プロローグ
【2036年 12月24日 23時59分】
世界を......いや、平和ボケしていた日本を震撼させたのはたった一つの大きな事件だった。
地球温暖化による気温の上昇。
防衛費とか言って税金をさらに上げた。
国民は物価の高騰と、上がらない給料に不満を漏らしながらも、何とか頑張ってきた。
愛する者のため。
政府は国民の事など一切考えず、搾取するばかり。
一番......金を必要とする下の人間には全く行き届いてない。
その中でも、何とか保ってた。
みんな......全員が全員何とか自分を騙して、毎日を生きてきた。
平和だった数年を数十年を......たった一回で、たった一日で破壊されたのだ。
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同日同刻
東京都 墨田区 展望塔内部
「営業停止......理由は言えない。それが、正体不明の箱なんて、誰も思ってもないよな」
銃を構えながら歩く複数人のうちの一人が、そう呟いた。
「だよな、でも、まさかクリスマスイブを狙うとはな。あれ、明日だっけ?」
「そんなことどうでもいい、このまま放置すれば、大勢の犠牲が出るかもしれない、俺らの任務はただ確認して、安全を確保することだ」
「了解」
その声と共に慌ただしい足音が闇の中で響き、銃につけられたフラッシュライトが壁と床を這う。
「探せ!散開して、必ず見つけろ!」
同日同刻
東京都 港区 観光塔周辺
「通報があったのはここだな」
「はい......確かタワーの脚に......」
赤くそびえたつ観光塔を見つめる隊員たちは、目の前の真っ黒な箱を見て息を呑む。
正体不明の何かは複数存在し、異様な空気を醸し出していた。
「これですか......」
「こんなにあるなんてな......」
隊員はその光景に愕然し、絶句した。
光景......いや、絶望に。
同日同刻
大阪府 大阪市 橋の下
「何か見えるか⁉︎」
「暗くて見えない......多分この辺り......」
そうして何人かの隊員がフラッシュライトを水中に当てる。
そうして、見えた影を複数確認した。
「水中!隊長、水中です!」
「どうしますか隊長!」
同日同刻
東京都 渋谷区 大型交差点
「何、警察?」
「でも銃持ってるよ?」
「なんかのイベントかな?」
そう言いながら、街中を歩く人々は奇怪の目を向けていた。
この国は基本、平和だった。
誰もが笑って過ごせるくらいには。
そして......
【2036年 12月25日 0時】
東京都 墨田区
暗い空が一瞬だけ明るくなる。直後、轟音と共に展望デッキが砕け散った。
瓦礫が舞い、降り注ぐ。
周りにいた群衆の叫びをかき消すように、瓦礫が建物を破壊し、車両を押しつぶした。
中にいた隊員は即死......声を出す暇もなかったとされている。
東京都 渋谷区
独りの男性が、人の溢れる交差点の真ん中に佇み、にやりと笑った。
それと同時に轟音と共に爆発が広がり、あたりを焼いた。
この時まで、誰も気が付けなかった。
東京都 港区
赤い閃光と共に金属がうなる。
支柱に縛り付けられたものが次々と爆発を起こし、その衝撃と熱風は観光塔の支柱を溶かし、ねじ切り、文字通り倒れた。
人を押しつぶし、家屋を押しつぶし、車両を押しつぶした。
二次災害のように周りが爆発し、火の海に包まれる。
大阪府 大阪市
水中が赤く光り、水しぶきが高く上る。
覗きこんでいた隊員は死亡......橋は崩落し上にいた人間は川に転落。
その後、落ちてきた瓦礫と共に川に沈められた。
これが始まりの記録。
【2036年 12月25日 0時3分】
たった数分で、日本は地獄に叩き落とされた。
その後の公式の発表では......死者は四千人を超え.....重軽傷者は計り知れない数にまで達したという。
そしてこれがすべてを変える事件となる。
こんにちはこんばんは!
初めましての方は初めまして!鬼子と申します!
本日、11/3から新連載を始めました!
全ての都道府県が出るかはわかりませんが、読者様のすむ都道府県がでたら、喜んでください!(願望)
終わりの見えない新作ですが、よろしくお願いいたします。




