第7話【騎士団長】
「全滅・・・?」
広場に集められ、戦況を報告させられる。
自分と同じように同じように騎士団の彼らも、驚いている。
前線の兵士は王家直属の訓練されていたそうだ。
最後の連絡では、ドラゴンを操る少女がいたという。
ドラゴンというものを見た事はないが、話を聞いていると、希少かつ強力の様だ。
「ドラゴンならともかくそれを操るものは、ここ200年間の間現れなかった。
これから俺らは王の命令により、前線へ狩りだされる。
もし、家族や友人に伝えることがある者は、次の召集までに済ませてくる事!以上!」
そう言って、ネムは解散を命令する。その顔は、今にも泣きそうな悲痛な顔をしていた。
「・・・大丈夫か?」
そう言って、ベットに座る彼女に話しかける。
騎士道を貫き、決して涙を流すことが無かった彼女からは、一筋の涙がこぼれていた。
「私は騎士団長でありながらも、戦場が怖いのだ・・・。
人を、魔物を殺すという事は、その者の痛みを、感情を、後悔を全て背負わなければいけない。
私にはそれが出来ない・・・。私はとても臆病なのだから・・・」
そう言って、彼女は静かに泣いていた。
泣いている女性を励ます言葉など知らない。
だがこれだけは断言できる。
「・・・僕は、臆病でいいと思いますよ。
僕は戦争や争いなんて知りませんし、人を殺したこともありません。
ですが、人は誰かを守ることで、その力を発揮します。
人を殺めることを好む人は少数でしょう。
私たちは、国の為ではなく、民の為に戦うのです。
だから、人を殺すために戦争をするのではなく、弱い人を守るために戦うのです。
僕も、貴方に助けられた人です。決して自分を責めないでください。」
そう言って、彼女の頭を撫でてあげる。
それからしばらくの間、自分は彼女のそばにいてあげた。
「これより!!我々は進軍を始める!!祖国に恥じぬように、その力を私たちに貸してくれ!!」
そう言って、彼女は一番前で馬に乗る。
自分たちも馬車に装備と一緒に乗り、前線に向かう。
しばらく進むと、大きな森が見えてくる。
「あれがエルフの森・・・。」
エルフの森には、中に入ると方向感覚を狂わせる結界が貼られているらしい。
その為、まずは全員に魔法の膜を張って、身体を守るらしい。
「おい・・・あれを見ろ・・・!!」
そう言って、森に目を向けると、雷のような光大量の銃声が聞こえた。
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