アリアーナからの手紙
お読みくださりありがとうございます!
「ローザさん、手紙よ‼︎」
一通の手紙を持ってやってきたメーアは二つに結んだ髪を揺らしながらやって来た。
その後ろには、本来手紙を届けるはずだったのであろう使用人が息を切らして立っていた。
お見苦しい姿をと申し訳なさそうにしながら、メーアの手からローザの手に手紙が確かに渡されたのを見届けると疲れ切った様子で持ち場へ帰っていった。
「ありがとう、メーアちゃん。誰からかしら?」
愛らしいが落ち着いた柄の封筒はリッタのセンスとも違い、かといって両親や兄が使うものでもない。
差出人を見れば、アリアーナの名前が書いてあった。
「アリアーナさんからね」
友人からの手紙に思わず頰が緩む。
ローザはメーアの相手をエリシャとヘレンにしばらくの間任せると、自身はアリアーナからの手紙を読み始めた。
そこにはアリアーナたちの近況が綴られていて――。
かつての級友たちからローザが元気なのかと質問責めにされたことや、クロードの変化についてなど書かれていてローザは笑みをこぼした。
一度手紙を畳むとメーアの相手をして、それから手紙の返事を書くためにペンをとった。
ペンを手にしたものの、ローザの手は動かない。
友人に向けたこういった手紙を書くのは初めてなのである。それ故に、どう書くべきか悩んでいる。
「どう書けばいいのかしらね」
呟いたローザにヘレンがお茶を持ってくる。
「思いのままに綴ればよろしいのでは?支離滅裂な文章でもそこにある思いは伝わりますので」
「そう、ね。ありがとう、ヘレン」
そうしてローザが書き上げた手紙はいつものような形式的なものではなく、ローザの手紙としては随分と砕けたものになった。
翌日に書き直そうとしていたローザだったが、寝ている間にエリシャが送る手続きを済ませてしまっていたため、そのまま送ることになった。
それを見ていたマシューはエリシャの行動に呆れた顔をしていたが止めることはしなかった。
エリシャ同様、書き上げたばかりの手紙が一番ローザの飾らない言葉だと感じているからだ。
同じくエリシャのとった行動を見ていたヘレンは、ローザの言葉を無視して郵送手続きをしたエリシャに驚きつつ、楽しそうにエリシャに加担をしていた。




