ある少年の話
こんなものが手に入るなんて信じられない…
僕は引き当てた機械を手にベットの上に座っていた。
小学生の頃から数人のグループに苛められ、中学生になった今でもそれは続いている。
何度死のうか考えたか分からない。でもそんな勇気は僕には無かった。
そんな日々はこれで終わりだ。あんな奴らさえ居なければ…
次の日、僕は学校へと向かった。こんなに楽しい気分になったのは久しぶりだ。
教室に着き、誰とも話さずに席に着く。
暗くて無口な僕に話しかける人なんて誰も居ない。
全てはあいつらのせいなのだ。
いつも通り机にはゴミが入っていた。
落書きも酷い。
昼休み、僕はあいつらに呼び出された。
いつもなら「お友達代」としてお金を払う所だか、今日はそうでは無い。
この機械があるのだ。
「おい、お前今日は幾ら払ってくれんだ?」
「え、えっと…」
でもいざ目の前にすると何も言えない。
「まさか、無いなんて言うじゃないだろうな。無かったらどうなるか分かってるんだろうな」
そう言って僕を5人が取り囲む。今日はナイフを持っている奴も居るみたいだ。
またやられる。
咄嗟に目をつぶった僕は、ポケットの機械に触れて願っていた。
こんな奴ら死んでしまえば良いと。
しばらくして目を開けた僕はあいつらが死んで居ることに気づく。
本当に死んだ……
僕が殺しちゃったのか……
僕は機械を完全に信じていなかったのかもしれない。
死んで欲しいと願ったのは紛れもない自分自身だったから。