9. 挟撃
しばらくしてローズが戻ってきた。
「これは、、、?」
私はこれまでの経緯をローズに話した。
「まさかリリィがそこまで思いつめていたとは、」
そういうとローズは、百合子の目を閉じる。
私はローズと、この後のことについて話し合う。
「なんとしてでも生き残ろう。」
話し合いが終わり、ローズと二人で行動を共にする事になった。
学校を出て家に向かう。
「あれ?綾子先輩帰り道こっちでしたっけ。」
「いや、普段は遠回りになるからこちらからは帰らないが、たまには楓と一緒に帰ろうかと思って。」
「...。私と、ローズさん二人だけになって、園芸部が廃部になったらもうこうやって集まるところが無くなっちゃいますね。」
「そう言えば楓が園芸部に入ったのは夏休みに入ってからだったか。でも、その心配は大丈夫さ。魔法少女ではないが、部員はまだ何人かいるからな。学校がはじまったらみんなを紹介しよう。」
そう言って綾子は、微笑んだ。
「なら絶対に無事夏休みを乗り切らないとですね。」
私は、半ば無理だと思いつつも笑顔を作って返した。
《楓、誰かにつけられてるな》
綾子は、たわいのない会話をしながらテレパシーを送ってきた。
《わかるんですか?》
私は一人も人の気配がない大通りを見渡す。
「こっちだ。」
そういうと綾子は、路地に走り出す。
私は慌てて後を追い変身する。
路地に入るとそこには既にローズが臨戦態勢に入って私の来た方を警戒している。
私は、ローズの元に行き、来た道を警戒する。
しばらく待っても何も現れない。
「上だ!!」
そういうとローズは、勢いよく荊で屋根を作る。
私も遅れて空間障壁を上空に張る。
するとローズの荊がみるみる凍り付いて、枯れて行く。
ローズは、それを見た途端横に勢いよく飛んだ。
その瞬間にローズのいた場所に上空からつららが降り注ぐ。
「久しぶりだな、グラス」
ローズがそう叫ぶと屋根の上から、一人の魔法少女が飛び降りる、
「お久しぶりです、ローズさん。」
そういうと彼女は品定めをするように見る。
蒼い髪、蒼い瞳、蒼い服、に右目だけが紅いオッドアイの少女、私はいかにも氷を使いそうだなと思い行く末を見守る。
「相方は居ないのか?」
ローズは、グラスに問いかけると彼女は後ろを指差す。
私は後ろを振り返ると、そこには紅い髪、紅い瞳、紅い服、に左目だけが蒼いオッドアイのグラスと瓜二つの少女がいた。
「久しぶりってか?」
そういうと紅い魔法少女は、殺気を剥き出しにして笑った。
「おいグラス、私の方が相性いいからローズは、私がもらうぜ。」
「うんフラムわかった。」
そういうとフラムはローズと向き合う。私はそれを見てグラスと向き合う。
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