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6、ギルドで絡まれたら

閲覧感謝です!


それから俺は少年の情報をもとに冒険者ギルドへと向かった。

街の至る所に冒険者ギルドの場所を示す看板やポスターなどがあった事で初めてでも迷わずに来ることができた。


「ビルかよ…」


冒険者ギルドの外観はビルと見間違えるほど巨大で他の建物とは明らかに違っていた。異世界らしいというよりはちょっと近代的過ぎる気もする。

これだけでこの街が冒険者という職業に力を入れている事はよーく分かった。


中に入ってみると内装は外観と違って思ったより普通だった。実際の所アニメとかでよく見るイメージ通りのギルドって感じだ。結局は見た目重視ってことかな。


「あの、すみません」


「ようこそ冒険者ギルドへ!本日はどのようなご用件でしょうか?」


「冒険者になりたいんですけど…それって可能ですか?」


「登録ですね。でしたらこちらに記入をお願いいたします」


美人な受付嬢さんのハキハキとした丁寧な説明を受けながら俺は必要事項を記入していく。

それにしても言葉が分かるどころか、知りもしない文字まで当たり前のように書けるとは。異世界補正って不思議で便利なもんだ。


「すみません。あの、これって」


「ご自身が得意な武器や能力をお書きいただければ問題ございません」


そうは言ってもな、俺の武器といえば油。得意な能力も油だ。これを正直に書いて果たして信じてもらえるとも思えないが…

ま、丁度いい嘘も思いつかないし取り敢えずは正直にっと。


「書けました」


「それでは確認いたしますね。お名前はユウジロウ様。固有能力はオイルマスター?…。で、得意武器はあ、油?あの、申し訳ありませんが真面目に書いていただけますか?」


ですよねーー。だと思ったよ。


「あの、一応全部本当なんですけど」


「ではオイルマスターとはどんな能力なんです?」


さっきまでの彼女とは完全に俺の見る目が変わった。新規のお客様から厄介な不審者に格下げだ。


「えっと、右手から油を出して左手で油を固めます」


どうしよう。どんどんと彼女の顔が険しくなっていく。


「じゃあ、油を武器にどうやって戦うわけ?」


もうタメ口だよ。確実に舐められてるな。


「それはまぁ、相手を滑らせたり、燃やしてみたり、そんな感じですかね」


「ふざけないでください!私だって暇じゃ無いんです。嘘を吐くなら吐くでもっとマシな嘘を考えてきてもらえます?」


周りの連中も俺を見て笑ってやがる。


「おい見たかあのオッサン。得意武器が油だってよ」

「聞いた聞いた。本当笑えるよな」

「油なんかでモンスターが倒せてたら俺達苦労しないっつーの」

「ここは冷やかしで来るところじゃねえんだ。オッサンはさっさっと帰りな!」


くそ。聞いてりゃ好き勝手言いやがって。ここまで言われると流石にちょっと頭にくるな。


「そういう事ですからお帰りください」


「いや、ですから嘘は吐いてませんって」


「だったらそれが嘘じゃないって証明できるんですか?出来ませんよね?」


「出来ます」


「は?」


こうなったらコイツら全員ギャフンと言わせてやる。揚げ物は最強。それを作れる油も最強だってこと、俺が証明してやるよ。


「俺がモンスターを倒せるってことを証明すればいいんですよね?」


「ええ。まぁ、でも無理でしょ」


俺はバッグから取り出すふりをして【フリーズボックス】からパックラビットを一体持ち出した。


「これでいいですか」


「え……真っ黒だけどこれってパックラビット?」


「それモンスターですよね?だったらこれで俺に倒せる力があるって証明できましたよね?」


「何言ってんだオッサン!パックラビット一体ごときでモンスター倒した気になってんじゃねえよ」

「そうだそうだ。パックラビットなんてな冒険者だったら誰でも倒せんだよ」

「それにお前が倒した証拠なんてないしな!」


「じゃあ何体だったら満足してくれますか。10体?100体?それとも1000体?」


「バカ言え!そんな倒せるわけねぇだろ!」

「パックラビットってのは群れの数が多くなるほど強さが増すんだよ!」

「1000体なんて数にもなればその脅威はAランク以上に匹敵するんだぞ。冒険者でも無いオッサンが倒せる訳ないだろ」


へぇー、ゴロツキって結構物知りなんだな。勉強になった。


「じゃあそれを倒せる俺の強さはAランク以上って事になりますね」


俺はバッグから次々とパックラビットを取り出しカウンターに並べていく。


「ちょ、ちょっと…」


「このカウンターの広さじゃ乗り切らないな〜。仕方ない直置きでいいや!」


○次元ポケットみたいにバッグからどんどんと出てるウサギ達を見て周囲は完全にドン引きしている。


「な、なんだよアレ!?……」

「まさかあのバッグ。何でもしまえるっていううわさのワンダーバッグか?」

「なわけないだろ!ワンダーバッグは超高級品だぞ。あんなオッサンに買えるわけがねぇ!」


こんなおっさんで悪かったな。


「…よし。これでひとまず全部かな」


天井につくほど山積みとなったパックラビット達の亡骸に周囲は騒然としている。


「これ、本当に全部アナタが?」


「ええ。もちろん」


「嘘ですよね?嘘に決まってるわ!」


「だから嘘じゃありませんよ」


「きっと知り合いの凄腕冒険者者かなんかの力を借りたんでしょ!他人の力に頼った成果じゃ力の証明にはならないわよ!」


まだ信じないか。だったらダメ押しだ。

これでこれだけ驚いてるならアレを見せたらどうなるんだろうな?


「フフッ……」


「ねぇ、何が面白いのよ?」 


「失礼。つい想像してしまって……少し場所を変えませんか」


「はぁ?」


「ここじゃちょっと狭すぎるんで」

ここまで閲覧頂き誠にありがとうございます。


よろしければブックマーク、評価を頂けると、とても励みになります!


少しでも「面白そう!」「続きが楽しみだ!」


などと思っていただけましたら、下↓にある【☆☆☆☆☆】から、

ポイントも入れてくださるとめちゃくちゃ嬉しいです!


次回もお付き合い頂ければ嬉しい限りです。


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