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序章

大学から自宅までの帰路。

電車に揺られ最寄駅に着き、夏の夜風を浴びながら街頭に照らされた道を顔を伏せぎみに歩く。

夕飯何にしよう。

そう考えていると足取りは近所のスーパーへと向いていた。

野菜コーナーの方へ行くともやしが安く売ってあり、金欠の大学生にはとても助かる。

そして、ふと目に入った野菜があった。


「カリフローレ?」


ブロッコリーでもなくカリフラワーでもなく、カリフローレ。

見た目はカリフラワーに似ていて、名前も可愛い。

運命を感じて自然と手に取っていた。


スーパーから出ると外は先程よりも暗く、秋に鳴く虫があらゆるところから聞こえる。


「早く家に帰ろう…」


街頭に照らされてできた自分の影を見ながら人気のない住宅街を歩く。

一瞬、足音が聞こえた気がした。

突如聞こえた足音に怖くなり後ろを振り返っても誰もいない。

幻聴だと思い安心して前を向いた。


「なんだ幻聴…」


突如、目の前に刃物を持った男が現れた。

男は全身黒づくめの洋服で闇の中に溶け込んでいた。姿見からして只者ではない、と感じすくむ足を必死の勢いで動かし今来た道を戻ろうとする。

その行動こそ、遅れをとってしまう。


「……………え?」


一瞬のことだった。

先の尖った鋭利な物が腹部に突き刺さる感覚を、一瞬で理解は出来ず全身の穴という穴から冷や汗が滲み出る。

痛い。

そう思った時には痛覚の衝撃で体がぐらりと揺れ、意識が朦朧とし始め遂には途絶えた。

夕冷えする人気のない住宅街でキリギリスの鳴く音と血液が流れる静かな音が不気味な気配を漂わせていた。

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