第1章 覆われた未来
第1章 覆われた未来
平穏な日常は突然にして終わりを迎える。それはあくまでフィクションの世界だけの話だと思っていた。
俺はどこにでもいる普通の高2男子...のはずだった。
ある日、俺は不思議な夢を見た。毛むくじゃらの王様みたいなのが目の前に座っており、周りには何もない不思議な空間だった。
脳内に直接声が響く。
『おめでとうございます!あなたは選ばれし者として望み通りの種族に代わることができます!』
「は?」
思わず口に出た一言。だって意味わからないもん。
『だーかーらー、なんかなりたいもん言ってくれたらそれに変えてあげるって言ってんの』
急に態度変わるじゃんこいつ...まあどうせ夢だし適当に言っとけばいっか。
「自由そうだからネコになりたーい」
『承知しました!ネコですね!それーっ!』
目の前がだんだん白くなっていく。そうして次に目覚めたのは自室の布団の上だった。
大きなあくびを一つ。変な夢を見たせいで疲れているのか、なんだか妙に眠たい。
なんだか違和感を感じる。いつもより目線が低いような...そんなに疲れてるのか。
とりあえず下に降りることにした。時刻は10時。遅刻だ。
あれ?俺いつもこんなに起きるの遅いっけ?
「おはよー母さん」
「だ...誰!?私はこんな息子を生んだ覚えはありませんけど!?」
「? 寝ぼけてんの母さん?俺だよ、嶺斗だよ?」
「嶺斗...?嶺斗は人間の子供ですけど?」
「え?俺人間だよ?」
「嘘おっしゃい!鏡でも見てきなさいよ!この人外!」
鬼のような形相で俺を追い返す母。どっちが人外だよ。
まあ埒が明かないので鏡を見てから判断することにする。
どうせ寝ぼけてんだろとか思いながら洗面台に立った俺は言葉を失った。
目の前には、あのパッとしないモブみたいな人間の顔ではなく、眠そうなネコの顔が写っていた。
まさかあの夢は本当だったのか...だったらもうちょっと真面目に考えておけばよかったな...
なんて後悔しつつ、ついでに顔を洗って鬼のもとへ戻る。
「それで、荷物はまとめてきたの?」
「待って」
「待つも何もあなたはうちの子じゃないんだから出て行ってもらいますからね」
「待ってってば母さん」
「この期に及んで母さんなんてよく呼べたものね、この人外が」
「一度話を聞いてよ」
「どうせ戯言であたしを騙そうってんでしょ。そうはいかないわよ」
「俺は夢で神様に願ったんだ。『ネコになりたい』って。そしたら叶っちゃったんだよ」
「神様なんてもんがいたら今頃もっとうちは裕福でしょうよ」
何を言っても信じてなどくれない。そう悟らざるを得ないぐらいに母親は冷たかった。
「...わかった。もうこの家には戻らない。」
「ええ、そうしてちょうだい。次に戻ってきたら警察にでも連絡しようかしら」
制服を着て、学生カバンと財布だけを持って、俺はいつも通り学校へと向かった。
俺は中村嶺斗。どこにでもいる普通の男子高校生...のはずだった男だ。
周りからはひそひそ声が聞こえてきたり、明らかにこちらに視線を向けながら嫌そうな顔をする人もいた。
教室についてからも、不思議そうな顔で俺を見つめる人は多かった。というか全員がそんな感じだった。
その場から逃げ出したくて荷物を置いた後に教室を飛び出したはいいものの、担任にどう説明したら信じてもらえるか...
考えているうちに、一つの結論にたどり着いた。俺はすかさず校長室へと歩みを進めた。
「入りなさい」
「失礼します」
ガチャ。扉を開け、校長と目が合った瞬間校長の表情が変わった。
隣にいた教頭が口を開く。
「君は誰だね?うちの学校にこんな化け物はいたはずがないと思うが」
「1年3組の中村嶺斗と申します。訳あってこのような姿になってしまいまして...」
「ふむ、話してみなさい。」
俺は校長と教頭に洗いざらい話した。
「...君の話はよくわかった。しかし信じがたいこともあるものだ...」
「信じて、くれるんですか...?」
「なに、まだ真偽がついたわけでもないし、先ほども言ったように信じられない事象だからね。ひとまずは信じてみるしかない状況なのだよ」
「家の人はこれを知っているのか?」
「はい...朝出るときに勘当されてきました」
「それは辛かったな...どれ、学生寮を貸してやろう。当分はそこを住まいとして使えばいい。ほかにもそのような事例がないかなど、こちらでも調査してみよう。」
「本当にありがとうございます...!」
やさしい二人でよかった...そこからは関係者に話が伝わるのも早く、いつも通りの学校生活に戻りつつあった。
さすがに全校集会でみんなの前に立ったのは恥ずかしかったけど...。ただ、一つ変わったことがあった。
読んでいただきありがとうございます。作者です。
今回は第一話ということなんですが主要人物の大政くんの出番が圧倒的に少ないと。
主として登場するのが嶺斗と裏喰のみ。これから大政くんはどのようにして存在感を発揮していくのか。
第一話と書いていますが、第二話と続く感じにしようとは今のところ思っていません。
ハ〇ー・ポッターや都会のトム&〇ーヤみたいに、その巻ごとに違った世界線、世界観のストーリーにしていこうかなという感じです。
第一巻が短いですが、テーマさえ決まればあとからあとからアイデアの出てくる脳みそなので、次巻があればもう少ししっかりとした内容の
ストーリーが欠けるんじゃないかなと思いますので、乞うご期待。
今回のお話は三人の馴れ初めみたいな感じですね。次からこの三人が大波を巻き起こすって感じです。
いつかよそのキャラクターさんとかも組み込んでみたい...
今回のお話の最初のテーマが、「友情は種族をも超える」だったんですね。
まぁーちょっと遠い内容になってしまいましたねぇ...
小説書くのとか初めてで言葉選びとか表現とか、構成とかまだまだ未熟だと思うんですが、これから頑張っていこうと思うので
温かく見守ってやってください!なんたって半日ですから!
p.s.この小説の登場人物に立ち絵を付けてくれる人も募集中です。
もし暇だからやりたい!って方がいればTwitter @Zea3dazo のDMまでお願いします。
(作者にまだお金がないので無償での依頼という形になります。ご了承ください。)
ぜあとまと