表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
13/70

シエル

 書庫からの帰り、ローザの背後から大きな声がした。


「やっとみつけたぁ!この前の姉ちゃん」


 廊下にはローザ以外は兵士しかいないので、ローザは自分のことだと振り返る。


 そこにはフィンの双子の弟シエルがいた。


「シエル様」


 シエルは何かを言いたそうにしてローザを指差す。


「余は王になる身だが、王ではない。よってシエル様と呼ばずともよい」

「えぇと……」


 演技がかった自分の口調に恥ずかしがっているのか、シエルは真っ赤な顔をしている。


 ローザはおそらくシエルは様付けで呼ばれたくないと理解する。


「それじゃあ、シエル君と呼んでもいいかしら」


 妹のリッタより少し幼そうなシエルをシエルさんと呼ぶのは抵抗がある。


 シエルの反応を見ればまんざらでもなさそうだ。


「私に何かようかしら?」


 ローザが尋ねればシエルが少し早口で教えてくれる。


「この前、兄ちゃんがジャマしてちゃんと挨拶出来なかったから、それに――」

「それに?」

「当分ここにいるってきいたから、仲良くなりたくてさ。えっと、ローズ?さん」

「ローザよ。この前はシエル君には自己紹介してなかったわね」


 クスリと笑って、ローザはシエルに自己紹介をする。


「改めて、私はローザ・ローゼン。ドットーレ王国の侯爵令嬢よ」

「そっか、よろしくなローザ姉ちゃん」

「こちらこそよろしくね、シエル君」


 握手を交わすローザとシエル。


「あ、そうだ」


 何かを思い出したシエルはローザの顔を見る。


「ローザ姉ちゃんも一緒にきてよ。母さまが作るおやつ美味しいんだ」


 一緒に行っていいものかとローザが悩むが、シエルは考える時間を与えずローザの手を持つと引っ張る。


「こっち、昨日美味しいイチゴが手に入ったって言ってたから、たぶんイチゴのおやつだと思う」

「そうなの」


 シエルに手を引かれながら歩くローザはシエルを妹のリッタと重ねて見ていた。


 アルレッキーノ王国にきて数日だというのにこの元気さを見ていると懐かしくなるローザだった。


シエルの口調はレンの影響があります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ