41、チートでも出来ないことはある
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「ミレーユ!!」
「ママ……」
慌てて家に戻ったセレイア。寝室にはまだ幼い少女が病に侵され項垂れていた。
「シルファ!何があったの!?」
「分からない。急に様子がおかしくなったの…私の治癒魔法も一切受けつけなくなって、このままじゃ」
「こんなに早く病が進行するなんて……」
「ママ……くるしいよ……」
少女は胸が裂けるよな苦しみに耐えながら必死に母親の手を握る。
「大丈夫。ミレーユは必ずママが助ける。だから、だからもう少し頑張って!」
「セレイア!」
「お姉ちゃん!……」
メルディア、そしてユウジロウ達もセレイアの元に辿り着いた。
「この子、もしかして……」
「うん。私の娘ミレーユよ」
「セレイアに娘が…でも驚いてる場合じゃ無さそうですね」
直ぐに状況を察したメルディアはミレーユの元に駆け寄ると治癒魔法を唱え始める。
「この為に私を呼んだのでしょ?だったら助けるに決まってる」
「お姉ちゃん。ありがとう……」
治癒魔法を唱え初めてから数分が経過した。普通ならそろそろ何か効果が現れてもいい頃なのだが一向に、彼女の顔色すら変わる気配が無い。
「治癒魔法が弾かれてる……?」
「そんな……お姉ちゃんの治癒魔法でも治せないの!?」
「だからって諦めるわけないでしょ」
すると、緑色に光っていた魔法の輝きがより純度の濃い澄んだ緑色に染まる。
「弾かれるなら弾き返せないだけの力を込めればいいの」
「色が変わった……見ているだけで不思議と体が癒された気がする」
「アレがギルドマスターの固有魔法メディックですわ」
「メディック?…」
「切断された肉体の再生や機能を失った臓器の機能回復など。他の治癒魔法でも治せない病すらなんでも治してしまうという、これぞなんでもありな治癒魔法ですわ」
「おいおい、何でも治すってそれってもはやチートだろ……」
そういうのって普通は異世界転生で転生者が手に入れる類いの能力じゃないのか?ここにいる肝心の転生者が手に入れた能力とは大違いだ。
「チート?」
「卑怯な程強力な能力だってこと」
「あーなるほど。それなら確かにアレはチートですわね」
「だろ?」
治癒魔法の濃い緑の光がミレーユを包み込む。
「なんて濃い治癒魔法の輝きなの!?こんなに美しい色治癒魔法が得意なエルフでも見た事がない」
「これがお姉ちゃんにしか出来ない治癒魔法……」
「あっ、顔色が良くなってきた!」
「ミレーユ!」
ようやく治癒魔法の効果が現れた。これでミレーユは助かった。
その筈なのだが……
「……」
「どうしたのお姉ちゃん?」
「これ以上回復する様子が無いの。全く手ごたえが無い……」
確かにミレーユの顔色は良くなり最初の頃に比べれば容態もはるかに良くなっている。しかしそれは峠を抜けただけに過ぎない。
例えるのなら物凄く辛いラーメンが辛いラーメンに変わっただけ。辛い料理が苦手な人にとってそこに大きな違いは無い。つまりまだ彼女は変わらず苦しみ続けているということだ。
「ミレーユ!」
「なんで治すことが出来ない?これがなにかの疫病なら効果に問題は無い筈なのに……」
初めての状況に頭を抱えながらも必死に原因を考えるメルディア。
「ママ……」
「大丈夫。大丈夫だから!」
そんな大人達の様子を見て不安になったのかセレイアの手をギュッと握るミレーユ。それをセレイアも優しく握り返す。
「まさか!でもそうだとすれば全て説明が付くけど、だとしたら…」
「何か分かったのお姉ちゃん!」
「……もしかしたら私達は大きな勘違いをしているのかもしれない」
「勘違い?」
「これはきっと疫病じゃない。呪いだ」
「呪い!?」
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