2025/07/05[先生とわたしとアイス]
お仕事疲れました……、短すぎる……
夏の照り返しがアスファルトを熱くする。
お風呂あがりのわたしの濡れた髪を太陽が乾燥させていく。
徒歩五分のコンビニに行くのには着古したTシャツ、短パン、サンダルで十分で、わたしは何も考えずに涼しさを求めて店内に入った。
「あ、こんにちは」
「げ、先生」
イヤフォンを外して、呟く。
どうせ会うなら、もっと可愛いカッコのときが良かった。アイスを求めて出てきたわたしが悪いのかも。
さっきまで暑さで沸騰しそうだった頭が冷えていく。
「先生はお昼ご飯ですか?」
先生は冷凍ケースから氷のカップを取りながら答えた。
「アイスコーヒーと煙草。暑いけど煙草がないと耐えられなくて。こどもだから」
「意味分かんないです。こどもは煙草を吸えないし、先生がこどもならわたしはどうなるんです?」
先生はわざとらしく考えた。
数秒の沈黙がわたしの胸をざわつかせる。
「うーん……、おこさま……?」
「おこさま……?」
ランチか?
たしかにわたしは胸もなく背も高くないけれど。
「まあいいや、アイス買うの? 特別に奢って差し上げよう」
「やったー!」
お子様なわたしはたったそれだけで簡単に機嫌を直せてしまう。現金なやつなのだ。