悪夢の宝玉/出会い
きぃきぃ……きぃきぃ……ぎぎぎ……。
石畳の上を断末魔の悲鳴にも似た音を鳴らしながら荷物を満載した台車がゆっくりと進んでいる。街の人々は何事かと訝しんでいる。
荷車を引いているのは、まだわずかに幼さが残る少女だった。台車の上には大量の木箱や麻袋が彼女の身長をゆうに超えて積み上げられている。中身は果物であったり、肉であったり、酒であったり、雑貨であったり、とにかくいろいろだ。
はっきり言って重い。
かなり重い。
絶対に重い。
少女、アンジェリカは大柄なほうではない。とはいえ小柄というわけでもなく、同じ年頃の娘からすれば極めて標準的と言っていいのだが、荷物のほうが多すぎた。アンジェリカが深く息をついて全力で台車を引いても、台車はほとんど動かなかった。ちょっと進むたびに休憩、また休憩。いびつな隙間の多い石畳に苦戦しながら。
そんなアンジェリカに町の人は奇異のまなざしを送りこそすれ、誰も手伝おうとはしなかった。アンジェリカの表情があまりにも必死で、それが逆に手伝ってはならないのではないかと見る人に思わせる迫力を放ってしまっていたのだ。
アンジェリカは台車を引きながら泣きそうになっていた。なぜこんなに重い荷物を一人で引かなければならないのか、と。
肩のあたりで切りそろえられた金髪はすっかり乱れ、先から汗がぽたりぽたりと地面に落ちる。
そもそもの発端は、村長の言いつけだった。
村長は祭りの準備のために足りないものを町に買出しに行くようにアンジェリカに告げた。
アンジェリカは日ごろお世話になっている恩を返そうと、ここぞとばかりに張り切った。
とはいえ、村長も足りない手の中から男手を一人、アンジェリカにつけるつもりだった。しかし当のアンジェリカがそれを断ってしまった。みんな忙しいんだから、買い物ぐらい私が一人でやってくる、と。
その結果がこの荷物の山である。
村長がアンジェリカに手渡したメモには、アンジェリカは街に着くまでその内容をろくに確認もしなかったが、とても女の子が一人で運べないような量の食料や、酒や、その他いろんなものが書き込まれていた。
一緒に渡されたずっしりと頼もしかった硬貨の詰まった皮袋も今は子供のお小遣い程度の中身しかないなんとも頼もしい姿になってしまっていた。お金が余ったら好きなものを買っていいと言われていたが、これでは帰りの分の食料を買ってお終いだ。途中で見つけたかわいい服もいい匂いのする珍しい料理も何も買えない。もっともこれは別段村長に意地悪されたと言うわけではなく、町の物価が村長の想定よりちょっと高かっただけだ。そう信じたい。
「う…、うう」
酒場の前でアンジェリカはついに力尽き、これまでよりちょっと長い休憩をとることにした。台車に腰掛けて、酒場で楽しげに昼食をとっている町の人たちを尻目に箱からリンゴを一個取り出してかじりつく。
ふう、と一息。さて、これからどうしたものか。村に応援を呼ぶにしても荷物を放置していくわけには行かないし、安全な場所を確保しようと思ったらお金がかかる。もちろん、荷物を引くための馬や人を雇っても同じだ。しかしこれから山を越えていかなければならないことを思うと、自分ひとりでこれを引っ張っていくのは絶望的。さて、どうしたものか。
と、物思いに耽っていたアンジェリカのすぐ脇の扉、酒場から何かが飛び出してきたと気づいた次の瞬間には、その何かは勢いよくアンジェリカの台車に激突していた。それだけでは飽き足らず、苦労して積んだ荷物を盛大に吹き飛ばした。結果、台車はアンジェリカを乗せたまま、バランスを崩して倒れるしかなかった。
「は、はぁぁぁぁっ…!!?」
何が起こったのかわからず、間抜けな悲鳴を上げる。自分の座っていた台車がそばに倒れているのが見えた。体を動かそうにも、何が入っているのかよく覚えていない麻袋がのしかかっていてなかなか身動きが取れない。
なんとか麻袋の呪縛を逃れて痛む足をさすっていると、そばの箱がガラガラと派手な音を立てて動いた。いや、箱の下敷きになっていた男が立ち上がった。きつい目をした、簡素な鉄の鎧を纏った男だった。黒髪に潰れた果実をくっつけている。滴った真っ赤な汁が血のようだ。いや、もしかするとそれは本当に血なのかもしれない。
男が潰れてしまった実をつかんで無造作に投げ捨てたのと、酒場からさらに数人の男が怒声とともにわらわらと飛び出してきたのは、ほぼ同時だった。見ると、酒場の板壁に大穴があいている。男はここから、文字通り飛び出してきたのだろう。
「てめぇ、このお方をどなたと心得る?泣く子も失禁するこの町の影の支配者、ダークローダーのドン・ホゥであるぞ!!」
見るからにチンピラそうな男が隣に立つ小太りの中年親父を指してそう言った。アンジェリカがその様子をびくびくしながら眺めていると、チンピラはぎろり、とアンジェリカを睨みつけた。ひっ、と小さく悲鳴を上げて、アンジェリカは倒れている台車の後ろに可能な限りすばやく身を隠す。
その間にも鎧の男はいかにもガラの悪い十人ほどの男に囲まれていた。しかし、鎧のほうは何食わぬ顔でその様子をまるで他人事のように眺めている。そして、笑みさえ浮かべて、言った。
「知ってるさ。ダークローダーってだけでいい気になってる賞金首のヘタレ野郎が隠れてるって聞いたから俺は来たんだ。悪いことは言わねぇからてめえの持ってるローダー俺によこせよ」
それを挑発と受け取ったドン・ホゥは、いや、それは挑発なのだから、それを額面どおりに受け取ったドン・ホゥは顔を真っ赤にして湯気まで立ち上らせながらチンピラどもに怒号を飛ばす。
「その生意気なガキを挽肉にして肉団子にして鍋に入れて煮てしまえ!!」
と。
「挽肉にするなら俺よりその豚のほうがいいんじゃないのか?」
そう言いながら、鎧の男は襲い掛かってきた男たちをこともなげに、一瞬で、あっという間にのしてしまった。すぐそばで見ていたアンジェリカにも何がどうなっているのか理解できないほどの素早い動きだった。
「ぬ、ぬぬぬ…貴様、よかろう、われが直々に相手をしてやる」
ドン・ホゥが右手を男のほうへ突き出す。ホゥの指に光る黒い小さな指輪が怪しく黒い霧を立ち上らせたように見えた。いや、実際に立ち上らせている。その霧はホゥの腕に絡みつくと、徐々にある形をとっていった。
「わが闇、龍の爪を見て死ねるのだから、あの世で誇るとよい、ほほほ」
ホゥが気味の悪い声で笑った。その腕は、大きく鋭角的で鈍く漆黒の光を放つ、そう、ホゥの言ったように鋭い爪の生えた龍の腕のようなものに変質していた。
「へー、大きな口叩くだけあってなかなかいいモノをお持ちのようで」
にっ、と男は不敵に笑う。それが合図となった。
「挽肉になれぇぇい!!!」
ホゥが叫びながら男に向かって大きく右腕を振り上げた。巨大な龍の腕もそれに従って振り上げられる。空気がびりびり震えるようなわずかな振動の後、振り落ろされたそれは男の立っていた地面に大きな爪痕を残した。ぱっくりと削り取られた地面はまさに龍の爪に刮ぎとられたようになっている。
あまりの衝撃で思わず目を閉じたアンジェリカであったが、恐る恐る目を開けてみると、そこに懸念していた男のミンチはなかった。
ちょっと安心しながら男の姿を探す。
男は、ホゥのすぐ隣に立って居た。手にした剣を大上段に構え、振り下ろす。
それを受けた龍の腕から金属同士がぶつかったような音が響く。男の攻撃を受けきったホゥの顔がにやり、と歪んだ。
一方の男は涼しい顔で。
「終わりだ」
男が小さく言った瞬間、剣の柄の部分に埋め込まれた小さな宝石が黒く微かに輝くのをアンジェリカは見た。
ホゥも見た。そして、叫んだ。
「おまぇ、まさ―」
ホゥの言葉は最後まで続かなかった。ホゥの首が地面に落ちたのだ。
鋼のように固くなっていたであろう龍の爪をバターのように容易く切り裂くと、そのまま袈裟がけにしてホゥの頭と胴体を一息で切り離していた。
男は剣についた血を慣れた手つきでふき取るとすばやく鞘にしまう。そして、傷口からびくびくと小さく震えて血を吹き出すホゥの、もう龍の腕ではなくなってしまった腕から指輪を抜き取ると、それを懐に仕舞いこんだ。ホゥの亡骸を遠巻きに眺めていたホゥの手下に押しつけて一睨みすると、ホゥの手下だった男たちは蜘蛛の子を散らすように這々の体で逃げて行く。一応ボスの首を拾い上げて行ったあたりは、なかなか律儀な手下たちだった。
そこで初めて、男は倒れた台車の裏で息を潜めて一部始終を見ていた少女に気がついた。
「は、はう」
目が合ったアンジェリカは反射的に影に身を隠したが、男はそんなアンジェリカに何を思ったのかゆっくりと近づいて来る。男の大きな影がアンジェリカに重なった。
「ひぃっ!許してください!助けてください!痛いこともしないでくださいお願いします!!お金なら…はほとんどないけど食料とお酒ならいっぱいありますからどうぞお持ちになってください!!だからどうか命だけは!!あとできれば貞操もご勘弁いただければ!!!!」
アンジェリカは無我夢中で祈るように叫んでいた。男はそれをあっけにとられた顔でしばらく見下ろしていた。
男が何も言ってこないので、アンジェリカはそっと片目を開けて男の様子を窺う。男は困った様子で頭をぽりぽり掻いていたが、アンジェリカが自分を見ていることに気づくと小さくため息をついてアンジェリカのほうに手を伸ばす。ひっ、とアンジェリカの肩が小さく震えた。
「いや、悪かったな。巻き込んでしまって。荷物もめちゃくちゃにしてしまった」
男はアンジェリカの腕を取って半ば無理やりに引き起こした。そしてそのままさらに倒れた台車を引き起こすと、その上に周囲に散らばった荷物を手際よく載せていく。
「あー、こっちの箱と…これは酒か。ダメだな。半分は瓶が割れちまってる。わりぃ、弁償する」
荷物をあらかた積み終えるた男がアンジェリカに向かって頭を垂れた。
「え、いや、お、おか、おかま、おかまい、なく」
アンジェリカの目はまだ恐怖に震えている。無理もない。この男はついさっき往来の真ん中で、自分の目の前で、人を一人殺しているのだ。
「そういう訳にはいかない。巻き込んでしまったのは俺だ。これぐらいはさせてくれ」
正直なところ、男の真意はわからなかった。村長からもくれぐれも知らないおじさんについていかないようにと言われている。もしかしたら、いや、もしかしなくても、いいように言いくるめてそれからあんなことやこんなことや…そんな想像がアンジェリカの頭の中を駆け巡る。それでも、さっきの映像が頭から離れなくて、男の言うことに逆らうことはできなかった。
男はアンジェリカの了解を待たずに、台車を引いて歩いて行った。仕方なしにアンジェリカは台車の後をついて歩く。
「お、重っ…!!ちょっとこれ尋常じゃないぞ、お前これ一人で引いて帰るつもりだ
ったのか?家はどこだ?」
台車を引く男の顔には早くもうっすらと汗がにじんでいた。アンジェリカは西の山のそのまた西の山の向こうの麓の森のあたりだ、と曖昧に答えた。
「マジかよ」
男の顔が引きつっている。そこらの商店の丁稚がお使いに来たのだと思っていたのだ。そこまで運んで、割ったり潰したりしてしまった分を補填して終わりのつもりだった。
「あんなところに村なんかあったかなぁ…」
彼は訝しがりながらも一応は納得してくれたようだ。それよりも、アンジェリカは得体の知れないこの男が恐ろしくて、ろくに考えることもできなくなっていた。
「よっ、あんただろ、ホゥの野郎をブチ殺した剣士ってのは!」
ぽん、と、町の自衛官らしい格好の男が彼の肩を叩いた。やった、これでこの男から逃げられる、アンジェリカがそんなことを考えていると。
「いやぁ、よくやってくれた。あいつ等にはほんとにホトホト手を焼いていたんだ。抵抗しようにもあのダークローダーのせいで迂闊には手出しできなかったしな。いやぁ、しかしあんた強いな!!あとの処理は任せてくれ!!」
自衛官の男はそれだけ言うと彼の背中を叩くだけ叩いてアンジェリカの期待に沿うことなく走り去って行った。事後の処理があるから、と。アンジェリカはその背中を涙に揺れる視線で見送るしかなかった。助けを求めたらどうなるかわかっているだろうな、彼の背中がそう言っているように思えたから。
その後も、すれ違う人の何人かも同じように彼に話しかけていた。彼はそれに笑顔で応えている。どうやら、大量の荷物とアンジェリカが目印になってしまっているようだった。結局、彼が駄目にした荷物以上のものを町の人達から押し付けられるような形になっていた。初めから積載重量超過気味だった台車が荷物であふれている。
その頃になると、アンジェリカはこの人は実はそんなに悪い人ではないのかもしれない、とほんの少しだけ思っていた。
途中で立ち寄った小さなあばら家でホゥから奪った指輪を渡し、代わりにかなりの金額を受け取っていた。
「そういえば自己紹介がまだだったな。俺はウィル。見てのとおり、賞金稼ぎをやっている」
男、ウィルはそう名乗った。見ての通り、と彼は言ったが、とてもそうは見えない。アンジェリカの思い描く賞金稼ぎというのは、粗野で、野蛮で、どちらかといえばさっき見たドン・ホゥの手下連中のほうがしっくり来る。目の前のこの青年は少なくとも身なりはしっかりしているし、兵隊か、ともすれば騎士のように見えないこともない。
「…アンジェリカ」
アンジェリカはそれだけ言うと、差し出されたウィルの手を取ることもなく、台車の影に隠れてしまった。ウィルは受け取られなかった手を空で気まずそうに遊ばせるしかなかった。
その時、ふとアンジェリカの足から血が一筋垂れていることに気づいた。アンジェリカの長いスカートが今までそれに気づかせなかったが、靴が僅かに赤く染まっている。
「おい、足を怪我してるじゃないか」
ウィルが言うと、アンジェリカも今気付いたように膝の辺りを押さえる。
「大丈夫か?」
心配そうに覗き込むウィル。自分の背負っていた小さなバックパックの中から包帯を取り出して。
「ちょっと見せてみろ」
とアンジェリカに近づいた。が、アンジェリカは台車を回ってウィルから逃げる。
「こりゃまたずいぶんと嫌われてるようで……。まぁ、あんなことがあったんだから当然か」
やれやれ、と今更ながらに第一印象の悪さを後悔する。
そこに、アンジェリカの小さな声が返ってきた。
「大丈夫だから。この程度の傷、なんともない。すぐに治せるから」
「へ?」
予想外の返事に間抜けな声が出てしまう。台車越しにアンジェリカを覗き込むと、アンジェリカは胸元に手を当て、祈るようにして座っていた。
「何するんだ?」
声をかけても、聞こえていないようだ。あるいは、単純に無視されているか。
「エンジェルハイロゥ…」
アンジェリカの声に呼応するように、アンジェリカの胸にかかったペンダントが小さく白い光を放った。魔石の力が発動しているのだ。
「お、おい、それはまさか」
ウィルは驚きの表情でアンジェリカを覗き込む。アンジェリカは意にも介さない様子で光を手に纏い、その手を傷口に翳す。すると…
「おお…」
様子を眺めていたウィルの口から驚きの声が漏れた。血はほとんど止まっているとはいえ、決して小さくはない傷が見る間に消えていったのだ。
「おい、お前、それってまさかホーリーローダーじゃ…?」
驚いた顔でやっとの事で絞り出したその問に、アンジェリカはこともなげに答える。
「そうですけど?」
と。
「おい、おいおいおい」
いよいよ驚いてアンジェリカの肩をつかむ。固まってしまったアンジェリカを構いもせずに、胸にぶら下がっているペンダントを凝視。
ローダー。
奇跡を起こす魔法の石。
魔石、あるいは魔道具と呼ばれることもある。
それらは遙か彼方の昔より存在し、この世界の歴史の始まりからずっと存在していた。
その殆どはダークローダーと呼ばれる物で、そのすべてが本質的に破壊の性質を持っている。そのダークローダーと同種であって全く異質の存在、それがホーリーローダー。
ダークローダーは先ほどのようなゴロツキが手にすることができる程度にはありふれているが、現在その存在が確認されているホーリーローダーは僅かに三つ。それがそれぞれ別の国に国宝として厳重に保管されている。
特別なのはその希少性だけではない。その力もだった。それはたとえば、万病を癒す霊薬を創り出したりする。いずれもがユニークな能力であり、他のダークローダーには見られない。アンジェリカの使った傷を癒す力も、ウィルが知るダークローダーには存在しなかった。
「お前なんでそんな珍しいもん持ってるんだよ!!?」
ウィルは自分の心臓が今までにないぐらい高鳴っているのを感じていた。あまりの興奮に怒鳴るようになってしまった。しかし驚きを通り越して恐れすら感じている少女に気づいて、すぐに慌ててその手を放す。
「村にまだいくつかありますけど?」
娘はこともなげに言った。あまりに簡単に放たれたその言葉に、ウィルの頭は一瞬真っ白になって、直後に高速回転を始める。
チャンスだ。これは神がくれたチャンスだ。
ウィルの頭にある一つの邪な考えが浮かんだ。すなわち、この娘に上手く取り入ることができれば、この娘の村にうまく馴染むことができれば、国宝級の逸品、ホーリーローダーをあわよくば手に入れられるかも知れない、と。
「なぁ、この荷物、大変だろ。俺が村まで押していってやるよ」
「ええっ、そんな、困りま…悪いですよ、そんな、そこまでお世話になっちゃ!!」
ウィルの提案をアンジェリカは即座に断った。当然である。ウィルもすんなり受け入れられるとは思っていない。なにしろ、この少女はまだ自分のことを怖れているのだ。強盗の類か何かだと思っているのだ。油断したらあんなことやこんなことをされるんじゃないのかと思っているに違いない。
しかし、だ。
そう思っているのなら思わせておけばいい。このことは後でプラスに働く、とウィルは考えていた。チンピラがちょっと良いことをしただけで実はあの人いい人だったのね、と実情以上に好感度がアップするように。これを「ちょっと良いことをした不良はいつも良いことをする人よりとってもいい人に見えちゃう効果」と言う。
「ま、そう言わずに、さ」
言いながら彼女の了承も得ずに台車を押してどんどん進んでいく。アンジェリカは困惑しながらもそれを追いかけなければならないのだった。
目的地は山を二つ越えた先の森。長い旅になりそうだ。村に着く頃には「いい人」に格上げされるチャンスはいくつもある、ウィルはそう確信していた。
隔週・・・せめて月一では出していきたいですよね。
いまのところ全9章30話ぐらいの想定で、7章ぐらいまでは書けておりますが…