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男の拳が竜平の右頬に深くめり込んだ。
拳は竜平の頬を突き破り、歯茎を破壊する。大量の血と共に飛び出した数本の歯が水溜まりの上に落ちた。顔面がねじ切れんばかりに弾け飛んだ。
が、竜平はそれでも止まらなかった。男の大きく空いた左わき腹目がけて最後の一歩を踏み込んだ。
「うあぁあぁああ!!」男は慌てて飛び退こうとするが、もう遅かった。
竜平が男の懐へ辿り着いた。それと同時に、八分目まで伸ばしたカッターナイフを左わき腹に深々と思い切り突き刺した。
カッターの刃は皮膚を裂き、皮下脂肪を突き抜けて小腸を抉り散らす。
信じられない程の激痛に男は大絶叫する。
さらに竜平はそこからカッターナイフを凪ぎ払った。
途端、横一直線に裂かれた傷口から小腸が湯気を立てて糞便の様に垂れ流れ始めた。