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MURDER OF  作者: 和菓子
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20

 だが、次の瞬間男がとった行動はーー

 後退だった。

 意表を突いた行動に竜平は一瞬戸惑いの表情を隠せなかった。


 これまで攻め続けてきた奴が後退するだと?!

 ーー右拳がシャカになったからだろうよ


 自分でそう結論づけると、出来た間合いを詰めるため再び前へ踏み込んだ。

 しかし次の瞬間、不意に竜平の顔面が男の出した左ジャブで弾かれた。

 「つあっ…!」口の中で鉄の味が広がった。

 と思った直後、また左ジャブが直撃する。

 竜平はたまらずたたらを踏んだ。

 それと同時に今度は男が踏み込み、間合いを詰めた。

 すると男は左拳を強く握りしめ、半身になった。

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