68/71
2025/09/10[わたしの夢]
夢を見た。
わたしと先生が一緒に暮らしている夢だった。
特にただ一緒に暮らしているだけで、まるで家族のようだった。先生のタイピング音が響く部屋で、わたしはのんびりと読書をしていた。学校も社会もない、なにもない。
たまに先生と自分にコーヒーを淹れて、先生の書棚から気になる本を取って読む。そして先生の初稿を読ませてもらう。そんな素敵な夢だった。
そんな夢をずっと見ていたくて、わたしは目覚めたくないと願う。例えもう夢だとわかっていても見ていたかった。
「あーあ……」
幸せな夢を見たあとは現実が残酷なくらい冷たく感じられた。
目覚めたくなかったなあ。ねえ、先生。