2025/07/31[日記、わらしべ]
少し田舎の街に来るとなのか、500円の料金プランだからなのか、わたしのサブスマホらしっかりと電波が来ていても全く繋がらない。Twitterは読み込めても画像は見れない。
母の病院の待ち時間はひどく退屈だ。それが月末ともなればお金もなければギガもない。できることといえば車でエンジンをかけてクーラーで冷やしながら本を読むか、なにか書くかだ。
見上げる限り雲のない青空が恨めしくなってくるほど、天気がよく、気温もうなぎ登りである。全く人間が生きていていい気温じゃない。
家出したいなと、文子は小さくため息を吐く。車と、それからほんの少しの現金と、まだ読んでいない本を何冊か持って。売れそうなガラクタを車に詰めて、色んなところで売ったり、物々交換して生きるのだ。なんて楽しそうだろう。
昔から物々交換に夢があった。それが強くなったのはわらしべプロトコルを読んでからだ。
アニメ氷菓の15話、原作、クドリャフカの順番で出てきた言葉だ。あのアニメは素晴らしかった。わたしもあんなふうに誰かと物々交換してみたいと思いつつもまだ出来ていない。
いっそ、小説の中でなら物々交換してもらえるだろうか? たとえばわたしの持っているいらないスマホ、Rakuten miniを、あなたのなにかと交換してもらえたり?
小説だけど、現実が混じる。そんな世界に生きていたい。