21/30
２１
竜平は勘づいた。
左フックが来る。
まずい。大きく仰け反った今の状態じゃ避けられない。
竜平は素早く右腕を小さく畳んでそれを側頭部に持っていった。
今出来る精一杯の防御だ。
だが、
これを凌いだら今度こそ俺の番だ。
小さく舌なめずりをした。
フックは拳の返しが遅い。つまり、打った後の隙が大きいのだ。
竜平はそれを狙っている。
もうすぐ奴の拳が来る。
耐えろ！！
竜平は全身の力をガードする右腕に集中させた。
歯を食いしばる。
この一発を耐えるんだーー
設定
評価をするにはログインしてください。
0
0
0
0
0
