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とにかくこの公園から出ーー!
次の瞬間。
俺の右腕が背後から掴まれた。もがくがその腕はびくともしない。そして、聞こえた。
「何逃げようとしてるのかな?」
直後、掴まれた腕がいきなり後方に引っ張られた。
「うおぁっ!?」突然の出来事に対応できず、俺は為す術もなくバランスを崩された。
そしてそのまま遙か後方へ投げ飛ばされた。俺の体は空高く宙を舞い、出口と反対側のフェンスに叩き付けられた。
「かはぁっ…ぁ…っ!」声にならない呻き声を発し、地に落ちた俺は喀血した。地面に滴る血液はますます勢いを増していく豪雨によって留まる事無く流されていく。
「タバコを吸うからいけないんだ。子供がタバコを吸うからそうなるんだ。」すると、屈み込む俺の前方から不気味な笑い声が聞こえた。