2.初めての魔法
夏休み2日
今日は有栖のお見舞いに行く予定です。
「そう言えばシュレディンガーさん私ってどんな魔法が使えるの。」
「そうだね。まずは魔法少女への変身だね。」
「おお、アニメ見たいでそこから入るんだ。」
「可愛い自分を想像してごらんそれに自分が今着替えたと思って変身と強く念じてごらん。但し変身の衣装は「出来たよ。」」
自室の姿見で確認した。ピンクを基調としたミニスカートのフリルドレスにブーツ、白いミニシルクハット。髪の色も暗いブラックから桜色に。
「おお。すごい。これ他のも変身出来るの?」
「一度決めた衣装は、変更出来ないよ。」
「え?」
「さっき話したじゃないか。」
「そうだっけ?まっいいか。他に使える魔法は、あるの?」
「手を前に出してごらん自分の前に魔法で何かを生み出すイメージをしてごらんそれがそうすれば君の目の前に魔法が出るよ。」
「こう?………あっ!なんか出た。
壁?」
「これはシールドだね」
「シールド?」
「魔法攻撃や物理的衝撃から守ってくれる壁のことさ。」
「凄い?のかな。」
「まあ戦闘向きではないね。」
「そうなんだ。」
「硬い分色々なことにも使えるようになるよ」
「後は魔法少女は、名前がバレるとまずいから魔法少女名が必要だよ。」
「魔法少女名か、やっぱり此処はいつもゲームで使ってるメイプルでいいかな。」
「君がいいならそれで良いと思うよ。」
「そういえばお見舞いに行くんじゃなかったのかい?」
「あれ?もうこんな時間行かなきゃ。」
「行ってきます。」
そう言えば身体もいつもより軽い気がする。
《まぁ、魔法少女になったから魔力で肉体が強化されているからね。》
あれ?私声に出してたっけ?
《魔法少女とその契約を結ぶとそこにパスが生まれるからね。心の声が聞けるようになるんだよ。》
へぇー。そうなんだ。
《因みになれれば喋りかける事も逆に遮断する事も出来るよ。今の君は僕に対して全て筒抜けだから。》
ピンポーン
「はい。今出ます。」
「あら、楓ちゃん来てくれたの?」
「有栖ちゃんいますか?」
「どうぞ上がって。有栖お友達が来たから上げるわよ。
子供部屋に居るから部屋はま、よく来るし大丈夫よね。」
そう言って有栖のお母さんは台所に居なくなった。
子供部屋は二階の手前の部屋だよね。
「有栖入るよ。」
「楓、わざわざ来てくれたの?全く持って何も無いのに。なんで気絶してたのかわからないくらいだよ」
「まぁ、一様あの時一緒にいたし。」
そのあと有栖のお母さんが部屋に菓子折りを持ってきてくれたので二人でお話ししながら食べた。
「それじゃもうすぐ夜だし帰ろうかな。」
「明日朝一の便でアメリカに旅行に行くから。また来週帰ってきたら連絡するね。」
「うん。また来週。」
そう言って私は胡桃沢宅を後にした。
シュレディンガーさんそういえば魔法少女になるとき戦うとか言ってたけど何と戦うの?
《それはもちろん敵だよ同じ力を持つ悪いやつを倒すのさ。》
「それって人を殺せって事?」
声に出して気がついた。
魔法少女になる時に説明をよく聞かなかった自分の失敗を。
《殺すのは人じゃない。悪い魔法少女さ。》
どっちでも一緒だよ。
ふと前を見ると二日前に見た長い髪の女の子が立っていた。
「君は、奇跡の魔法を信じるかい?」
「え?」
《まぁこれだけ、テレパシーを飛ばしてれば確認の必要もないけどな。》
そう言うと髪の長い女の子がいきなり光り出した
《まずいメイプル早く変身を。》
すると光は収まり目の前の女の子は、黒い燕尾服に白い長髪、黒いデスサイズを持っていた。
「それでは、はじめまして。そしてさようなら。」
そう言うと彼女はデスサイズを振りかぶった。
「きゃぁー」
思わず目を閉じて手でデスサイズを刃の部分を受け止めてしまう。
あれ?痛くない、、、。
ふと目を開けて見ると目の前には透明な壁をよって弾かれたデスサイズが明後日の方向の飛んで行くのが見えた。
いつのまにか私の服もピンクのフリルドレスに変わっている。
「っち!こいつ防御特化かよ。」
「おい今女性の悲鳴が聞こえなかったか。」
「こっちだ。」
「全く運のいいやつだ。」
そう言うと彼女は2階建の民家に向かって飛び乗りそのまま見えなくなってしまった。
私も離れないと。
すぐにそこから走って立ち去った。
《まさか。初心者キラーの死神が出てくるなんてね。》
何を呑気に私なんか殺されかけたのに。
《大丈夫さ次来たら返り討ちにすれば良いよ》
私人なんか殺せないよ。
《大丈夫、きっとその内なれるさ》
これから長期で連載予定ですので、皆様から評価を頂けたら嬉しいです。