一日一短編

2025/09/07［精神科］

　精神科のカウンセリングも何年も通えば数分で終わる。最近どうですか？　まあまあですね……。

それだけ。

　精神科は薬をもらいに行くところ、誰に何も話しても日常は変わらない。由愛は知っていた。会社でもどこでもそんな役回りをしていると思う。きっとそういう星の元に生まれついてしまったのだろう。最近はもう諦めもついてきた。

　二十代半ばで何言ってるのと言われそうだがもうそういうものなのだ。死にたいが怖い

。

ひとりぼっちの狭いアパートで本を読むか映画を観るかして孤独を誤魔化してる。ご飯は食べたり食べなかったり。人間少し食べなかったくらいじゃ死んだりしない。

　ベランダで煙草を吸って、それで呼吸した気になってるわたしは痛いやつで、世の中の自分磨きしてる女の子たちが正義なんだって。

わたしはなににもなれない人生をこのまま続けてなんになるんだろう。由愛は名前と違って夢もなく、この世界を生きているの。