それは突然、謎の落下物体に
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ゆっくりしていってください
…どうしてこうなった。
………あえてもう一度言おう、どうしてこうなった。
「うわあああああああああああああああ!!!!!なんで空から落ちてんだああああああああああああ!!!!!!!」
地面との接触まであと約一分と言ったところだろうか。
富士山が横並びになるぐらいの高さにいるな。
うんうん、こんな時でも冷静に分析できる俺はすごいな!
褒めてやりたいぜ!!
「いや、でも本気でどうすんのこれ…まだ死にたくないよ?まだ人生で青春を味わったこともないよ?そんな野郎の最後が訳もわからず高所から落ちましたーハイ終わりなんて惨めすぎないか…」
でも【突如現れた謎の飛行物体は人だった!?】っていう記事で一躍有名になれるかもしれない
「そう考えると悪くない…?」
んなわけあるか!!!!!
「俺はまだ生きてえんだ!!!!もう何でもいいし誰でもいいから助けてくれええええええ!!!!」
あらゆるものが細かく見えるようになってきた。
が、落下地点付近には特になにかあるわけでもなく、延々と平原が広がっている。
もう少し経てば地面にぶつかるだろう。
せめて木の一本や二本でもあれば生き残れたかもしれないのに…!!
…よく見てみると、俺の予測落下地点になにか人のようなものがいるような気がする。
……ん?人?
「お前そこにいると俺にぶつかるぞ!!!!!!避けろおおおおおおおお!!!!!!」
全力で叫んだつもりだが、聞こえていないらしく全く避けようとしない。
地面まで、残り数秒
「避けてくれえええええええええええ頼むうううううううううううううう!!!!!!」
女「今日は降ってきたのね。」スッ
「………ああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
女「ハッ!!」
「あああああああああああ……あ…あ…?」フワフワ
死んだと思って目をつぶっていたせいで何が起きたか分からないが、今は体が浮いている。と理解できる。
「助かった・・・?のか・・・?」
女「助けてやったのよ、感謝しなさい。」
「え、あ、はい、ありがとうございます?」
女「ふふん♪やっぱり感謝されるのは嬉しいねぇー。」
魔法使いみたいな格好をした女が掲げている杖が光っていて・・・それが俺に対して向けられている?
…ってか。
「あ、俺、生きてるんだ…生きてるんだ…!!!よかったああああああああああああ………。」
女「君はそういう反応するんだなー。結構普通ね。」
「…。」
「え、ってかなんだこれ?普通はこんなふうに浮かないよね?ってかその杖なに?ってかここどこ?君誰?」
女「ちょ、ちょ、一気に質問しすぎ!冷静になって!せめて1つずつにしなさい。」
いやいや誰だってこんな状況なら冷静に、なんてできないだろ普通。多分。
女「とりあえず降ろすわよ。いい加減疲れてくるわ。」
「あ、はい、どうぞ・・・」
女「いやいや、そのままだと頭から落下するけど、体勢整えなくていいの?」
「あ!待って!やっぱ待って!!!!」
女「早くしてよねーあと10秒ー。9ー。」
「えっ」
必死に体勢を整える。
………あれ?空中で体勢って整えられなくね?
「あの、空中で体勢を整えr」
女「はい0ー。」フッ
「ぐへぁ!!!!」ゴシャア
頭から落下した。首から変な音がなった気がする。
「いってぇぇぇぇぇ……。」
女「何か言いかけてたけど、なんて言いたかったの?」
「…いや、いいや………。」
女「そう?」
赤髪ショートカットの女が手を差し伸べてきた。
女「とりあえず、立てる?」
「お、おう…」
手を取り、立ち上がる。汚れたところを払い、面と向かう形になる。
女「さて、まずなんて質問だっけ?」
「あー…えっと………なんだっけ……。」
女「えー、もう忘れたの?もしかして認知症とかそういうの?」
「んなわけあるかい!」
んー………?
さっきはすごく疑問に思っていたはずなのに、もう忘れている。
まるで何か調べようと思ってブラウザを立ち上げたら何を検索しようとしたか忘れたような、そんな感覚。
でも普通は疑問に思うはずのことだったような…うーん……?
女「はぁ…。まぁとりあえず、そうね、こんなところで立ったまま話すのもあれだし、街に向かいながらこの世界のことについて、軽く説明するわ。その間に思い出したら質問でもしてよ。」
「この世界ってなんだよ…。」
女「あはは、まぁそうよね、普通そう思うよね。でもまぁさっき体験してもらった浮遊術である程度、ここが君のいた世界じゃないってことは理解してもらえたと思うけど。」
確かに。というかそうだ。それだ。
なんで浮いてたのか聞きたかったんだったな。
ここがどこか、とか、君は誰だ、とか。