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「待てやぁぁぁあぁあ手前ぇぇぇぇぇぇぇえぇぇええ!!!!」目が覚めた。絶叫しながら竜平は起きあがった。
その場を去ろうとしていた男が振り返る。
「死ねぇぇぇぇえぇえぇええぇ!!!」すると、先程まで死んでいたと思っていた奴が全速力でこちらへ突っ走ってきているではないか!しかもその手にはカッターナイフ。
男はとっさに身構えて左ジャブを連射するが、あまりの突然の出来事に全て手打ちになってしまっていた。
そのジャブは全弾竜平に直撃したが、怒りと憎しみの権化と化した竜兵にとってもはやそれは小石同然だった。意にも介さずそのまま突っ込んでくる。
まずい。
男は思った。
今度こそ、足を地に着け、腰を回す。
左フックだ。
「おあああああぁぁあぁぁああぁあ!!!」男は半身になり、左腕を大きく振りかぶり、力を溜めた。
そしてその収束された力を一気に解放する。
吠えて、拳を振り出した。