とした顔の頬を優しく撫でて

「行くぞっ」と手を差し伸べた。

大きな荷物を手を繋いでいる別の手で

2人でひとつずつ持った。すっかり落ちた太陽が夕日となり俺らの後ろから2人の影を

シルエットとして映し出してくれた。

それを見て楓が嬉しそうに

「なんだか夫婦みたいだねまーくん。」

それを聞いて。へへっと笑って

「あぁそうだな。いずれこの真ん中にはもう1人、手を繋ぐ人が出てくるかもな。」

と企み顔で答えてみた。案の定楓は

「えっ、それって!」と俺の顔を勢いよく見た。目で合図してそういうことだよと

小声で伝えた。楓は嬉しそうだった。

「さーて早く家帰ってご飯にしよ!」

と楓の小さな手をひっぱり

後ろの夕日が夜へ変わるそんな時間に

駅に到着した。

✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -


最終章 帰り道


家具屋のビニール袋を2人でぶら下げ

元職場と元母校に続く坂道を横目に自宅へ帰る。すっかり暗くなった行きなれた道を

今日は2人で手を繋いで歩く。

5年前の卒業式以来の気持ちになって

この道を彼女として歩く楓と

繋いでいる手を握り返しながら

20分かけて一緒に住んでいる家へ帰ることにした。

早くパンダのぬいぐるみを見せて

楓の嬉しそうな顔を見てみたい。

早くまーくんの体に抱きつきたい。

抱きついて充電をしたらご飯を作ろう!

そうして俺らはお互いの楽しみを目掛けて

この帰り道を下っていく

「ねえまーくん?」

「ん?なに?楓?」

「ずっと大好きだよ」

「俺もだよ楓。ずっと大好きだ。」

そんなことを顔を合わせて9歳差の

元教え子と元恩師は新たに恋人となって

夜の帳が下がるこの帰り道を

手を繋いで帰っていった。

明日はどんな日になるかな。

如何でしたか?この2人の物語はまだまだ

先へ続きます。ほんの少しの帰り道なんです。

2人の道はずっとどこかに続いていて、たくさんの

分かれ道を2人で選んでいく。その2人の物語を

また今後も見守ってくださいね。ご購読ありがとうございました。

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