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すると、「うおおああぁぁぁ!!」田口と修一が男に飛びかかっていった。
修一の得意戦法はタックルで押し倒してからのマウント。必勝パターンだった。これをされればいくら相手がタフだろうと必ず気絶していた。竜平は夏休みの間にこの彼の戦法を嫌と言うほど見たのだった。
「死ねやぁ!!」次の瞬間、修一が男にタックルをかました。男は勢い良く尻餅ををついた。
田口はそれに間髪入れずに蹴りを見舞った。ローキックが男の顔面に炸裂した。
それを見て、竜平も飛び込んだ。倒れた男の腹に強烈なスタンプを見舞った。
すると、修一が男の上に乗っかった。マウントだ。次の瞬間、男の顔面に拳の暴風雨がぶち付けられ始めた。
グシャグシャグシャグシャ。エグい音が規則的なリズムで発せられる。
グチャ。不可思議な音が響いた。液体を叩くような音だった。次の瞬間、竜平の目に恐ろしい驚愕の光景が突き刺さった。
マウントしていた修一の顔が半分に抉れていた。信じられない程の大量の血液が噴水の様に男の顔に降り懸かっていた。頭部の天辺からこぼれ出た脳味噌が床でプリンのように揺れていた。