第三話 「我々は魔女」
注意:この作品にはR15程度の「暴力表現」や「性的表現」があります。苦手な方はバックする事をオススメします。
この街、「スイートタウン」にある小さな教会。
そこに、とある「双子」に殺された…はずの一人の魔女は、血の通わなくなった腐った身体を置いて、生首の頭は独り言をしていた。
「あのクソガキっ…完全に私の身体と頭を切りやがって…頭しか意識が持たないなんてっ…!しかし私は魔女、頭しかなくても意識はある!!
早く、マリアを追わないと…あの大魔女に取られるっ…奪われる前っ……にぃっ!!
ぐぅっ!?お、お前はっ!!」
そこにはカメラを持った魔女がいた。
生首の魔女はそれを見て、頭だけ暴れるが、
その魔女に首を踏まれてしまう。
そして魔女の手には大きな布袋も持っていた。
「やぁ、おばさん?」
「誰がおばさんよっ!!
本当に礼儀がなってないわねっ……
……はっ!そっ、それよりも、大魔女は動いてるのかしら!?」
「そりゃ大魔女様だもの!動いてるさ!完璧にね!」
「くっ……なら話は早いわっ…お前のっ…その大魔女しか考えれないクソみたいな頭を取って、私の身体になっっっ……」
「ごめんね?大魔女様の命令なの。
おばさんたちは…ここで燃やされて死んでね?」
いつの間にか教会は沢山の油で撒かれていた。
生首の魔女の近くには大きな布袋が置かれ、その袋の入口の隙間からは仲間だったはずの魔女の頭と身体があり、口元には布で塞がれて、喋れないようになっていた。
その瞬間、二人の生首の魔女は「死」を覚悟した。
そして、魔女の手には炎の魔法が。
その炎が落ちると、
教会はあっという間に炎に包まれる。
魔女は嬉しそうに高らかに笑いながら教会を出た。
教会に残った、
哀れな生首の魔女たちは、泣き叫ぶ。
「そんなっ…私はまだぁっ…まだぁぁぁぁっっ!!」
そして…教会はニュースになっていて、エリカ様が黒魔術を使う魔女、というのも噂になり、教会は完全に燃やされ、何も残らず、跡地になっていた。
……と言うのを、盗撮してきた魔女に会った数日後、いつものお店、野菜のチョコレートを売るお姉さんから聞いた。
「ほんと怖い話よね〜、あのシスターさんが魔女だったなんて……」
「そ、そうですね……」
い、言えないっ!
ワタシはその魔女に殺されそうになったなんて…!
いや、まぁ言っても、言わなくてもいいのだけど…
…どっちにしろ、凄く心配してくれそうだし。
「あ、そうそう!マリアちゃん!今日は双子ちゃんはいないの?」
「あ、はい!仲良く寝てたので、置いてきました。」
「あらまぁっ、ふふっ!置いてかれちゃったのね、双子ちゃん…ふふっ、あっ!だからかぁ〜。」
お姉さんは嬉しそうにワタシの後ろの扉に「見て見て」と指を向ける。なんだろう、殺気を感じるような気がする。
「はい?っって!!ぎゃぁぁっ!!」
双子がとんでもなく怒った顔で、
ワタシの事を見ていた。
そして扉はバタンっとチョコレート壊れるような音ぐらい、大きな音で開けられ、そのまま双子はワタシに抱きついてきた。
「ふ、二人ともっ……」
「「マリアちゃん!!??/マリア!!??」」
「は、はいっ。」
「なんで逃げたの?」
「なんで置いてったの?」
目は本気だ、本気で怒っている目をしている。
怖いが、これはワタシには言える意見がある。
「いや、だって二人とも起きないんだもん!!逃げたわけじゃないし、どちらかと言えば置いてっ……」
「なんで!!起こしてよ!!」
「マリアってボクたちの事嫌いなの……?」
あぁぁぁっ!!もうこの双子はぁぁぁっ!!
ワタシはムッと怒って、双子を説教した。
「あぁーっ!もうっ!すぐ関係ない話をしないのっ!じゃ次は起きてよね!?ワタシ何度も起こしたし、身体も揺らしたし、音も鳴らした!!
でも起きない二人が悪いの!!いい!?」
「「…はーい/…は〜い」」
ワタシの言葉を聞いて、
怒ってた双子は塩を撒かれたナメクジのようになり、流石に反省したのか、しょんぼりとその場で正座していた。
「はぁぁ…もうぅ……」
「ふふっ、本当に仲良しなのね〜。」
「えっ!?な、仲良しですか!?」
「うん!オレたちマリアちゃんと仲良し!」
「うん、ボクたちマリアとずっと一緒!」
「そういうのいいからっ!もぉぉ…
…ほら、二人もチョコレート選んで!」
「「はーい/は〜い」」
「ほーんとっ、仲良しねぇ〜。」
双子がチョコレートを選んでる間、
ワタシはお姉さんとお話をしていた。
内容は「イベント」の話だ。
「それにしても…まだ続いてるのね、イベント…」
「ですね、まだ夜だから、何度寝ても、寝た感じがしないです…」
「分かるわぁ〜、しかも太陽が出なくなったから、野菜も育てづらくて大変なの!このままじゃチョコレートが売れなくなるかも…」
そ、そこまで影響が出るの!?
ここの野菜チョコレート、美味しくて好きだから売れなくなるのは悲しすぎる……っ!
「えっ!?困りますね、それは……」
「ね、ほんと困ってるの…「警察」や「ヒーロー」がいつも通り早く動けばすぐに終わると思ってたけど……思ったより時間がかかってそうねぇ…
…あっ!だからね?私の知り合いのフルーツでチョコレート作ってる人も、太陽の光がないから、全く育たなくて……少しの間、お店を閉めるって言ってたの……これじゃ小麦も育たないし、なんならカカオも育たなくなるしで……皆、大変そうなのよね……。」
これじゃ…
街中のお店、全部閉まってしまうぐらいの自体だ…
確かに今日は街に人がかなり少ないのを感じた。
皆、お菓子がないから家にいる事しか出来ないのだろう。
「……本当に大変ですね。」
「そうなのよ〜、だから、皆まとめ買いとかしちゃうから……ほら、実はここもチョコレート少ないでしょ?みーんな、買ってっちゃうの。」
「た、確かに…!」
「しかも大半は魔女が買っていくの、ほーんとっ!困るわぁ〜…本当はマリアちゃんと双子ちゃんに沢山、食べてもらいたかったんだけどねぇ…」
魔女が買うのか…確かに魔女なら魔法薬作って、
長生きしたい金持ちが欲しがって売るだらうから、
お金はあるだろうなぁ……
そうしてると、
双子はチョコレートを選び終えたらしい。
お姉さんの様子を見て、双子は不思議そうに見る。
「お姉さん、悲しいの?」
「お姉さん、困ってるの?」
「困ってるわよ〜そりゃっ!なんなら街中が困ってるわよ〜!
あ、でも…双子ちゃんたちにはこっそり余った材料で作ったチョコレートならあげちゃおうかしら…!」
そ、そんな事してもらっていいの!?
も、申し訳なさすぎるっ……!!
「えっ!そんな!お姉さんたちが困らないですか?」
「私たちは大丈夫よ!気にしないで持って行って!」
お姉さんは嬉しそうにニコッ!と笑う。
ワタシはその笑顔につられて、微笑んでしまう…
うぅっ、お姉さんの笑顔、ま、眩しいっ!!
うん…しょうがない……
……ここはお姉さんの言葉に甘えよう。
「じ、じゃ……お言葉に甘えます。」
「はーい!じゃ持ってくるから待っててね!」
「やったー!大好きなチョコレートだ!」
「やった〜!お姉さんのチョコレート!」
「もうっ…二人は遠慮しないんだから……。」
双子は嬉しそうにお姉さんを待っていた。
……そういえば、この双子とお姉さんたちの関係ってなんなんだろう…?
と思っていると、奥からお兄さんが出てくる。
あ、お姉さんと一緒にお店をやっている人だ…。
「なぁ、マリアさん。この双子はいつもこうなのか?」
「あっ、えっ?あーっ…は、はい。」
「うーん…たくっ…楽?樂?」
「「はーい/は〜い」」
「好きな女の子があまりにも可愛いからって、困らせるのは男として違うからな?そういう時は優しく大切に、絶対に守ってやるんだぞ?」
その言葉を聞いた双子は互いに目を合わせ、
何か納得したのか、お兄さんに目を向けて、
嬉しそうに、元気よく無邪気に返事をする。
「「はーい!/は〜い!」」
「よし、分かればよろしい!」
男にしか分からない謎の会話に、
ワタシの頭の中は「?」だった。
なんの会話なの?これ?
そうしてると、店の奥から大量のチョコを持ってきたお姉さんが帰ってきた。
そのチョコレートを大布袋に詰めて、
ワタシに渡してくれた。
「え、分かってるの?これ……?」
「ふふっ、本当に双子ちゃんは素直ねぇ〜。」
「素直……?」
「ふふふっ、そういえば…マリアちゃんって双子ちゃんの事、好き?私に、こっそり教えてっ?」
え、いやっ…普通に……
「こ、怖いので…好き……じゃないです……」
「あ、あらまぁ…」
お姉さんが「まぁ、まだ難しいよね〜」と微笑むと、それを聞いていた双子はすぐにワタシの方へ振り向き、とんでもない速さでワタシの背後に立つ。
「「え????」」
「えっ!?聞こえてるっ!?」
「マリアちゃん!!なんでオレたちの事、怖いの!?」
「やっぱりボクたちの事、嫌いなんだ…」
「いやっ!嫌いとは言ってないからっ!!!」
双子はワタシの腕に抱きつき、
ぜっっっっっっっっったいに逃がさない……
……と言う意志を感じる。
これが怖いって話なのよ…。
それを見ていたお兄さんは「おいおい〜」と言いながら双子に話しかける。
「コラコラ、楽!樂!だからマリアさんを困らせるんじゃないって言ってるだろ〜?男の約束はどうした??」
「だ、だってぇ…」
「マリアが…」
「男なら、好きな女の子に信じてもらえるように、誠実に、素直に、優しく接するんだぞ?」
その言葉を聞いた双子はまたお互いを見て、
理解できなかったのか、お兄さんの顔を見る。
「「例えば?」」
「例えば…そうだな、楽も樂も大人の年齢だ…そういう時になったら優しく愛でるように触っ……いっっっっだぁぁっ!!」
「コラーーっっっっ!何、双子ちゃんに教えてるのっ!!貴方だったのね!?双子ちゃんにそういう話を教えてたのはぁぁーーっ!!」
お姉さん激おこである。
何の話かは何となく察したけど、
ワタシには関係ないはず…と思いながら、
双子を見ると、じーーーーっとワタシを見ていた。
いや、なんで見てるの!?
と、思っているとお姉さん、奥からチョコレートを加工する為の鉄の板を持ってきて、お兄さんに襲いかかる。お姉さんって怒らせるとこうなるのね、これはこれでこっちも怖いな……。
「ま、待ってくれ!ちょっ、それで殴らないでっ!!許しっっっ………!!」
「許しませんっっ!!!」
「……何の話?」
「「………さぁ?」」
と、言いながら離れない双子。
この双子はこの話は理解してそうだった。
…うん、何もされない事を祈ろう。
その後、蜂に刺されたようにボコボコになったお兄さんと、笑顔で見送ってくれたお姉さんに挨拶をして、店を出た。
「…確かに、この辺のお店かなり閉まってるね。」
「あ、あそこのお店!好きだったのにー!」
「あそこも閉まってる…好きだったのに…。」
意外と他の店も行ってたのね、この双子……。
それはクッキーのお店や、アイスクリームのお店、
ケーキのお店、など、他にも行っているらしい。
それはそれで意外だが、
それはそれでこの街で生きているのを感じる。
そりゃそうだよね、
双子もワタシたちと同じ、生きてるもの。
ワタシもこの街で育ったから、
同じ物を食べているとは思っていたが、
双子の好きなお店は「流行り」…
…ってよりも「昔ながら」の店が多かった。
双子は昔からこの街に住んでいるのかな?
ワタシも昔から住んでいるはずなのに、
お互いの事、知らなかったなぁ…。
こんな事もあるんだ、と、思っていると……
「ん?ねぇ、二人とも。」
「「ん?」」
「あれ、魔女じゃない?」
「「ほんとだ」」
路地裏から深く真っ黒な服のフードを被って、
キョロキョロと周りを探している人を見つける。
何か魔女っぽいし、何か探してそうな様子……
……いや、魔女が探してるって事は?
いやいや!一瞬、ワタシの事を探してるのかと思ったけど、それはありえなっ……
「見つけたぁぁっ!!」
やっぱりワタシかっ!!??
と思っていると、双子はすぐにワタシの前に立つ。
手には血のような真っ赤なチェーンソー。
って事は、あの魔女は悪戯者!?
双子はワタシを守るように魔女にチェーンソーを向けると、魔女は満面な笑みを超えためちゃくちゃなドヤ顔で、ワタシたちに話しかけてくる。
「おい!そこの双子!知らないのか!?」
「「…何が?」」
「ふっふっふっふっ!!!私は……大魔女様に使える…強い魔女だぞっっ!!!!」
…ここで沈黙。
ワタシは何の話?と思ってボーッとしていたが、
双子はそれに対して大きな声で無邪気に笑いだした。
「えぇーー!?アハハッ!アハ、アハハハッ!キミが!?強いの!?」
「ハハハッ、ハハハッッ!ありえねぇっ!ありえねぇ!」
転げ回るぐらい笑う双子。
ワタシは言葉の理解に必死だった。
強い魔女?え、どういう事なの??
「な、な、な、なななぁぁーーっ!!??私は大魔女様に使える、つ、つっ、強い魔女だぞ!?泣け!怯えろ!逃げろ!」
「え、それってどういう意味なの?」
「はぁっ!?お前まで言うのか!だ、か、ら!私は強いのだ!!強い魔女だっっ!!」
「それは分かってるんだけど…ごめん、もうちょっとん考えさせて。」
「アハハハッ!!マリアちゃんまでそう言われてやーーんのっ!!おもしろぉーーいっ!!」
「ハハッ、ハハハッ!!馬鹿な魔女じゃん!ほんと救えない感じがする!!めちゃくちゃおもしろ〜〜っ!」
頭が宇宙のワタシに対して、双子は大笑い。
そんな様子に魔女は怒りを露わにする。
「はぁぁぁぁっ!!??くぅぅっ!!こいつらっ!許さん!!!あの人形は捕まえて、双子は殺してやる!!!
いけ!!爆破魔法っ!!!」
その瞬間、目の前に煙が出てきて、
ワタシの目の前には手が出てきて、
それは魔女の手だった。
ヤバいっ!考えてる間に動けなくて捕まる!
……と思っていた時、チェーンソーの動く音が聞こえた。
そして、煙の中、目の前で魔女は縦で真っ二つになる。
双子は魔女を殺したのだ。
ワタシはその場で動けなくなり、尻もちをつく。
そこに双子は嬉しそうな顔で、ワタシに手を差し伸べる。
「「マリアちゃん/マリア、もう大丈夫だよ。」」
「……あ、ありがとう…っ」
毎回助けられているが、
目の前で人が死んでいるのだ、怖くて仕方ない。
双子の手に掴まり、立ち上がると、
双子は嬉しそうにワタシに前から抱きついてきた。
これは…褒められたいのだろうか?
ワタシは双子の頭を撫でると、
双子は子供のように無邪気に嬉しそうに笑いながらワタシの顔に頭をスリスリしてきた。
本当に物凄く嬉しそうな声を出す双子を見て、
その姿が本当に子供みたい…とワタシは思った。
「マリアちゃんっ、マリアちゃんっ!」
「マリア…マリア……」
「わっ、ふ、二人とも……本当にありがっ…」
「もっともっともっと!撫でて!撫でて撫でてーっ!!マリアちゃん!」
「もっともっともーーっと…よしよしして、マリア。」
「わ、分かったっ分かったっ!よしよしっ…撫でるから……
……ん?」
今、魔女の死体が動かなかったか?
と、思った瞬間…縦半身の魔女は身体ごと、
手がワタシの方へ伸びる。
うそっ!?生きてるっっ!!??
ワタシは咄嗟の事に目を瞑る。
が、ボトッと何かが落ちる音が聞こえた。
地面には魔女の手。
魔女は片手が無い、半分になった身体で、
剣幕な顔でワタシたちの事を見ている。
これは…本当に許さないっていう顔だ…っ
ワタシがフラッと目眩をすると、双子は片手でワタシの事を支えて、その片手にはチェーンソーを双子は仲良く持っていた。
そのチェーンソーは魔女に向けていた。
あぁ、この双子も……
「「何、オレのマリアちゃんに/ボクのマリアに触ろうとしてるの??」」
……本気で殺す事しか考えてない、殺意の顔だ。
「このっ…この双子、何者なんだっ……!?」
「てかオマエさ、爆破魔法って言いながら爆破じゃなくて、煙を出す魔法を出してなかった?」
「なっ!何故っ、わ、分かってっ……!?」
「だってオレたち、怪我してないもん!」
「ぐっ、ぐぅぅっ!!!」
「「ほんと、強いって言い張っているだけ、だね/だな」」
「ぎ、ぎぃっ!!絶対にっ!!絶対にぃっ!!許さないぃっ!!!」
魔女は更に魔法で攻撃しようと手を向けるが、
それもチェーンソーで切り落とされてしまった。
いとも簡単に一瞬で切り落とされる魔女の身体。
バラバラになった魔女の姿を見て、ワタシはその光景があまりにも怖くて、身体が震えた。
それに気づいた双子はお互いにワタシを引き寄せ、ギュッと抱きしめる。その力は……優しく感じた。
…ワタシが怯えているの感じたのだろうか?
双子はワタシの顔を見る。
ワタシは双子の顔を見て動けなくなる。
あぁ、こんなに助けてもらっているのに、
優しく抱きしめられているのに、何故だろう?
何故、ワタシは……
「「マリアちゃん大丈夫だよ♡/マリア大丈夫だぞ♡」」
この双子が、怖いのだろうかっ…?
ワタシが怯えている中、
魔女は半身の状態でずりずり動き、
ワタシたちとは反対方向に逃げようとしている。
「逃げなきゃっ……殺されるっ……あの方に……大魔女様にっ……殺されるぅっ!!!
……はぁっ…!?お、お前はぁっっ……!?」
そこには別の魔女が突然現れた。
その魔女は近くのカメラを手に取り、
ワタシたちの写真を撮った。
ま、また盗撮された……
双子は魔女を睨みつけながらチェーンソーを構えるが、魔女はそれを無視し、バラバラになった魔女に話しかける。
「……また失態をやらかしたんですか?使えない魔女さん?」
「やめろっ!お前だけには殺されたくなっ…………」
「本当に使えない。」
半分になった魔女は、
突然、現れた魔女によって、
魔法の炎に焼かれて死んでいった。
「ぎゃぁぁぁぁぁっっっ!!!!」
そういえば……魔女って、炎で死ぬんだっけ。
昔の時代に、「魔女は魔女裁判により炎で焼かれて死ぬ」って書いてあったけ……?
ワタシが幼い頃に見た本で載っていた気がする…。
でも、幼い頃の記憶なんて、なんで今思い出してっ…うっ、また頭が痛いっ……
またフラッとしたワタシを、
双子は支えるようにギュッと抱き寄せた。
双子はそのまま、ワタシを抱き寄せたまま、
チェーンソーを魔女に向ける。
「あぁ、今は貴方たちと争いたくはありません。」
「「…………」」
双子はチェーンソーを向けたまま、
優しかった力は、強くワタシを抱き寄せる。
それを見た魔女は呆れた顔で話を続けた。
「…すみませんが、その人形を貰う事は可能でしょうか?」
その言葉の後、
双子は光がない目で、
怒りを露わにする。
「「はぁ???」」
「……そうですか、無理ですか。」
「アイツを殺そう、楽兄さん。」
「アイツを殺さなきゃね、樂。」
「ふむ…そうなると、ヒペリ様に報告だけしておきましょう……ここは私もやられては、どうしようも無いですし。」
魔女は杖に乗り、
高く飛んで、
そのまま去っていった。
楽はそれを追いかけようとしたが、
ワタシが狙われてる以上、樂は楽を止めた。
「あっ!!待てーーっ!!っ!樂!何をしてっ……」
「ダメだ、楽兄さん。マリアを置いて追いかけれないよ。」
ワタシは恐怖で腰が抜けるぐらい力が入らなくなっていた。その姿を見た楽は、樂の言葉に諦めて、かなり悔しそうにしていた。
「そ、そっかぁ…ううっ!何アイツ!いやーーーーなやつっ!!」
「ほんと…マリアに何の目的があるのやら…。」
「……ふ、二人ともっ………。」
ワタシは双子にずっと抱き締められていた為、
動けない事を言おうと喋ろうとした時……
双子はワタシの声を聞いて振り返り、
ワタシの事を見て、微笑む。
しかし、目には光はない。
「ねぇ、マリアちゃん?怖かった?」
「なぁ、マリア?怖かった?」
「え、いやっ…その前に二人で動けなっ……」
「「ダメ」」
「えっ??」
双子は抱き締めていたワタシを更に引き寄せ、持っていたチェーンソーを地面に置いたと思ったら、そのまま両手でワタシの事を抱き締めてきた。
と、思いきや、
そのままワタシの身体を服の上から触り始める。
「ま、まっっ!?何してっ!?やめてっ!!」
「どうやったら、マリアちゃんはオレたちのだって分かってもらえるかなぁ?」
楽はワタシの腰周りを触る。
「何を言ってっ!」
「どうやったら、マリアはボクたちしか触れちゃいけないって、理解してもらえるのかな?」
樂はワタシの胸元を触る。
「どこ触ってっ……るのっ!?」
「「ねぇ」」
双子はそのままワタシを挟み、
触ってない方の手はワタシを引き寄せて支えたまま、身体を触っていた手で、ワタシの頬を触る。
そして顔は唇と唇が触れられる寸前の距離だった。
「「マリアちゃん/マリア」」
「「オレたち/ボクたち」」
「「こんなに心から大好きなのに」」
「「なんであんな悪戯者が、
ずっと現れるんだろうね?」」
「「ねぇ、マリアちゃん/ねぇ、マリア」」
双子の目にはワタシしか映っていない…っ!!
「……ひぃっ…!」
ワタシは咄嗟に双子から離れて、
その場で崩れ落ちるように尻もちをした。
腰や足は動けず、完全に力が抜けている。
その恐怖は、無いはずの心臓がドキドキと脈に掴まれて、潰されそうなぐらい、一瞬、息が止まった。
そんなワタシを見て、
双子はワタシの高さまでしゃがみ、
ぎゅぅぅぅっと抱きしめてくる。
「「絶対にあんなヤツら、全員、殺すからね♡」」
なんで、ワタシはこの双子に助けられている?
なんで、ワタシはこの双子に執着されている?
なんで、ワタシはこの双子に…愛されている?
「じゃ、帰ろっか!マリアちゃん!」
「ボクがマリアを持つよ。」
「えーーっ!!ズルいっ!ズルいズルいっっ!!!オレもマリアちゃんを持ちたい!!」
「楽兄さんは、このチョコレート持って。」
「ぐぅっ!お兄ちゃんだから譲るっ!!チョコレート持つっ!!樂ー!途中でオレと交代してよねっ!!」
「は〜い。」
動けないワタシをお姫様抱っこをする樂。
楽はさっき買った野菜チョコレートを持って、
嬉しそうに森の中へ、
廃墟のアパート、家まで帰った。
ワタシは誰から必ず命を狙われる。
それは、昔からだった。
それは、今も続いていた。
なんで、ワタシは一体、何をしたのだろうか?
なんで…ワタシはいつも、こうなのだろうか?
ワタシが何をしたと言うんだ。
ワタシの何が特別なのだと言うんだ。
ワタシはなんの為に生まれてきたと言うんだ。
あぁ…頭が痛い…っ
何かを思い出す度に頭痛がする…おかしい、人形だからしないはずなのに……凄く頭が痛い…苦しいっ…そして双子を見ると、不思議な気持ちになる。
まるで、懐かしいような……
……い、いや……これは気のせいだろう。
頭痛に苦しむワタシを見て、樂は不安そうに見つめてくる。
「マリア…大丈夫?」
「うん…大丈夫。」
「………」
樂、何か思ったのかな?
楽はいつも通りだが、樂は何かを思ったらしい。
何を思ったかは分からないが…。
ワタシは双子と共に時間を過ごし、
そして、今と囚われ続ける。
これは、永遠に、ずっと、これからも……
……この双子に。
とある小さな街、
その街の奥には目立つような大きな屋敷がある。
一人の魔女がその屋敷に入り、奥まで行くと、
大きな儀式をしようとしている魔女がいた。
「ヒペリ様」
そう名前を呼ばれたマカロンのような可愛い若く美しい魔女は、嬉しそうに微笑む。
「んふふっ、行ってきたの?」
「はい、あの使えない魔女の処理をしに。」
「ありがとう〜!助かったわ〜っ!ほんとあの子使えなかったもの!で、で!あのお人形さんは、あの街にいたの!?」
「いました、が……厄介な敵もいまして。」
「なぁになぁに?」
「……双子の快楽殺人鬼です。」
魔女がそう言いながらカメラの写真を見せる。
マカロンのような魔女は笑ってない目で微笑む。
「…………ほんと、厄介ね。」
「はい、なので……こうして…… ああすれば……あの人形だけ連れてこれるかと。」
「んふふっ!それは名案ね!流石、私に使える魔女ね!そうでなきゃっ!!あははっ、あははははっ!!!」
「……全てはヒペリ様の仰せのままに…。」
小さな街に鳴り響く魔女の笑い声。
街にいる魔女たちはその声に怯えて生きていた。
そうして、夜は終わらない。
四話へ続く。
四話は9/22の月曜日に投稿します。
最後まで見ていただき、ありがとうございました。




