第1話
私とあなたの2年間。長いようで短かった。いろんな感情があったけど、まさかこんな形で終わるなんて、思ってもいなかった。
3年前、地元から遠く離れた大学に進学し、2年生になったタイミングで仲の良かった友人がみんな留学や休学で大学からいなくなってしまった。その時付き合っていた彼氏も留学で遠く離れた地に行ってしまい、自然と気持ちも離れて別れてしまった。
日常に刺激が欲しいタイプの私は毎晩クラブに繰り出したり、そこら辺の男と寝たりして、大学にもあまり行かなくなり「最悪」と言えるような生活を送っていた。
でも自分にとってはそれが「最高」で、友樹さんと出会ったのもそのタイミングだった。
2年前の5月、私が酔っ払って繁華街の路地で潰れていたところを友樹さんに助けてもらった。あまりその日のことは覚えていないが、気づけばホテルにいたのを覚えている。目が覚めて隣を見るとそこには友樹さんがいて、なんだか嫌になってホテルを先に出た。
その日の夜、スマホに1件の通知が届いた。名前を見ると「壁下友樹」の文字があった。
[先でたの全然気づいてなくてびっくりした!!]
[ありがとうね!]
必死に顔を思い出し、なんとなくかっこよかったことを思い出す。
〈こちらこそありがとう!また暇な時声かけてね!〉
[じゃあ金夜は?]
〈いいよ〜〉
あっという間に次の約束が取り付けられてしまった。