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10 僕

 目を覚ましたら、ひどく頭が重かった。少し夜更かしをし過ぎたのかもしれない。結局、昨日眠りについたのは午前四時少し手前だった。

 僕は近くに置いてある携帯電話に手を伸ばして、その画面を開いた。折りたたみ式の携帯なんて、もう僕しか使っていないだろう。買ってから一度も新しいものに変えていないから、もう六年近くになる計算だった。でも壊れたこともないし、まず電話もメールも最近しないから最新のものが欲しいとは思わなかった。時間さえ確認できれば十分である。

 画面の右上を見て、今が午前の十時であるということが分かった。曜日もついでに確認する。今日は水曜日であることも判明した。僕は自分の大学の時間割を頭の中に思い浮かべる。水曜は確か二眼と三眼に講義があったはずだ。でも十時三十分から始まる二眼にはもう間に合いそうになかった。まだ眠かったので、諦めて僕は二度寝に入る。

 次に目覚めたときは、一時だった。ちょうど三眼目の始まる時刻だ。結局それもサボってしまった。少しだけ罪悪感と自己嫌悪を感じたが、もう何度目か分からなかったので、すぐに気持ちを切り替えることができた。

 お腹が空いていることに気づいたので、僕は一階のキッチンへ行った。当然のことながら一階には誰もいない。みんなそれぞれ自分の居場所に行ったみたいだ。外にそれがあることが僕には羨ましかった。

 冷蔵庫を開けても何もなかったので、食器棚の下の戸を引っ張る。玄関と比べて、これは比較的開けやすかった。カップめんを一つ引っぱり出した。そしてやかんに水を入れ、火に掛けた。沸騰する間にカップめんのふたを開け、いろいろな封を切って、乾燥麺の上にかける。本来なら順番があるみたいだが、いちいちそんなものは気にしない。

 やがてお湯が沸いた合図が鳴る。火を止めて僕は熱湯を注いだ。そして部屋に持ち帰ってそれを食した。

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