一日一短編

2025/09/05［わたしと買い物］

　白いブラウスに、チェックのマキシスカート。裾がレースでかわいい。ブラウスの方もところどころにレースがあしらわれていてとってもかわいい。けど、私向きじゃない、気がする。

　わたしは普段ショートパンツにティーシャツを着てることが多いかも。ストッキングにスニーカー。先生の部屋に行くときも、取材についていくときも、なんとなく気楽なのだ。

可愛い服も着てみたいけど、らしくないと言われそうでなんとなく手が伸びない。服屋さんにいたはずなのに、足は書店に向かっていて、先生の著作の棚の前にいたりする。

すべての著作を持っていても、わたしは先生の売り場に来るのが好きだ。また出会える気がするから。

　書店の横にあったファンシーショップに入る。かわいいが押し寄せてきて少しだけ圧倒される。わたしは普段ポニーテールなのでシュシュでまとめているけれど、ちょっと気分を変えてピンク色とかにしようかな……、と思っていたわたしの目に、黒いレースのリボンが目に写った。シュシュに、リボンを重ねたらおかしいかな？

わたしはそのリボンから目が離せず、結局お会計していた。