表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/51

第7話 いきなりぶっ飛んだ設定が出てきた

どこかこじんまりとした、しかし全てがキラキラと輝くこの空間…ここで私は朝食を取るらしい。異世界に来てから初めての食事である。



「食事に関しましては、『頭の中で念じれば』出てきます。また、『パッと出てきて毒でも入ってるんじゃないのこれ!?』とかいうクレーマー対策として、調理工程を想像すれば、その調理人が実際にここに現れて調理をしてくれます」



…いきなりぶっ飛んだ設定が出てきた。いや、ここに至るまでの流れを見る限り、設定ではなく事実なのだろう。

しかし、望めば調理人が調理する姿まで見せてもらえるとは…手厚くし過ぎじゃなかろうか。



「…じゃあ」



私は白いごはんとお味噌汁、と念じた。すると、本当にアツアツのごはんと味噌汁が出てきたではないか。



「ふむ、魚沼産のコシヒカリですね」


「ん?米の種類まで分けられるの?」


「はい、お米だけでなく、そこの味噌汁…さらにおかず、デザートまで様々な食べ物が可能です。コシヒカリだけでなく、あきたこまち、ササニシキなど。デザートなら、グリコのプッチンプリン、メイトーのなめらかプリンなど。」


「凄いねぇ…」



私は思考を放棄していた。



「これも過去にクレーマーがいたから変えたらしいです。『俺は○○の☓☓じゃないと認めねえ!』って人にも、○○の☓☓を見せれば黙らせられます。証拠がありますから」


「証拠?」


「現物もありますし…じゃあ、試しに『証明書』と念じてみてください」



言われた通りに「証明書」と念じる。



「わ、なんか出たんだけど」


「そう、それが証明書です。宛先は天界から…なんですけど、それだとまたクレーマーがうるさいのでリアルな方向に修正させてます」


「…それって詐欺じゃないの?」


「うーん、詐欺なんですけど、まず証明書を出す事自体がレアですし、この証明書すら疑って難癖付ける人には然るべき罰を与えてます。元々クレーマーがいたからこんな証明書なんて作ってるんですから。」


「うーん…」


「ところで…それ食べないんですか?冷めちゃいますよ?と言っても、それも『電子レンジ』と念じれば一瞬でチンできちゃうんですけどね」


「え?食べる食べる、…いただきます」


「調味料も念じれば出てきますからねー」


「………………」



ちょこちょこ口を出すアイスちゃんにイライラしながら、頼んでなかった「お茶」を念じて出してから朝食をほうばった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ