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魔法少女メイプル  作者: 海鼠の行進
1章 集結
3/11

3.薔薇園

夏休み3日目。

有栖は海外に一週間ほど旅行に行ってしまい、しばらくは会うことができない。

「シュレディンガーさん魔法少女はみんな争わないといけないの?」

「いや、そんなことはないよ。グループを組んで陣地を持つ魔法少女もいる。」

「どうやってチームを組むの?」

「魔法少女になる前から友達だったり、クラスメイトだったりと、変身前が見知った顔の人同士の場合が多いね。」

「じゃあ私には難しいかな。」

「そんなことはないさ。野茨女学院にも魔法少女のグループはあるよ。」

「そうなの?今日探してみようかな。」

「もし仲間に入れてもらえたら大きな力になるよ。」

「そうと決まれば。」

私は制服に着替えて学校へ登校した。

学校に着くと流石に夏の大会前とあってか、ソフトボール部や陸上部がグラウンドで、練習をしていた。

《シュレディンガーさんそういえば魔法少女ってどうやって見分けるの?》

《テレパシーで話しかけて反応があるかどうかが一番楽だけど、一人づつしかで確認できないから学校とかでは非効率だね。》

《じゃあどうすれば良いの?》

《簡単さ魔法少女の隠れ家に行けば良い。》

《それはどこにあるの?》

《自分で探すしかないよ。ただ魔力の感じるところに行けば入り口が見つかるよ。》

制服で校内を歩き回り、違和感がないか探して見る、ふと一つの扉の前で立ち止まる。[園芸部]裏庭への外に出る扉だよね。

扉をくぐるとやはりそこは裏庭だった。沢山の花壇に色々な花が植えてある。そこにはひとりの生徒が立っていた。

長い髪にの間から見えた緑のリボン、2年生かな?

「あら。1年生?園芸部にいらっしゃい。」

「あっ。すみません。1年B組の三橋 楓(みはし かえで)です。」

「あら、ご丁寧にどうも。私は藤田 百合子(ふじた ゆりこ)、2年C組でこの園芸部の副部長よ。」

ここじゃないのかな?

「ところで三橋さんは、どうしてここに?」

《魔法少女を探してとは言えないし、なんて返そう。》

「ちょっと園芸部がどういうものか気になって。」

「良かったら見ていく?」

「良いんですか?」

「良いわよ、私も色々聞きたいことがあるし。」

それからたわいの無い会話が続く。

この学校に来た理由。

園芸部に、興味がないか?

今何部に入っているのか?


《そう言えば三橋さんは魔法少女になってどれくらい?》

「え?」

いきなりすぎて質問に意味が理解出来なかった。

「ふぅ〜ん。やっぱり三橋さんは魔法少女だったんだ。」

「そっ、そ、ん、な、こ、と、な、い、で、す、よ。」

自分でも思ったが、今の返答は隠せてないなぁって。

「...どうしてわかったんですか?」

それはもう声に出してない質問にまで反応すれば気づくわよ。

「あっ」

「良いわ悪い子じゃなさそうだし、一つだけ質問いいかしら。」

「何ですか?」

「貴方人を殺したことある?」

「無いですよ!!」

あまりの事に少し強めに返してしまった。

「それなら園芸部に入らない?内の園芸部は、何人か魔法少女がいるのよね。」

「入りたいです。」

「そう。ならついてきて。」

そういうと藤田さんは園芸倉庫の中に入って行った。

「お邪魔します。」

「こっちよ。」

そういうと彼女は地下収納の中に飛び込んだ。

ここ?

中は真っ暗で底が見えない。

「えい!」

飛び降りるとそこまで深くなかった。目の前には藤田さんが待っていた。

周りを見渡すと沢山の薔薇が咲いていた。

突然藤田さんが光りだす。

「変身?」

藤田さんが変身したので急いで私も変身する。

ふと目の前には白い花柄のドレスにポニーテールの女の子が立っていた。

「新しい子を連れてきたわ。」

「うむ。」

「「「ようこそ薔薇園(ローズガーデン)へ」」」

そこには藤田さんと二人の魔法少女がいた。

赤い薔薇柄のドレスに赤いショートボブの薔薇の髪飾りをした女の子が口を開いた。

「まずは、自己紹介と行こうか。私は、この薔薇園のリーダー、ローズだ。」

白い花柄のドレスにポニーテールの女の子藤田さんが口を開いた、

「私は副リーダー、リリィよ。」

最後に赤い水玉模様のポンチョを着た黒髪の少女がこちらに向く

「わ、私は、チェリーです。」

「あと一人居るのだけどまた今度で、そちらは?」

聞かれて気がついた私だけなのって無い事に。

「私はメイプルです。」

「改めてようこそ。ここは野茨女学院の生徒が魔法少女として狙われるのを防ぐために作られた施設で、基本的にには、自由だよ。

ここに居る限り誰も襲ってこないし、誰も襲わなくていい、まさに楽園さ。」

「私たちは皆んなの平和を守る為にこの力を使う事にしたの。学校で何かあれば影から支えられるそういうチームにしようって。」

それから注意事項を色々聞いた。

学校で魔法を使って体育などの成績を上げない事、魔法を使って喧嘩をしない事などだ。

「ただいま。をっ?新入りかい?」

「メイプルです。」

「私はサンフラワーだよろしくな。」

「全員揃ったし帰りましょうか。」

「そうだな。」

そういうとローズは手を挙げた。

すると周りに咲いていた花が蕾に戻り地面に沈んで行く。

ふと気がつくと元の用具室に立っていた。

皆んな変身を解いたので私も解く。

改めて自己紹介。

「2年C組、園芸部部長、野茨 綾子(のいばら あやこ)、一様理事長の娘よ。」

「同じく2年C組、副部長、藤田 百合子(ふじた ゆりこ)よ。」

「2年B組菊地 洋子(きくち ようこ)だよろしくな。」

「い、1年B組桜 桃子(さくら ももこ)です。」

「あっ桜ちゃん。

私は1年B組三橋 楓(みはし かえで)です。

桜ちゃんと同じクラスです。」

「あら、桜さんのクラスメイトだったの。」

「桜さん、引っ込み思案なところがあるから丁度良かったわね。」

それを聞いて私はふと思った。

「桜ちゃん、よかったら友達にならない?」

「三橋さんが良ければ是非。」

「なら私のことは楓って呼んでほしいな。」

「楓さん、なら私も桃子って、、やっぱりいいです。」

「桃子ちゃんよろしくね。」


「じゃあ私たちはこっちだから。」

そういうと野茨さんと藤田さんは反対側に曲がった

「じゃ私もこれで。」

菊地さんもしばらくすると別れた。

それからしばらく歩いて曲がり角を曲がると

「あっ、そういえば楓ちゃん。明日もあそこでみんなで集まるからよかったら来てね。」

「うん。」

そういうと桃子ちゃんも真っ直ぐに歩いて行った。


「ふーん。あれが君の友達か、」

ふと振り向くとそこには[死神]と呼ばれていた少女が立っていた。

ふと身構えて、変身する。

「私の名前は、リリーパ、みんなからは死神と呼ばれている。」

キーン

予備動作なしでいきなり鎌が飛んできた。

飛んできた鎌はメイプルの張っていたシールドに弾かれて地面に刺さる。

「っち!これだから防御特化はつまらねぇ。殺せないのに殺しに来ない。」

「大丈夫!?」

振り向くとそこにはチェリーが小石を持って威嚇していた。

「チェリー!」

死神はチェリーに向かって走り出した。

するとチェリーは持っていた石を投げた投げられた石は見る見るうちに大きくなりバレーボール大の大きさになったチェリーは、次々、岩を投げて行く。まるで落石でも使ったのかというスピードで岩が飛んで行くその飛んできた岩を死神は()()()()()ふとチェリーを見ると石から沢山の変わった色の玉を手にしていた死神に向かって投げた球は大きな鉄球に変わった。死神はその鉄球を弾きながら前進するとと、途中透明な中に色々な模様の入った玉が飛んで行った。死神がそれを弾くと粉々になり大量のガラス片が死神を襲いかかる。

「くっ!」

死神は後ろに飛ぶようにして避けたが全身に切り傷ができていた。

このやろうやりやがったな。まだ飛んでいくガラス玉と鉄球を前に死神は大鎌を振りかぶった。

「しゃらくせ〜!!」

途端空中で全ての玉が粉々になり消滅した。

その余波でチェリーと私は吹き飛ぶ。

「っっ」

10メートルほど先の塀に激突して壁にヒビが入る。

意識が朦朧とする中死神を探すと死神はチェリーの方へと歩いている。

「このクソが死にな!」

死神が鎌を振り上げたのを見て私はいても立ってもいられなくなりシールドごと死神に突っ込んだ。

「アァァァァァ」

ドンッ!

鈍い音がして死神は吹き飛んだ。そのまま倒れた死神に向かってシールドで、押さえつける。

アスファルトが軋み地面にヒビが入るが力一杯押して動かないように押さえつける。

「このやろう離しやがれ」

死神の怒号が聞こえるが気にせず押す

やがてチェリーから受けたガラス片の傷跡から水鉄砲でも打ち出したかのように血が噴き出す。

地面にヒビが入り中の土が見えてむき出しの地面になっている。

やがて死神の体が光り始め元の姿に戻った。

それでも力を抜かず押し続ける

ふと後ろから衝撃がきた。

チェリーが後ろから抱きついてきたのだ。

「メイプルもう大丈夫だから。」

そこで私はやっとシールドを解いたシールドの下敷きになった死神は、地面に陥没していて全身から血が噴き出して元の原型を留めていない。

私は自分がなにをしたかを始めて理解した。

「うわぁーーーーーーー」

理解したら急に怖くなって膝から崩れ落ちた。

一気に吐き気が込み上げてくる。

胃の中身が全て出す勢いで吐いた。

「メイプル、辛いのはわかるけど早く立ち去らないと、人が来ちゃう。」

そう言ってチェリーは、私に移動するように促してくる。

私はとりあえずその場を後にした。

その日の夕方の地元の新聞にて葬儀屋の一人娘である神無月 明日香(かんなづき あすか)の圧死による怪奇殺人のニュースを見て私はさらに追い打ちを受けた。

これから長期で連載予定ですので、皆様から評価を頂けたら嬉しいです。

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