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小林有理化•怪盗リン シリーズ

闇夜に舞う怪盗リンー秘密と宝石ー

作者: 茶電子す

新シリーズです。

街の灯りが薄暗く煌めく夜。ボク、怪盗リンは仮面の下に隠れ、静かに影を踏み出す。あの輝く宝石を手に入れる時が迫ってきた。小林有理化という名の中学生探偵が、真実に迫ろうとしているというのだ。


宝飾店の裏側を探り、宝石が保管されている場所を確認した。目当ての宝石は1億円相当。ただの贈り物ではない。被害者である堀田真吾が、宝石を盗み、美緒という令嬢から奪ったものだというのだ。


美緒という女性は、堀田によって家族と名誉を奪われ、復讐のためにボクに手を貸すことになった。彼女の悲しみと怒りは、ボクに勇気を与える。


煌めく宝石は、ボクが求める輝きだけでなく、その背後に潜む真実も含まれている。有理化はボクの正体を知り、真実を追い求めている。だが、ボクの目的は単なる復讐ではない。


"小林有理化、君の頭脳を利用させてもらおう。君の探偵力が、美緒に仕掛けた罠を解き明かす手助けとなるだろう"


そうボクはつぶやきながら、有理化を追いかけることに決めた。彼女は確かに頭の良い少女だ。ボクにとっては初めての協力者であり、ライバルだ。


有理化の痕跡を追い、やがてボクは彼女と対面する日が訪れた。ボクの犯行現場に現れた有理化は、一見幼い少女だが、その眼には鋭い観察力が宿っているのがわかった。


"君が怪盗リンだね。私は小林有理化。君の真の目的は、堀田真吾に復讐することなんでしょう?"


有理化の冷静な声がボクの心を揺さぶる。彼女はボクの真の目的を看破しようとしている。だが、ボクも彼女のことはよく知っている。


"君はなかなかの頭脳の持ち主みたいだね。でも、ボクの目的はただの復讐だけじゃないよ。それに、君が探偵だとわかったからには、今回の依頼を受ける前に君のことも調べていたよ"


ボクのこともよく知っているという有理化の言葉に、ボクは微笑む。彼女はボクの行動や過去を把握しているようだが、それがボクの計画を台無しにすることはない。


"リンさん、あなたが欲しいのは私の協力ですか?"


有理化の提案を受け、ボクは頷いた。


"そうだ。君の頭脳を借りて、堀田を追い詰めたいんだ。その代わり、美緒のことは教えてやるよ。彼女がどんなに惨めな状況にあるか、目の当たりにしてもらうことになる"


有理化と手を組むことで、ボクはさらなる復讐の機会を手に入れる。彼女の頭脳を利用し、美緒を追い詰めることができるのだ。


数日後、ボクは有理化と共に堀田に対する罠を仕掛ける。有理化の頭脳とボクの計画が交差する中で、事件は進展していった。ボクは堀田に復讐を果たさせることができた。


堀田は自らの罪を認め、涙を流す姿を公の前に晒した。美緒の名誉は回復し、彼女は新たなスタートを切ることができた。


事件の解決後、有理化はボクに向かって微笑みかけると、静かにその場を去っていった。ボクの正体は知られず、彼女の頭脳もボクに利用されたとは気づかない。


"ありがとう、有理化。君の力がなければ、これほどの復讐は果たせなかった"


ボクはひとりつぶやく。有理化の力を借りて、ボクの復讐は成功した。だが、ボクの心にはまだ満足感がなかった。彼女にはわからない。ボクの真の目的は何なのか。ボクは怪盗リンとして、影で闘い続ける。その秘密を秘めたまま、ボクは次なるターゲットを探し始めた。復讐の快楽に取り憑かれた心が、新たな獲物を求めて蠢き始めた。


ある晩、ボクの耳にひそかな噂が漂ってきた。それは、伝説の宝石「氷の涙」の存在だった。この宝石は、あらゆる宝飾品の中でも最高峰と謳われるもので、その輝きはまるで氷に閉じ込められた涙のようだと言われていた。氷の涙は、悪党たちの間でも伝説として語り継がれ、その真価を知る者はほとんどいないという。


その宝石を手に入れることがボクの新たな目標となった。だが、情報は限られ、宝石の所在も謎に包まれている。そんな中、有理化の存在がボクの思考をかき乱す。


"彼女はボクを利用している……それとも、ボクが彼女を利用しているのか?"


思わず首をかしげてしまう。有理化との関係は複雑だが、ボクにとっては新たな刺激となる。彼女の頭脳に勝るものはないが、ボクは自分の手で氷の涙を手に入れ、誰にも渡さないと決意した。


氷の涙の手掛かりを追い求める中、ある謎の組織からの依頼が舞い込んだ。それは、宝飾店に展示されている氷の涙の偽物を盗むというものだった。偽物を盗むだけでは足りない。本物の所在を突き止め、ボクが真の氷の涙を手に入れるきっかけとなるかもしれない。


ボクは有理化には何も知られぬよう、静かに事件に潜入した。偽物の氷の涙を手に入れることは容易だったが、本物の行方はなおも不明だった。謎めいた組織は手掛かりを隠しているようだ。


有理化とは、互いに友敵関係にあるが、彼女の頭脳とボクの機転が合わされば、今度こそ本物の氷の涙を手に入れることができるだろう。しかし、ボクはそれだけでは飽き足らず、彼女の真の目的を暴き出したいと思っていた。


やがて、ある重要な情報がボクの手元に届いた。氷の涙の所在が明らかになり、有理化との共闘が不可欠な状況に追い込まれた。彼女と共に本物の氷の涙を手に入れ、その美しさと力に酔いしれることができるだろう。


有理化との協力は難しい決断だったが、ボクには彼女の力が必要だった。ボクたち二人の頭脳が合わさるとき、それは新たな伝説を生むだろう。


"有理化、ボクの秘密を知ることなく、氷の涙を手に入れる。それがボクの条件だ。いいか?"


ボクは有理化に対して厳しい条件を突きつける。彼女の信念が試される瞬間である。


有理化は瞬間に葛藤したが、最終的にボクの提案を受け入れた。彼女の目には、新たな決意が燃え盛っていた。


"それでいいわ。氷の涙を手に入れたら、私は私の真の目的を達成する。あなたの秘密を守る代わりに、私にも協力して欲しいの。合意ね"


その瞬間、ボクたちは心の中で契約を交わした。互いに信じ合うことで、ボクたちは新たな戦いに挑むのだ。


次なる事件、氷の涙の行方、そして有理化の真の目的。これらの謎がボクたちを待ち受ける未知の領域へと導く。


それは、闇夜に舞う怪盗リンと、天才中学生探偵小林有理化の新たな物語が幕を開けるときであった。

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